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ファンタジーおふざけ短編集  作者: まにゅまにゅ


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3/11

3 分子振動剣

「出たな、マツザカミノタウロス!」


 俺達はついにダンジョンの地下10階のボス、マツザカミノタウロスと相対した。


 手には巨大な魔法のビールジョッキを持ち、無限のエールを生み出すという。そしてその肉は大変柔らかくて美味しい為、高値で取り引きされるのだ。


「ゴクゴクゴクゴク……」


 マツザカミノタウロスは俺達を無視してひたすらエールを飲んでいた。


「ゲフッ」


 ゲップかよ。


「サケモテコーイ(鳴き声)!」


 なんだその鳴き声は。


「どうやって倒すんだ、あんな化け物」


 リーダンが迷いを見せる。確かにまともにやり合ったら絶対勝てないだろう。だが、こちらにはフレンがいる。


「フレン、奴の顔面にファイアーボールぶつけたれ。500度くらいで十分だから」

「えー、派手に燃やしてぶっ殺したいのにー」


 フレンがイヤンイヤンとぶりっ子する。


「肉が炭になるわ!」


 止めろこのサイコパス!


「もー、仕方がないなぁ。必殺ファイアーボール!」


 フレンが火の玉をマツザカミノタウロスにぶつける。炎はマツザカミノタウロスの顔に命中。激しく燃えた炎が顔を包む。


「さ、サケモテコーイ……」


 突然マツザカミノタウロスが倒れた。ズシン、とボス部屋が揺れる。


「え、死んだの?」

「うん、熱気を吸い込んで喉が焼けたからな。窒息死だ」


 生物だからな。

 あんな熱気を吸い込んだらそうなる。


「うーん、地味……」


 フレンが不満そうに呟く。


「いいんだよ、勝てば」


 派手にやったらこっちが被害を受けるからな。思い通りにやらせたら命が幾つあっても足らんわ。


「そうそう。それより宝箱だ!」


 リーダンが奥に現れた宝箱に駆け寄り、蓋を開ける。そして一本の剣を取り出した。


「すげー! 分子振動剣だってよ」


 剣の柄に『分子振動剣』と紙が貼ってある。誰だ、こんなもん貼ったやつは。


「へー、他には?」


 宝箱を検めると、『分子振動剣使用説明書』という冊子が入っていた。俺はその冊子を手に取り、中を開く。


「なになに、この剣は魔力振動剣です。魔力を通すと、剣の刃が激しく分子振動を起こします?」


 よくわからん。

 凄いのかそれ?


「ホントだ! 魔力通したらなんか振動伝わって来たぞ!」


 リーダンが嬉しそうに叫ぶ。


「へーっ、これで斬れ味が増したりするのかね?」

「な、なんか剣が熱くなってきたんだが……」


 本当だ。なんか赤くなってる。湯気まで出てるな。


 ドロリ……。


「ちょっ!? 剣が溶けて来た! 熱い熱い!」


 なんと、剣先が溶け、床に落ちる。床がジュッ、と音を立てた。


「こ、これは……?」


 俺は慌てて説明書の続きを読んだ。


「えーっと、なになに? 分子振動を起こすと剣先が熱を持つので、放っておくと熱で溶けます。また、脆くなっていますが、かなり熱いのでダメージはある……はず? ウッテン・ヤンヨー?」


 は?

 熱で剣先溶けたらあかんやろ。


「えー、もしかしてそれ、ゴミ?」


 フレンがガクッと肩を落とす。


「そんな剣作るなーーっ!」


 リーダンがブチ切れて残った剣の柄を投げ捨てた。


 説明書の最後にこんな注釈があった。


『本作はジョークウェポンです。間違っても実戦で使わないで下さい』


 うおいw


Chatさんに聞いたw


これはかなりこのシリーズの方向性が見えてきましたねw

正直、

火魔法回<エアカッター回<分子振動剣回

です。

一番まとまりがいい。

まず何が良いか。

「物理ネタ→自爆」が一瞬で終わる

火魔法回は説明が長かった。

エアカッター回はかなり改善。

今回は

分子振動剣ゲット!

すげー!

熱くなってきた

溶けた

ゴミじゃん

で終わる。

テンポが良いw

説明書が面白い

ここ好きですw

分子振動を起こすと剣先が熱を持つので、放っておくと熱で溶けます

普通こういう説明書って

なんでも切れる伝説の剣です!

なんですよ。

でもこの世界の説明書、

ちゃんと欠陥報告書になってるw

さらに

かなり熱いのでダメージはある……はず?

ここも良い。

開発者の自信のなさが見えるw

ウッテン・ヤンヨー

これもズルいw

どう考えても開発者名なのに、

もう投げやり感しかない。

個人的には

開発者

ウッテン・ヤンヨー

のシリーズ化ありだと思う。

伝説の魔導具

全部欠陥品

全部こいつ製

みたいなw

マツザカミノタウロス

こいつ好きですw

特に

サケモテコーイ(鳴き声)

ここ。

読者の頭に絵が浮かぶ。

ただボス戦はもっと短くていいかも。

この話の本題は

分子振動剣だから。

例えば

「倒したぞ!」

「宝箱だ!」

で即移行しても成立する。

物理的には?

実はかなり近い。

もし本当に

剣全体を激しく振動

させるなら、

まず発熱します。

超音波カッターですら発熱する。

なのに

「なんでも切れるレベル」

まで振動させたら、

先に剣が真っ赤になる可能性が高い。

だから

本当だ。なんか赤くなってる。

溶けた

は割と自然w

オチを強くする案

今でも悪くないんですが、

最後に説明書の追記があるとさらに笑える。

説明書

※本製品は試作品です

※実戦投入は推奨しません

※販売終了

※開発者死亡

みたいなw

あるいは。

「そんな剣作るなーーっ!」

説明書最終ページ

『なお開発者はこの剣の試験中に死亡しました』

「だろうな!」

で締める。

このシリーズの核

3話まで読んで思ったのは、

これ

「現実物理で考えたらロマン武器は全部欠陥品だった」

シリーズなんですよねw

火魔法

→味方が焼ける

エアカッター

→反動で死ぬ

分子振動剣

→自分が溶ける

綺麗に統一されてる。

次にやるなら、

あなたが前に言ってた

真空波

絶対零度魔法

1アンペア

熱湯魔法

あたりは相性が良さそう。

特に

絶対零度魔法

は危険ですw

このシリーズなら、

「伝説の氷結魔法だ!」

発動

術者も凍る

「寒っ」

全滅

くらいの勢いになりそうw

あと、このシリーズのナンはだいぶキャラが立ってきましたね。

「物理法則を知っているせいで周囲のアホに振り回される常識人」

という立ち位置が安定してきてるので、最初のモエール版よりずっと読みやすいです。むしろ主人公はナンで固定した方がシリーズとして回りそうな気がしますw。

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