Number.23 二人だけだ
「うんうん よく似合ってるねー」渡された服を素直に着てきたハイフィスへ適当に誉め言葉を贈った。
激しい動きには邪魔そうな長めのコート。すぐ脱いでしまいそうだなぁなどと考えながらずっしりと重い"レーザー・ソード"を彼に差し出した。
「これが君が使う武器、ね。腰に下げておくといいよ」
「武器......ですか?これが......?」ハイフィスは困惑している様子であった。
無理もないだろう。彼に差し出したのは、剣の"持ち手"だけ"なのだから。
「この周辺で、魔王軍の動きがあった。既に偵察に出た仲間が5名やられている。」
ハスファドの話は以降も続いたが、聞き流していた。多分二人ともそうだろう。ケントゥリア・1がどうのとか言っていたような気がする。
こんな話を我々にする時点で、どんな要件なのかは大体察しがつく。未だ信用されていないのか、正式に仲間に入れてもらえたから指示を出すのか......。前者であることは、すぐ後に分かることになった。
「君たちには、その集団を迎撃していただきたい。ただしだ......」
ハスファドは一呼吸置いた後、話を再開した。
「二人だけだ。フィティ君と......シスクト君。」
「君たちの活躍はよく見せてもらった。見せてもらったのだがね......どうもミナト君の活躍ばかりが目立つみたいではないか......分かるかね?三人全員がレジスタンスに入れた方が、良いだろう?」
ハスファドが見せた含みのある笑みには、どうも身体が拒否反応を示すらしかった。
「だ、だが我々は......!」
「えっ!......えっ!?い、今の、私が......?」
困惑と驚きが混じった感情を抱きながら、自分の手を覗き込んでみた。
しかし、さっきまでそこにあった赤い炎は、既にその姿を消していた。
「大丈夫、まだ生きています。」
シスクトに身を寄せる女性が、そう優しく返した。
「生きているな?!ミナト"君"!!」
目の前で魔王の攻撃を抑えていたのは、なんとハイフィスだった。
「いや......わかりました。俺はここに残りましょう。」
思いのほかすんなりと了承したことに、二人は勿論、ハスファドも多少驚いている様子だった。
「ただし!......また監視をつけるんですよね?だったら二人が......」
「ああ、問題ない。私とてそこまで非道であるつもりはないからな」話の途中で、ハスファドが割り込んだ。
彼の言葉を、一旦は信用することにした。
ファイヤー
分類:攻撃魔法
炎を生み出す魔法。ある程度の威力調整が可能であるものの、それでも他の魔法と比べるとその強さは劣っている。




