第8話 門番さん
「門番さん!?相手はゴーストキングですよ!?1人じゃ無理……しかも、物理が効かないんですよ!?」
「大丈夫だ、あんちゃんは後ろで見てな。」
門番のおじさんは足を踏み込み、一気にゴーストキングとの距離を縮める。
大剣を振りかぶり、一太刀。
ゴーストキングは影に隠れてその攻撃を躱した。
「ちっ、流石に躱されたかよ。」
門番のおじさんは大剣を構えて、ゴーストキングが出てくるのを待つ。
「身体強化」
おじさんは魔法を使って自身を強化。
だが、魔法には詠唱が必要なんじゃ?そんな疑問を抱いた。
その後、ゴーストキングがおじさんの影から出てきた瞬間に、
「超・巨撃衝!!!」
その衝撃は凄まじく、地面が割れた。そして、ゴーストキングに大技が当たった。
ゴーストキングはその攻撃をもろに受け、怯む。
その隙を見逃さずにおじさんは追撃をする。
「連撃!!!」
おじさんは大剣を片手剣を振るうかのように軽々しく扱っていた。そして決着はついた……
「ふぅ……こんなもんか」
おじさんがゴーストキングをあっという間に倒してしまった。
ゴーストキングがやられると魔石と、まさかとは別の石?のようなものがドロップしていた。おじさんはそのドロップしたものを拾っていた。
そして、人魂のようなものがふわふわと浮いて出て、少女に入っていく。
「あれ……ここはどこ?」
少女が目覚めた。俺は声をかける。
「大丈夫かい?」
少女ははっとするような目つきをした。
「この前のお兄さん?私……ヒール草を取りに来てそれで……ゴーストに……」
やはり予想通り、この子はヒール草を取りに来てゴーストに襲われたようだった。
「おうあんちゃんこの子が前に森で助けたって子かい?」
おじさんが聞いてくる。
「はい、そうです。」
そう答えるとおじさんは何やらやばいやつを見るような目つきで少女を見る。
「ふ〜ん……なるほどねぇ……大丈夫かい?嬢ちゃん。」
おじさんは何かを理解したようだったが俺には分からなかった。それはともかく、
「無事でよかったよ!さぁ街に戻ろう?」
俺は少女にそう声をかけ、最奥の部屋から出ようとした。そのとき、
「おうあんちゃん、先に街に帰ってな。俺はちとここに用事があるから」
おじさんはそういうので俺と少女は一足先にダンジョンを出て街へと戻ろうとする。
「ではお先に!」
「おう!またなあんちゃん!また会おう」
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さて……あんちゃんは行ったか……さて、俺はこっちの問題を片付けるか。
「おい、隠れてるのは分かってるんだ。さっさと出てこい。」
少しの間、静まり返るが……
「バレてしまいましたか…クフフ、さすが元聖騎士団の団長様ですねぇ」
こいつ……強い…………ただもんじゃねぇな。
「うっせぇ、俺は今はただの街の門番だよ……んでお前さんは何者だよ」
「クフフ!私は闇に潜み、光を狩るもの……ただの邪神様の使い、四天王の1人の[ネクロス]ですよ」
邪神の使い……またお前に邪魔されるのかよ、邪神よ。
「お前の名前まで聞いてねぇよ。んで、邪神様の使いがなんであんな小さな女の子を狙うんだ?マーキングがモロバレだったぞ?」
「おや……狙いがバレてしまっていましたか……まぁそのうち分かるでしょう。今はあなたと戦っている時間はないので、ここらへんでお暇させていただきますね」
「そうはいかねぇなぁ、邪の使いさんよ……人生にはなぁ、やらなきゃいけないことがあるんだよ……本気出すぜ。」
こいつは絶対に逃しちゃいけねぇやつだな……
「限界突破」
俺は自分の限界を超えて、超絶な力を手に入れる。
ほぼ全てのステータス上昇、これが限界突破の効果だ。
「なかなかいいですよ、実にいい!」
「ありがとよ、そのまま次の攻撃を受けてくれると嬉しいんだが……極・巨撃衝!!!」
「クフフフフフ!ヌルい攻撃ですねぇ、しっかりと受けてあげたってのに……だいぶ衰えてるんじゃないですかねぇ」
