見たもの!
秘めていたことを話すのは自分独りでは持ちきれなくなるからでしょうか、それとも……。あなた、心情注意ですよ!
「ねぇレイン、無駄なことを聞いてもいいかな?」
「当然。レインさんたちには時間がたくさんあるんだから」
ジャックがどこかで見つけてきた壁時計が時を刻んでいる。一秒、一秒、また一秒、時間は過ぎては溶けて消えていく。
繰り返す終わりと始まりに向けて一秒、一秒、一秒……。
「この世界に終わりはあるんだろうか」
「あと何億年かすれば終わりがくるけど、それは次のサイクルの始まりでもある。だから少なくともレインさんは本当の終わりを見たことはないね」
カインが、すっかりぬるくなった紅茶のカップを揺らした。
「レインは外の世界を見たことがあるかい?」
ふっと鼻で笑って頬杖をつきカインを見つめる。
「この世界にはカインがいるし、もういいかなーって思って諦めたよ。って言ったらどうする? これじゃ答えになってないかな?」
「うーん。どうだろう。でもレインが諦めなければ行けるのかな?」
レインは少し考えて言葉を探した。
「ねぇカイン、想像してみて。目の前に自分で作った小さな箱庭があって、その中には家があり川が流れて人形が住んでる。だけどその人形がいきなり暴れ出して家や川なんかを全部壊しちゃったらどうする?」
「そいつをつまみ出して壊れた場所を直す、かな」
ハッとしてレインの顔を見る。
「そうだねカイン。この世界はそうやってできているんだ。君も少しは知ってるよね」
「……」
「じゃあカイン、さらに想像して。その人形をつまみ出すためには君はどうしないといけないのかな?」
「箱庭に手を入れて……ここまで持ってくる……」
自分の手のひらを見つめたカインが泣きそうな顔になって首を横に振った。
「レイン! 君は……!」
鋭い眼光、氷のような表情。そこにいるのは“レインさん”ではなかった。
「そう。俺は外に出て見たんだよ。外の世界ってやつを。そしてその箱庭の持ち主を破壊しようとして、失敗したんだ」
「そんな……それって!」




