思い知るもの!
無力とは、どういう状態のことを言うのでしょうか。あなた、力量注意ですよ!
(ここは……?)
目を開け、我に返ったアレキサンダーは天地が裏返るような奇妙な感覚から吐き気を覚えた。辺りは見渡す限り何もない。端も見えない。ただ一面に妙な色をした平地が広がっていた。
何かに気付いたアレキサンダーは、さっとしゃがんで自分が立っている場所に手をふれてみた。
(……暖かい。つまりこれは!)
「おい! 聞こえてんだろ! 今俺が立っているのは“何処”なんだ? 答えろよ! 顔くらい見せたらどうなんだ!」
叫んでからハッと考え込んだ。(いや、その前に何だか知らない物に顔なんてあるのか……?)
それに合わせるようにいきなり“地面”が揺れてアレキサンダーが片膝をついた。その顔が屈辱で歪む。
『まったくかわいいもんだな!』
いきなり頭上から割れそうな音が降ってきた。耳をちぎられそうなひどい音だったがアレキサンダーはそれに耐えるように歯を食いしばり、立ち上がりながら上に向かって声を張り上げた。
「これはおもしろい! 耳障りだが言葉が通じるとはな。あんたは何だ? 世界を終わらせる力があるんだろ?」
爆発したような音と共にまた地面が揺れたが、今度はしっかりと立ったままで中空を睨みつけていた。
『おもしろいのはお前の方だろう。言葉が通じる? 誰が教えた言葉だと思っている! 自分の生みの親もわからないとはな。だからお前らは……』
(生みの……親……。そういうことか!)
ふいに本物の爆音が鳴り響いた。アレキサンダーが飛び退いた場所から、おびただしい液体が溢れ出している。
アレキサンダーは頭上から聞こえる地鳴りに向かって罵り声をあげた。
「言いたいことはそれだけか? 俺はお前とくだらない話をしにきたんじゃない。お前ごと世界を破壊するためにここにいるんだ!」
言うが早いか小型爆弾を立て続けに五発放った。
液体を飛び散らせながら地面が大きく揺らぎ、垂直に傾いた。
「うっ!」
足場を失い宙に放り出されたアレキサンダーは素早くブーツのホルダーからナイフを抜き、思いっきり地面だった場所に突き刺した。
ナイフ一本で支えられたまま辺りを見回したアレキサンダーは、一瞬で事態を飲み込んだ。
(……あぁ、やっぱり俺たちは……)




