第16話 新ダンジョン攻略2日目!②
第7階層に降りた俺、目の前には海が広がっていて……
「海だ〜!」
俺はテンションが上がっている。
「海ですね……魚系の魔物が出るかと思います」
アンジュは冷静に分析する。
そして、俺はというと…
はしゃいでいた。はしゃぐこと数分、その間魔物の気配なし。だけど、下の階層に降りる階段を見つけた。
その階段は海の底にあった。
「あそこまで泳いで行くのか?息が持たないぞ?あ、そうか!」
俺はある魔法を思いついた。紅蓮の嵐を破棄して、
「[魔法構築]酸素の泡!」
この魔法は酸素が入っている泡を発生させる魔法だ。
この泡を頭にかぶせると息が続くようになる設計だ。
「昇り炎龍を破棄しとくか、水の中だと使えないもんな。紅蓮疾風槍はまた使う機会の時に構築するのが大変だから取っとくか」
昇り炎龍を破棄。これで魔法構築の保有魔法の枠が1つ空いた。
「よし!これで準備万端だな!酸素の泡もつけたし、枠も空けといたし。」
俺は海に入り、潜っていく。
「やっぱり階段があるところは深いな〜、水圧やばそうだけど魔力障壁が守ってくれるから平気か!」
俺はどんどん深くまで潜っていく。すると、前方に大きな魚の魔物が見えた。まだこちらには気づいていないようだった。
「えぐっ!めっちゃ大きすぎるだろ!」
「こいつはこの階層のボスだと思います。名前はオオグライ。あの口で飲み込まれたら生きて帰れる保証はありません。なので気をつけてください」
思った以上に化け物の魔物だった。俺は新しい魔法を考える。遠くから狙えて、雷系の魔法。
「[魔法構築]深雷穿」
水中の一点に雷を極限まで圧縮する。この魔法を5本展開する。そして時間を置いてもう5本展開。合計10本の深雷穿をオオグライめがけて放つ。
「くらえ!!!!!」
離れた場所からの奇襲によって、10本全てが当たって相手は痺れている。だが、やられない。
「まじかよ、こいつも強いなぁ!」
俺は暴風嵐を破棄して、もっと火力の高い雷系の魔法を考える。天からこの海底付近まで届く雷を。
「[魔法構築]天雷!!!」
轟音と共に天雷はオオグライを捉えた。
オオグライはこの攻撃によりダウン、その間に俺は水中を泳ぎ、近づく。
「おりゃぁぁぁあ!!!!斬撃Ⅲ!!!」
からの、
「連撃!!!」
止まらない剣撃の嵐でオオグライを斬り刻む。
「天雷!」
天雷は複数展開はできない。俺の魔力を全て込めた一撃の魔法だ。
火力は紅蓮疾風槍も圧倒的に高い。
そして、その後も攻撃を続ける。
だが、オオグライが海の中で大きな波を引き起こす。
「うわぁぁぁ!流される〜!!!」
俺は海の流れに逆らえず流されて、オオグライの目の前まで流されてしまった。
「朝陽様!危ない!!!」
オオグライは大きな口を開け俺を待ち構えていた。もう逃げられない。
ガブッ!とオオグライに食われた。しかし、魔力障壁があるから無傷ではある。
そして、胃の中。
「ここが胃の中か?なんかいろいろあるな。」
そこには、いろんな家具や魚の魔物の死骸、木など、様々なものがあった。消化はされていないのがほとんどだ。
「ここら辺にあるものは、オオグライが最近食べたものでしょう。オオグライは全てのものを飲み込もうとします。敵味方関係なく、なのでこの海にはオオグライ以外の魔物がいなかったのでしょう」
なるほど、その説明で納得がいった。元々、ボスのオオグライだけがこの階層にいるのだと思っていたが、オオグライが他の魔物を食べたからこいつだけだったのだ。
「こいつって相当強いんだな、俺の天雷を2回も受けてるし、めちゃくちゃ連撃もしてたのに耐えてるし、えぐすぎるだろ。」
「まぁこいつはCランクの魔物ですし……朝陽様が初めて戦うCランクですね!」
「えぇ!?Cランク!?やっぱり強すぎるな!Dランクとこんなに差があるなんて……」
Dランクのグレートウルフや、多分ミノタウロスもDだし、キングビートルもDだろう。強すぎるやろと思ったが、これがこの世界の普通なのかもしれない。
「まずは早くここから脱出しないとな!」
ここから出れる保証はないとアンジュは戦う前に言っていた。まぁ水がないところならいろいろ出せるし、時間もあるからゆっくり魔法の練習でもするか!
