26年前の!前!
いつまでも続くものなんてあるんでしょうか?あなた、態勢注意ですよ!
二十六年前 日本
「ちょっと! 私がこんな安物身につけるとでも思ってるの? 冗談は顔だけにしてよね」
「でも、これは桜子のために俺が苦労して手に入れた……」
「しつこい男は嫌われるの? ほら、さっさと消えて。しっ、しっ!」
「ちょっとまたー? 桜子ったらひどいんじゃないの? あれ絶対泣いちゃうってー」
「あのくらい当然でしょ。私を誰だと思ってるの! って感じだわ」
「出た出た、お嬢全開じゃーん」
きゃはは! あーはっはっはっは……
「何? パパどうしちゃったの? 当分帰国できないって言ってたのに。それに二人ともひっどい顔で……」
「桜子、よく聞いてちょうだい。パパの会社ね、もうダメになっちゃったんですって。それも親会社から子会社まで全滅で莫大な借金しか残ってないの。もうこの家も人に売っちゃったのよ。それでも全然お金が足りないの。もし誰か頼れる人がいるなら、その人に頼んで……」
「ちょっと! いきなり何言ってるの? たちの悪い冗談はやめてよね! この家は私たちのでしょ? 借金って何よ! 人に売っちゃったって何よ! 私は嫌! 絶対に出て行かないんだから!」
「パパを困らせないでおくれ。これでもできることは精一杯したんだ」
「そうよ無理言わないで桜子。もう決まったことなの。しょうがないのよ」
「しょうがないわけないでしょ! あんなにあったお金がなくなるわけないじゃないの! 車もジュエリーもいくらだって……」
「桜子、ひいひいおばあちゃまから代々受け継いできたこの指輪以外のものは……すべて人に売る手続きが済んでいるの。コートもフェラーリもダイヤのピアスも……真珠の一粒まで手放してもまだ……まだ、全然……全然お金が足りないのよー!」
「すまない。すまないお前たち……!」
「う……そ……そんな……」




