繋がる過去!前!
人は変わり続け、時は流れ続ける。あなた、自然注意ですよ!
九十六年前 フィンランド大公国
「今さら、こんなものをもらったって父はもう……」
「そうは言ってもご遺族はあなただけですし生きるためにお金は必要でしょう。どうしても受け取りを拒否する、ということであれば寄付でもなさったらいいのではないかと」
「じゃあそうします! 僕はこんなもの受け取れません!」
「わかりました。では受け取りを拒否され寄付をする、ということでここにサインを」
「よう、坊や。ちょっと待ってくれ。お前に聞きたいことがあるんだ。っておい! 何さわってん……」
「あなたは、あんなに綺麗だった目と髪をどうしてなくしてしまったのですか?」
「何をいきなり……! まさか、お前……俺のこと覚えてるのか?」
「そう言うあなただって僕を覚えているじゃないですか。一目でわかりましたよ。僕は少し大人になったつもりですが、あなたはあの時のままですからね」
「俺が覚えているのは特別だ。それにこうなったのは最近で、あの時よりは年を取ってるんだぞ。いや、そんなことよりお前に聞きたいことがあるんだ」
「そうだ、僕もあなたの名前を聞きそびれたことがずっと心残りだったんです! あなたの名前は何というのですか?」
「だから、俺のことよりお前に質問が」
「あぁ、いけない。先に名乗るのが礼儀ですよね。僕はエミール・ライネ。さぁ、あなたの名前も教えてください」
「あぁ、もう! 何なんだよ。俺はスペンサーだ! これでいいのか?」
「スペンサーは、ファーストネームですか? それともサーネームですか?」
「まったくお前は! 本当にガキみたいだな。サーでもファーストでもない、ただのスペンサー! 俺は髪や目の色と一緒に他の名前をなくしちまったんだ!」
「そう……ですか。僕は本当にあなたの髪と目が好きだったのに」
「何を馬鹿な。お前も同じ色を持ってるじゃないか!」
「とんでもない! 特に目なんて心の清らかさを映しているような美しさで」




