表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フィフロスヴ  作者: 煎茶
王の章
34/39

Number.34 信用

アジトとして利用している"廃城"の少し遠く、敵部隊の接近が確認されたということで、数名の戦闘要員を連れてそこに赴いていた。

フィティとシスクトも共にいるが、今回こそは後方支援をしていただこう。


「ミナト!我らはまだお前たちを完全に信用してはいない!この戦いで、しっかり活躍してくれよ!」

横に立つ強面の男が、両手に武器を携えながら話しかけてきた。

「ま、今回のはどうせ戦力確認だけだろうし、無理して手柄を取りに行くこた無いだろうがな。ほれ、お前も使え。」


無理して......か、その通りだ。ここで目立ちすぎるのはよくない。ここにいる者たちに、俺一人で十分だと思われると困る。

何もしないで追い出されるのも、それはそれで困るのだが。


「いえ、俺はいりません。」差し出してきた武器を片手で押し返してみると、男は訝しむような目をこちらに向けてきた。

「あ?前に出て戦うんだぞ?分かってんのか?」

やつら(デセアト)はその武器にある程度の耐性があります。傷を付けて破壊しやすくする役が必要でしょう。それを俺がやりましょう......来ますよ!!」


結局男は片方の武器を地面に落とし、そのままデセアトの方へ向かってしまった。

さて、こちらも戦力確認だ。

男たちの後に続くように地面を蹴った。

二人を置いていくのはいささか不安だったが、共に支援担当として待機しているウィザードたちを信じるしかないだろう。


前線の様子に目を向けると、やはり苦戦している様子だった。やはりデセアトは武器の弾をはね返していたし、数人はいきなり負傷している。

そもそも武器の使い方もよく分かっていなさそうだった。

「早とちりはダメです!寿命が縮みますよ!!」

言い返す隙も与えず、負傷した者を後ろに逃がしながら先頭に出た。


デセアトの装甲に浅く傷を付けて、後は男たちに渡す。

簡単な仕事だ。剣の鍛錬にもならない。

後ろを一瞥してみると、負傷した男をフィティが復元魔法(リカバリー)で治していた。


ミナトが早すぎる。ぼおっとしていると置いて行かれる。

「一気に行きます!!」

その言葉が聞こえたかと思えば、既に数体のデセアトに傷がついていた。

銃口を傷口に向け、引き金を引く。デセアトを直接倒していたのはミナトではなく我々だった。

「これで10体......って、俺たちが倒しちゃっていいのかよ?」

「どうぞ!まだまだ来ます!!」

その言葉が聞こえたときにはミナトの姿は無く、傷のついたデセアトだけがこちらに投げられた。


「これで終わった......か......」

地面にはデセアトの残骸が転がっていた。その上に我々とミナトは立っている。

日が沈むのを眺めている彼の後姿は、どこか不気味さを感じた。


「ふーん、やっぱり魔王様の言う勇者ってのはあの白いのだろうなー。」

長方形の画面に映し出された映像を眺める。つまらないが安全だ。

「例の赤髪の少女もいますね。早速報告しましょう。」

「......だな、思わぬ収穫だ。」

右手を軽く振ると、同時に映像も消えた。

ここからでは見えないが、現場にいた"あいつ"も消えているだろう。

ケイを置いて向かった先は、言わずもがな魔王様の部屋だった。


「緊急!!緊急!!」

地下中に怒号が響く。夜明け前だというのに迷惑な話だ。

昨日の疲れも取れぬまま、唸りながら身体を起こすと、次の怒号が飛び込んできた。

「敵部隊が"王城"付近に待機中!!戦闘要員は作戦室に急げ!!」


目をこすりながら作戦室に入ってみると、フィティやシスクトの姿もあった。

が、屈強な男たちの数が多く、油断したら押しつぶされてしまいそうだった。


「何事です?この廃......王城に敵が?」

「前線からの報告です!戦力はデセアト700以上、半分は"狐"のマークをつけた個体です!」

こちらの失言は報告によってかき消された。

「それほどの戦力を待機させている?こちらの出方をうかがっているのか?」


「狐......あの時のやつか......!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