俺の攻撃は相手のシールドに防がれた。
「このレベルならここで始末しとくのもありですかねぇ」
邪の使いは闇の中から大きな鎌を作り出した。闇の鎌だ。
「舐めるなよ!?」
俺も大剣を構える。そして、俺と邪の使いは撃ち合う。避けたり、攻撃を受けたりの与えたりの攻防が続くが……
「チッ、しぶといやろぉだな……超・巨撃衝!!!」
俺は極・巨撃衝がまだクールタイムだったため、一つ下の超・巨撃衝を繰り出す。
「クフフ!ぬるいですよ!非常にぬるい!死神の一閃」
大剣と鎌がバチバチと当たり、火花が散る。その後も技の撃ち合いが続くが決着が近づく。
「闇裂斬!」
「斬撃∞!!!」
どちらも連撃が何度も当たる。そして決着が着く……
「深淵の断罪」
「グハァ!」
俺は腹を裂かれた。裂かれた瞬間、焼けるような痛みが体中に走り、腹のあたりが熱い。そして、体の芯がすっと冷えていった。そして力が抜け俺は地面へと倒れる。
「クフフフフフフフフフ!これで私たちの計画がよりスムーズに進みますねぇ、元聖騎士団団長様がこんなに弱ってくれていたんです!感謝しかありませんよ」
「ここで俺が死んだとして……お前らの計画がうまくいくとは思うなよ……人類の救世主は育ちつつある」
あんちゃん……おめぇさんが人類の希望なんだぜ?頑張れよ……
「それはこちらも同じこと、邪神様の後継者が育ちつつあるんですよ……さらには、現邪神様も直々に動いています……これからが楽しみですねぇ!」
「そうか……」
「ではごきげんよう」
邪の使いは闇へと消えていった。
「ここで死ぬのか……まぁいい人生だったんじゃねぇか……もし……生まれ変われるのなら……若い体で剣が振るえたらいいなぁ」
そして、俺は意識が消え……
―― 石が光る…………
俺の体を包む……
「ハッ!まだ諦めないでいいってのか!?あいつにはまた俺がリベンジするぜ……」
そして、俺は消えた……
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俺はおじさんと別れた後、少女を抱え、気を発動して、ダンジョンから脱出した。
「ふぅ、なんとか抜け出せたな!」
「……ですね……ただ門番さんが心配です……」
アンジュはなぜか、門番さんを心配しているようだった。
「あんなに強いおじさんだったら平気だろ〜!」
「そうだといいのですが……」
門番さん……なぜあんなに強かったんだろうか?また今度会った時に聞いてみよう。
「そういえば、君はどこに住んでるの?」
俺は少女に聞いてみた。
「んーとね、えっと……街の外にある小さな家にお母さんと住んでるんだ!」
「へぇ〜だから前回の森のあとに街に寄らなかったんだね!1人で帰れたの?」
「うん!平気だったよ……」
そんな話をしていたら、彷徨いの森を抜け出していた。
「ヒール草は取れたのかな?」
「あっ!どこかに落としてきちゃったかも……どうしよう……」
少女は今にも泣きそうだった。
「これをあげよう!」
俺はそう言ってアイテムボックスからヒール草を取り出した。
「これは……ヒール草!?いいんですか?」
「あぁ!大量に手に入ったからな!数本ぐらいどうってことないぜ!」
俺はヒール草を少女にあげて、少女と別れた。
「またいつか!」
「ありがとうお兄ちゃん!またね……」
俺は街の門の前まできた。なにやら事件?でも起こったようだった。俺は群れている人たちに事情を尋ねることにした。
「すみません、ここで何かあったんですか?」
「それがねぇ、なんか門の前で急に倒れちゃった子がいるそうなのよ……」
俺は人たちを避けながら、倒れている人を見に行った。そこには、俺と同じくらいの歳の女の子がいた。
「大丈夫なのか?」
俺はアンジュに聞いてみる。
「はい……あの子は大丈夫そうですね、周りの人が適切に治療をしています。」
俺は安心してその場を離れた。そして俺は冒険者ギルドに向かった。
「よぉし!今日でしっかりとした登録ができるかな?」
