8 ロックゴーレム
俺達は20階のボス部屋にたどり着く。そこに立っていたのは高さ4メートルクラスのロックゴーレム。まさか、こいつがボスか!?
『フハハハハハー! よくぞここまで来たわね。今度のボスは一味違うわよっ! そこに立っているのはマホッテン・ヤンヨー作のロックゴーレム! 石の防御力を持った人型兵器に勝てるかしらぁっ!?』
どこからともなく声が聞こえた。この声はもしや、ダンジョンマスターのマヨワースか!
「え、ひぃおばぁちゃんが作ったの?」
「またマホッテン・ヤンヨーかい」
そいつが作ったロックゴーレムねぇ……。大丈夫なのか?
『さぁ、動きなさい私のロックゴーレム、その名も岩バスター!』
マヨワースが命令すると、ロックゴーレムの目が光る。
そしてゆっくりと動き始めた。足右が高く上がる。
グラリ……。
バッターーーン!
ロックゴーレムはバランスを崩して右に倒れてしまった。さらにその衝撃で右腕が破損。起き上がれないまま足だけが動いていた。
「なぁ、こいつもしかして転んだことを理解してなくね?」
「だな。そういやゴーレムってどうやって周囲の状況を把握してんだ、フレン」
レンズもないから何も見えないはずだし、神経もないから自分の身体に何が起こってるのか。それもわかってないよな、これ。
「私に聞かないで!」
フレンは何も知らんか。残念。
「で、これどうやって倒すよ? 攻撃される心配もないけど、倒す方法もないよな?」
ゴーレムは未だに手足を動かしている。うん?
なんかパラパラと落ちてるな。あれはもしかして……。
「なぁ、もしかして関節の岩、削れてるんじゃ……」
「あ、本当だな」
すると、
ガッターーン!
関節が削れ、支えきれなくなった左腕が落ちる。続いて左脚も落ち、右脚もゴロン、と転がった。
どうやら摩耗が激しすぎて関節が削れ、外れてしまったらしい。
「ねぇ、これもう手足ないよな?」
「おーい、これもう倒したことにしてくれよ。労力の無駄だわ」
リーダンが訴えると、マヨワースは半ギレだった。
『だーーっ! なんでこうなるのよぉっ!?』
「説明書読んだかー?」
『説明書? そういえばそんなものがあったわね。えーと、なになに』
マヨワースはどうやら説明書を読み始めたようだ。いや、今さら読むんかい。
『えー、このロックゴーレムは、作ったはいいけど歩けません。歩くメカニズム難し過ぎて諦めちゃいましたー。ミャハ☆ マホッテン・ヤンヨー』
「「「ぶはははははっ!」」」
マヨワースの読み上げた内容に俺達は腹を抱えて笑った。なんだそのアホすぎる内容は。
「ただの飾りじゃん! ミャハ☆」
「フレン、煽るな煽るな。ぶはははははは!」
いや、フレン。お前わざとだろ。ツボッちまっただろが。
『ふーざーけーるーなーっ! なんなのよそれはぁっ! とんだ不良品じゃないのよぉーーーっ! もぉあんたらの勝ちでいいわよ! 次はもっと凄いのを用意してやるんだからーーっ!』
どうやら俺達の勝ちらしい。
いやー、こんなボスなら大歓迎。次も是非マホッテン・ヤンヨーの作ったやつにして欲しいね。
ロックゴーレムがきえ、代わりに宝箱が出現する。
「宝箱だ、開けようぜ!」
早速リーダンが開ける。中に入っていたのは一本の剣か。
中に紙が入ってるな。
『鑑定書 この剣の名は光の剣。柄から光が出ます。その光はどんな相手でも焼き切るでしょう。 製作者はウッテン・ヤンヨー』
説明を見ると凄そうだ。
しかしウッテン・ヤンヨーの剣だもんな……。
「よし、この剣も売ろう」
「「異議なし!」」
三人の意見が一致した。
Chatさんよりw
これ、かなり完成度高いですw
特に今回は
「現実考証ネタ」と「ヤンヨー一族ネタ」が綺麗に融合してる。
一番好きなところ
ここw
『説明書? そういえばそんなものがあったわね』
お前も読んでなかったんかい!
ジバクーシ
↓
説明書読まない
マヨワース
↓
説明書読まない
フレン
↓
説明書読まない
ヤンヨー一族
↓
説明書書く
全員
↓
読まない
地獄w
ロックゴーレムの倒れ方
これ良いです。
足右が高く上がる
グラリ……
バッターーーン!
ここで既に勝負が終わってるw
普通なら
ゴーレム起動
↓
咆哮
↓
戦闘開始
なのに
ゴーレム起動
↓
転倒
↓
終了
読み手の予想を裏切れてる。
摩耗ネタ
実はここが一番リアル。
関節が削れ、支えきれなくなった
そうなんですよw
石の関節って、
歩行制御以前に
摩耗で死ぬ。
現実の大型石像も
何百年も動かないから残ってるのであって、
4mの石像が毎秒ガリガリ関節擦ったら
粉製造機になりますw
マホッテンの説明書
ここ好きw
歩くメカニズム難し過ぎて諦めちゃいましたー。ミャハ☆
潔すぎる。
普通の発明家
↓
改良する
マホッテン
↓
諦める
↓
出荷する
最低w
フレンの
「ただの飾りじゃん! ミャハ☆」
これも良い。
フレン本人は天然。
でも読者は知ってる。
ひいおばあちゃんの口癖w
だから余計に面白い。
次の犠牲者
光の剣なので、
候補は三人。
第一候補
武器屋
「おお、光る剣か!」
↓
抜刀
↓
失明
定番。
第二候補
貴族
「フハハハハ!」
↓
自慢げに抜く
↓
目がぁぁぁ!
お約束。
第三候補
盗賊
「いただくぜ!」
↓
抜刀
↓
盗賊団全員失明
一番好きw
個人的にやってほしい
光の剣は
強い
本当に焼き切れる
にしてほしい。
分子振動剣
↓
ゴミ
炎の剣
↓
ゴミ
ロックゴーレム
↓
置物
と来てるので。
光の剣
↓
実は本当に最強
↓
ただし眩しすぎる
の方が面白い。
例えば。
盗賊
「手に入れたぞ!」
抜刀
ピカァァァァァ!
盗賊団
全員失明
しかし。
山が半分蒸発
ナン
「強いのか弱いのかどっちだ」
みたいなw
あと今回一番笑ったのは、
「よし、この剣も売ろう」
です。
普通RPGなら
伝説の武器ゲット!
↓
大喜び
ナン達
↓
ヤンヨー製
↓
売却
完全に学習してるw
しかも読者も
その判断は正しい
と思ってしまう。
シリーズとしてかなり良い積み重ねになってますw
次の犠牲者はたぶん武器屋か骨董品コレクターですね。 そして読者全員が
いや、説明書読めよ
と思いながら読む回になりそうですw。




