繋がる過去!後!
人生の分かれ道というものは、思っているよりも、もっとずっと近くにあるものです。あなた、実存注意ですよ!
「おい、それは俺の目の話か?」
「はい、もちろん」
「あー、確かにお前の目は腐ってるな。仲間を粉々にした奴つかまえて何が清らかだ! それともお前の頭の中が腐ってんのか?」
「嘘はついていません。僕はそう思ったからそう言っているだけです! だってほら、今だってこんなに綺麗だ」
「なっ……! 離せ! 全く恥ずかしいやつだ! 調子が狂っちまう」
「今も綺麗ですよ。いえ、今のほうがもっと綺麗かもしれませんね。そう、まるでこの世の悲しみをすべてひとりで背負っているかのような闇の瞳です」
「……」
「スペンサー、あのとき僕はあなたに救われました。おかげでこうして生きていられる。だから今度は僕があなたを助けましょう」
「バカも休み休み言えよ? ガキが何言ってんだ」
「ガキではありません! 泣いていたあの頃の僕ではないのです! もっと、ずっと強くなりました!」
「俺から見ればひよっ子だ」
「そうかもしれません。あなたは見るからに強そうだ。でも僕だって、あなたの背負う物を少しでも減らせるようにもっと強くなれます!」
「一生懸命なのはいいが、俺は本当に最強だからお前に助けてもらう必要がないんだよ」
「ではなぜそんなに辛そうに見えるのでしょうか?」
「……何?」
「あなたは、暗く深く辛く重くさみしくて苦しくて悲しい。そして誰より強く美しい」
「……」
「僕がその悲しみや辛さからあなたを解放できればいいのだけれど、どうすればいいのか……わからないのです」
「なんでお前が泣くんだ! これだから人間は嫌なんだよ。それはこの世界にあるシュウキョウというやつなんだろう?」
「いいえ、これはあなたの涙です」
「わけのわからないことを言うのはもう止めてくれ」
「泣けないあなたの代わりに僕が涙を流しているだけです」
「勘弁してくれよ……お前は一体何者なんだ?」
「僕はあの時あなたに出会えたおかげで命をつないだ、ただのフィン人ですよ。だからスペンサー、今度は僕があなたを守れるくらいに強くなって見せます」
「やめておけ。そんなことになったらお前は世界を破壊できてしまうぞ」
「なるほど。それは大変ですね」
エミールは穏やかな天使の笑顔で本当に楽しそうに笑った。