「紅蓮疾風槍!!!」
まずは手始めに紅蓮疾風槍を3本展開。その後時間を置いてもう3本。そして、さらに今までの最高本数の6本を超え、展開してみる。
「限界を超えろ!!!!!紅蓮疾風槍」
もう3本展開することに成功。そしてここからが本番。維持をできるかいなかでこれからの戦い方が変わってくる。
「耐えろ!耐えろぉ!」
「頑張ってください!朝陽様!」
俺はなんとか維持するのに成功した。
だがきついもんはきつい。よって、そのまま9本を胃の中にぶち込む。
「うぉぉぉりゃぁぁ!!!」
紅蓮疾風槍がオオグライの胃にぶっ刺さる。
そして、オオグライは大きな呻き声をあげる。だが俺はやめない。さらに9本展開する。
「まだまだ止まらないぜ!?」
胃の中はすでに地獄のようだった。だがまだやめない。そして、ここで雷が降ったらどうなるのかを試してみることにする。
「天雷!!!」
ドォン!と音を立ててオオグライにヒットする。しかし、まだやられない。
「本当に硬いな!Cランクってこんなに強いのか!?」
「おかしいですね……Cランクならもっと早く倒れてもいいはずなんです。この耐久力はC+ランクの力ですよ」
ついにランクにプラスがついたぁぁぁぁ!!!
まぁそんなことは置いておいて、なんでCランクのオオグライが1つ?上のランクの耐久度があるんだよ!
「まぁとにかく攻撃しまくればいいんだろ!」
俺は時間を空けながら天雷をさらに3回ほど打ち込んで、ようやくオオグライは俺のことを吐いた。
「ふぅやっと海の中に戻ってきたぜ!ってオオグライお前もう倒れてるやんけ!!!」
そう、ついにオオグライを倒すことができた。もろもろをアイテムボックスに入れる。
「本当にアイテムボックスはよく入るなぁ!俺が縦に10人ぐらいの大きさのオオグライを簡単に入れるってどれだけアイテムボックスは広いんだ?底が知れないぜ!」
そして、目の前に宝箱が現れる。
「こいつは楽しみだ!キングビートルのときは宝箱出なかったからな〜!」
「宝箱に危険性はありません!」
俺はアンジュにそう言われ、安心して宝箱を開ける。
そこにはリングがあった。
「[解析]!」
[魔力の腕輪]
自身の魔力を+100する。魔力を一定時間内に一定量の消費をすると【魔力超過】状態に入る。
【魔力超過】
自分の魔力の上限に応じて、一時的に魔力が増える。
「めっちゃ強くないか!?俺のためにあるもんだろこれ!」
「そうですね!めちゃくちゃ強いです!特に魔力超過状態が頭がおかしいほど強いですよ!」
確かにそうだ。
魔力の上限に応じてということは俺の魔力の上限が増えれば増えるほど魔力が追加されるということだ。
ただ、もしかしたら少量しか追加されないかもしれないし、【魔力超過】状態に入る条件が曖昧だから実戦で使ってみないことには分からない。
「とりあえず実践あるのみだな!」
俺は早速腕につけてみた。俺の腕の大きさに合わせて自動的に調整された。
「すげぇ!自動調整ついてるのか!便利だなぁ〜」
俺はとりあえず階段のところまでくる。階段はなにやらバリアみたいなのに守られており、水が入っていなかった。階段を降りて俺は第8階層に突入。
「第8階層到着〜!今回はどんな敵が出るんだろうな!」
至って普通の洞窟のような場所に出た。そしていきなり、
「魔物発見!アンジュあいつはなんだ?」
蠍のような魔物を2種類発見した。
「ロックスコーピオンとクリスタルスコーピオンですね!ロックスコーピオンの方は物理に強く、魔法に弱いため、魔法がおすすめです!クリスタルスコーピオンは魔法を反射しますが、物理に弱いため、物理で攻撃がおすすめです!」