「余裕ですね!なんなら余ったルクスでご飯も余裕で食べに行けちゃいます!」
俺はワクワクした!初の依頼をやっとクリアしたのだから。冒険者ギルドに着くと、扉を開けて中央のカウンターへと進む。
「依頼を達成してきました!」
「では確認しますね……ヒール草の採取×5ですね!ヒール草を出してもらえますか?」
俺はそう言われたので、
「分かりました!アイテムボックス!」
空中にぴょこんとアイテムボックスが現れる。
「えぇ!?アイテムボックスのスキルですか!?すごく珍しいですね!」
アイテムボックスは珍しいらしい。俺はなんか物をいっぱい入れて運びたいって思ったら使えるようになったんだがな。
「そうなんですか!じゃあ俺ってラッキーですね!」
そう言いながらヒール草をとりあえず全て出してみた。
「これで全部です!」
ヒール草はカウンターを全部埋めるように、山のようにあった。
「ヒール草がこんなに!?確か……5本で100ルクスの達成報酬で、その後1本ごとに15ルクスでしたよね……これはすごいことになりそうですね!」
受け付けの人が喜びと困惑を足して2で割ったような顔をした。
「では先に5本をとって、100ルクスの報酬を渡しちゃいますね。」
「ありがとうございます!じゃあこの100ルクスでギルドへの本登録お願いしてもいいですか?」
「かしこまりました!ギルドの本登録とヒール草の確認が出来次第お呼びしますので、ギルド内でお待ちください!」
俺はそう言われたので、依頼ボードがあるところに行く。
「なぁアンジュ、俺の今の実力ならどの程度の魔物まで倒せる?」
「そうですね……Gランクぐらいなら倒せるのではないでしょうか?」
GランクとはS〜Jの11ランクある中の下から4番目のランクだ。
「そんぐらいなのか……バフありならEランク?」
「安定して狩れるのはその下のFランクではないでしょうか?なのでこの辺りだとグレートウルフがおすすめです」
俺は依頼ボードに目を向ける。グレートウルフ討伐という依頼書が張り出されていた。
「グレートウルフの討伐……Fランクの依頼書だな……これにするわ!」
俺は依頼書をボードから取った。
そのとき、
「アサヒさん〜!ギルドへの登録とヒール草の確認ができましたので中央の受け付けまでお越しください!」
俺は呼ばれたので急いで受付まで向かう。
「アサヒさんの登録できました!冒険者ランクは1からスタートです!最高ランクは例外を除いて100ですので、頑張ってくださいね!」
俺はギルド証を受け取った。
「ありがとうございます!頑張ります!」
「それと、ヒール草なのですが、追加採取が290本ありましたので、290×15ルクスの4350ルクスになりましす!ご確認お願いします!」
俺はそう言われ、金貨4枚と銀貨3枚、銅貨5枚を受け取った。ちなみに門番さんから受け取った15ルクスは銅貨1枚と鉄貨5枚を貰った。
「ありがとうございます!金貨1枚が1000ルクス、銀貨1枚が100ルクス、銅貨1枚が10ルクス、鉄貨1枚が1ルクスですか?」
「そうですね、その通りです!ちゃんとございましたか?」
「はい!4350ルクス、ピッタリいただきました!あと依頼書の受注をしたいのですがいいですか?」
俺はそう言ってグレートウルフ討伐の依頼書を手渡した。
「はいもちろんですよ!えっと……グレートウルフ討伐の依頼ですね!かしこまりました!グレートウルフはFランクの魔物で、他にも通常のウルフ、これはHランクと群れでいることが多いので気をつけてください!」
「はい!気をつけます!では行ってきます!」
俺はそう言ってギルドを出て、街を出た。
そして、そろそろ時間がやってくる。
「アンジュ〜また明日くるな」
俺はなんとなく夢の終わりを感じることができるようになっていた。
「はい!かしこまりました朝陽様!それではまた明日夢の中で会いましょう」
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俺は現実で目が覚めた。




