加工されて!後!
理屈よりも、もっとずっと大事なことがあるんです。あなた、実行注意ですよ!
近くに駅はなくカーブもない場所。列車は最高速度のままで進みカインが男の元に駆け寄ったときにはすでに目の前に迫っていた。
白い塊に気付いた運転手が急ブレーキをかけたが間に合わず、カインが鎖を力任せに引きちぎって男を投げ飛ばしたのと、その肌に金属の冷たさを感じ取ったのは同時だった。
そして最後の瞬間……
「レイン……ごめん」
と、つぶやいて記憶が途切れた。
粉々になれば意識はない。それは人間と同じだ。
次に目が覚めた時はカインではなくただの小さな子供になっていた。
だがこの事実に直面したレインがどうなってしまうのか、カインは見なくてもちゃんとわかっていた。
「ねぇ、ジュニ、彼は、さぞ取り乱したんだろうね」
いきなり切り出したが何のことか痛いほど理解しているジュニは静かにうなずいた。
声に出さなくても、その顔がすべてを物語っている。
「そうか。本当に悪いことをしたな」
「そうですよ! だからこそあなたは一刻も早くレインを喜ばせるべきです! 私たちは人ではないけれど彼は生きているんですから」
カインは静かな笑顔で答える。
「さて、あなたのために出口を創るのはこれで三度目ですね」
泣きそうな笑顔のジュニが壁に手を当てるとその手を中心に穴が広がり道を創った。
「そうか、もう三度も……」
「そうですよ! もうこなくてもいいですからね? くれぐれもレインを泣かさないようにしてください! 彼が殴り込んでくるのは結構怖いんですから!」
カインは笑いながらジュニに手を差し出した。
「あぁ、そうだね。気を付けるとするよ。これも三度目だね。さよなら、小さな創造主ジュニ」
手を握り返す白い笑顔がキラキラと輝いた。
「あの方が聞いたら怒りますよ。あぁ、今度は“ばいばい”じゃないんですね。さよならカイン。あなたも幸せに」