物理と魔法、2種類の攻撃を使い分けるのが今回の階層の大事なところだろう。
「任せろ!いくぜ!紅蓮疾風槍!」
魔力の指輪のおかげで魔力が増えたので紅蓮疾風槍を4本展開することができた。
「いっけぇ!くらぇ!!!」
ロックスコーピオンたちに紅蓮疾風槍を放つ。そして、俺はクリスタルスコーピオンに近づき、剣で攻撃をする。
「おらおらおら!!!」
止まらない剣の攻撃でクリスタルスコーピオンは倒れる。ロックスコーピオンもやられたっぽい。
「案外弱点をつけば簡単だな!飛翔」
俺は洞窟内を飛び回り、飛翔の練習をしながらボスがいる場所を探す。
そして、数分飛び回りやっと見つけた。
「見つけた〜!んで、あいつが今回のボスか!」
スコーピオンが王冠を被っている。
「キングスコーピオンですね〜D+の魔物です!」
Cランクのオオグライを倒した俺なら楽に勝てるだろ〜と、そう考えていた。
「うっしゃ!行くで〜!紅蓮疾風槍!」
4本展開を3回、よって12本展開する。
維持するのがだいぶきついが、できないわけではない。
俺は紅蓮疾風槍と共にキングスコーピオンに突っ込む。
そして、二刀流を多く使ったからか、頭の中にあるスキルが浮かんだ。
「二刀流、旋風連斬!!!」
鋭い風のような太刀筋でキングスコーピオンを斬る。
だが、キングスコーピオンもその攻撃を爪で捌いていく。俺もキングスコーピオンを譲らない怒涛の攻撃の嵐。
「天雷!」
キングスコーピオンに天からの雷が直撃。だが、その雷を地面へと受け流し、俺に向かって攻撃をしてくる。針の攻撃だ。
「朝陽様!針には毒があるので気をつけて!」
針の攻撃を魔力障壁が防ぎ、俺はカウンターで針を斬り刻む。そのあと、距離を取り……
「[魔法構築]魔剣化」
剣に俺の魔力が流れる。2本の剣が俺の体のように動く。
「ふぅ〜行くか……[気]発動」
俺は一気にキングスコーピオンに近づく。そして、
「二刀流、昇り昇龍!」
キングスコーピオンを宙に打ち上げるような斬撃から
「二刀流、降り降龍!」
キングスコーピオンを地面に叩きつける剣のコンボ技。
キングスコーピオンはその後も反撃をしてくるが、俺はその攻撃を剣で弾きながら、1つの剣をアイテムボックスにしまい、
「一刀流、居合一閃」
キングスコーピオンは真っ二つに分かれて、倒れる。
「ふぅ〜これにて決着!」
もろもろをアイテムボックスに入れる。
「そういえば、この魔物たちの素材で武器とか作れたりするのか?」
「はい!素材によって強さは変わりますが、様々な武器を作れたり、アクセサリーとして指輪とか腕輪とかその他にもいろいろ作れたりします!」
「へぇ〜!じゃあ街に戻ったら武器作ってもらうかな〜!」
楽しみなことができた。街に戻るのはダンジョンを逆に攻略していくのだろうか?
「ダンジョンから街に戻る時ってどうするんだ?」
「基本的にダンジョンでは10階層ごとにワープポイントが発見されています。この新しいダンジョンも10階層目におそらくワープポイントがあると考えます!」
自然にできるダンジョンにワープポイントがあるのはおかしい。が、便利だからまぁいいか。
「なるほどな〜じゃあとりあえず10階層目指して頑張るか!」
俺は階段を降りて、第9階層に到着した。目の前には火山地帯が広がっている。
「火山!?まじかよ〜!まぁ今日はここまでかな〜アンジュまた明日!」
「はい!また明日です!」
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俺は朝目が覚めた。




