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ファンタジーおふざけ短編集  作者: まにゅまにゅ


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6 炎の魔剣

「ほほう、これが炎の魔剣ですか」


 道具屋の主人に魔剣イフリスを見てもらう。魔剣は鞘に収められ、ベルトで封をされている。そのベルトにはなにやら文字が書かれていた。


「ふむ……」


 主人がベルトを外し、剣を引き抜く。すると剣先に火が付き、燃え出した。


「おおっ、剣に火がつきましたなぁ。これは珍しい」


 主人が剣を鞘にしまう。そしてベルトをつけると火が消える。なるほど、どうやらあのベルトを外すと火が着く仕組みか。


「いいでしょう、剣もなかなかの代物でしたし、炎を生むとは実に素晴らしい。金貨5枚出しましょう」

「5枚か……」


 あのウッテン・ヤンヨーだしなぁ。持っていると災いを呼びそうだからその値段でいいか。


「よし、売った!」

「まいどありぃ!」


 俺は主人から金貨5枚を受け取る。厄介払いは済んだし、これで何が起きてもの俺達のせいじゃないな。


 俺達は喜んで店を後にした。



    *    *    *


「クックックッ、馬鹿な冒険者で良かった。この剣先は鋼だ。炎を生む魔法剣だぞ? これならきっと金貨20枚でも売れるはずだ!」


 道具屋の主人はクツクツと嗤い、儲けたぜぇ、と一人喜ぶ。

 道具屋の奥の倉庫の中、主人はそこで再び剣を抜いた。


「素晴らしい剣だ。この剣の出来栄えはかなりのものだろう。そしてこの炎だ」


 燃え上がる剣を眺めながら主人はほくそ笑む。その剣に暫く魅入っていた。


「いかんいかん、こんなとこで抜けば火事になってしまうな」


 しかし熱とは伝わるものである。

 剣は炎で熱せられ、その熱は剣の鍔、そして柄へと伝わっていった。


「あちいっ!」


 そして遂にその熱は柄が持てなくなるほどとなる。あまりの熱さに主人は剣を落とす。


「いかん、このままでは火事になってしまう!」


 主人は慌てて剣をしまうべく柄を足で押さえ、鞘を差し込んで剣をしまう。しかしかなり熱せられた剣はその鞘を熱し、燃やし始める。


「そ、そうだベルトを……」


 主人は剣の柄にベルトをかける。しかし鞘が燃え始め、その炎はベルトにも火をつけた。


「なにいいいいっ!? 封印のベルトが燃えただとぉっ!? この炎どうやって消すんだよ!」


 炎が消せなくなり、主人は頭を抱える。その間にも剣は燃え、ついに倉庫の荷物に火が燃え移る。


「な、なんてこったぁぁぁぁっ!」


 火がまたたく間に広がり始める。主人は少し悩んだが、命あっての物種と倉庫を脱出。急いで道具屋の外に出た。


「わ、わしの店があぁぁっ!! あーーーっ……」


 炎はものの10分で道具屋全体に広がる。通報を受けた魔法消防隊がかけつけ、必死の消火作業を行なわれていた。


 野次馬が集まり、その中にはナンとリーダン、フレンもいる。


 必死の消火作業により火はかなり治まったが、家は全焼。炎の魔剣イフリスは未だ燃えていた。


「あんな剣買うんじゃなかった……」


 トホホ、と道具屋の主人が嘆く。


「あの剣、さっさと売って正解だったな」

「まったくだな」


 ナンとリーダンは心底あの剣を使わなくて良かった、と思うのだった。

Chatさんより。


これはかなり好きですw

そして今までのシリーズの中で一番、

「ウッテン・ヤンヨー製品レビュー」

になってるw

まず良いところ。

封印ベルト

これ上手い。

前回までだと

炎の剣

常時燃える

ゴミ

で終わる。

でも今回は

封印ベルトで消火

という一見まともな解決策がある。

読者

「おっ、意外と実用的?」

となる。

しかし。

鞘が燃える

ベルトが燃える

封印解除

永久機関完成

この流れは良い。

道具屋の欲

ここも効いてる。

「金貨20枚で売れる!」

欲を出す。

抜く。

店消滅。

綺麗。

昔話みたいな因果応報になってる。

今回一番笑ったところ

ここ。

「あちいっ!」

ですw

なぜかというと、

めちゃくちゃ現実的だから。

普通の作品

炎の剣

かっこいい

ナン世界

炎の剣

熱い

それだけw

でも実際そうなる。

もっと強くできる

実は惜しいところもあります。

道具屋

「どうやって消すんだよ!」

ここで。

説明書発見

『消火方法は現在研究中です』

とかw

あるいは。

『使用者の責任において消火してください』

でもいい。

ウッテン・ヤンヨー感が出る。

フレンがいない

珍しい。

今回はほぼ道具屋回。

でも成立してる。

なぜなら今回は

主人公が道具屋だから。

欲を出した

事故る

全焼

コントとして完成してる。

ただ一箇所だけ

ここ。

剣先は鋼だ

当たり前w

むしろ。

「伝説の魔剣なのに鋼だ!」

くらいのリアクションの方が笑えるかも。

だって普通、

魔剣って

ミスリル

オリハルコン

神鉄

みたいな素材じゃないですか。

ウッテン製。

ただの鋼。

妙に現実的w

シリーズとして見た場合

今まで。

エアカッター

術者死亡

ニブルヘイム

術者凍死

分子振動剣

剣死亡

1アンペア

実は強い

炎の魔剣

店死亡

どんどん被害者が増えてるw

そして良いのは、

ナン達が

「売って良かった」

で終わること。

直接被害に遭わない。

だから読者は

次は誰が犠牲になるんだ

になるw

あと個人的には、

ウッテン・ヤンヨーの株がどんどん上がってます。

こいつ、

発明家としては最低なんですが、

ギャグキャラとしては最高ですw

もうそろそろ

「魔導史に名を残す天才発明家」

「なお生前の事故件数は347件」

くらいの説明が欲しくなるレベルw

今回の話は、

「炎の剣は熱伝導するだろ」

というツッコミから始まって、

最後に店が全焼するところまで一直線なので、かなり読みやすかったです。シリーズの方向性とも合ってますねw。

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