↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界付与術師 ~ステータス画面に新機能を付与していたら、世界がどんどん便利になっていく~』  作者: ネコロビン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/38

第32話 ドラゴンを見に行こう

第32話 ドラゴンを見に行こう


 ユウトは、ステータス画面を見つめていた。


 そこには、一頭のドラゴンが映っている。


 大きな翼。


 長い首。


 岩山の上に立つ、赤褐色の巨体。


 ドラゴンはしばらく辺りを見回していたが、やがて翼を広げた。


 バサッ。


 風が岩肌を叩く音がする。


 次の瞬間、ドラゴンは地面を蹴り、空へ舞い上がった。


「……おお」


 ユウトは思わず声を漏らした。


 もう一度再生する。


 バサッ。


「おお……」


 もう一度。


「……すごいな」


「ユウトさん」


「はい?」


 顔を上げると、ミリアが受付の向こうからこちらを見ていた。


「さっきから、何を見ているんですか?」


「ドラゴンです!」


「ドラゴン?」


「はい! 《掲示板》に投稿されていたんですよ!」


 ユウトは画面をミリアに向けた。


 ちょうどドラゴンが翼を広げるところだった。


「あら、本当ですね」


「すごくないですか?」


「立派なドラゴンですね」


「これ、実際に見てみたいなあ……」


 ミリアは少し黙った。


「……見るだけ、ですよね?」


「もちろんです!」


「討伐しようとか、近づいて触ってみようとか……」


「しませんよ!」


「ユウトさん、珍しいものを見ると近づきたがりますから」


「そこまでじゃないですよ」


 ミリアは笑った。


「それで、どこのドラゴンなんですか?」


「ええと……」


 ユウトは投稿の説明を開いた。


【王都北方・赤岩山地】


【遠方からのドラゴン観察記録】


【撮影地点:南側の見晴らし丘】


 投稿者は、北方を旅していた商人だった。


 荷馬車を休ませている間、遠くの山にドラゴンが現れたので記録したらしい。


 説明には、観察地点からドラゴンのいる岩山までかなり距離があり、商人の一行は危険を感じなかったと書かれていた。


「赤岩山地ですか」


 ミリアが言った。


「知ってるんですか?」


「はい。北の街道から少し外れたところですね。ドラゴンの目撃情報は、ときどきありますよ」


「へえ!」


「ただし、近づくのは禁止です。あの辺りには、ドラゴンが巣を作る岩山もあるそうですから」


「分かってますって」


 ユウトは再び画面を見た。


 ドラゴンが飛び立つ。


 その姿が、遠くの空へ小さくなっていった。


「……やっぱり見たいなあ」


     ◇


「ドラゴン?」


 ロイドが聞き返した。


「はい!」


 昼過ぎの冒険者ギルド。


 食堂の一角で、ユウトはロイド、エナ、バルクの三人に動景記録を見せていた。


 画面の中では、ドラゴンが翼を広げている。


「おお……」


 バルクが身を乗り出した。


「本物か、これ」


「本物ですよ!」


「でかいな」


 ロイドも画面を覗き込む。


 エナは投稿の説明を読んでいた。


「赤岩山地……南側の見晴らし丘ね」


「知ってます?」


「名前は聞いたことがあるわ。北方の街道から行けるはずよ」


「じゃあ!」


「待って」


 エナが手を上げた。


「まさか、ドラゴンを倒しに行きたいなんて言わないわよね?」


「言いませんよ!」


「本当に?」


「ミリアさんにも同じこと聞かれました……」


 ロイドが笑った。


「まあ、ドラゴンを見てみたい気持ちは分かるけどな」


「ですよね!」


「俺だって、本物は見たことないし」


「えっ、ロイドさんも?」


「ああ。遠くを飛んでいる影なら一度見たことがあるが、あれがドラゴンだったかは分からん」


 バルクもうなずいた。


「俺もないな」


「私も」


 エナが言った。


 ユウトは三人を見回した。


「じゃあ、一緒に見に行きませんか?」


「……観光か?」


 ロイドが尋ねた。


「観察です!」


「同じようなもんだろ」


「いや、せっかくなら《動景記録》も撮りたいんですよ!」


 ユウトは画面を指さした。


「これ、すごくないですか? ドラゴンが飛んでいるところなんて、なかなか記録できないですよ!」


「それはそうだけどな……」


 ロイドは腕を組んだ。


「場所は安全なのか?」


「投稿した商人さんは、見晴らし丘からなら大丈夫だったそうです」


「一度大丈夫だったからって、次も大丈夫とは限らないわよ」


 エナが言った。


「そうですね……」


「それに、ドラゴンが必ずいるとも限らない」


「……それもそうですね」


 ユウトは少し考えた。


「じゃあ、ギルドで最近の目撃情報を調べてみませんか?」


 ロイドがエナを見る。


 エナは肩をすくめた。


「調べるだけならいいんじゃない?」


「よし!」


 ユウトは立ち上がった。


「ミリアさーん!」


 受付の方から声が返ってきた。


「はい! どうしました?」


「ドラゴンを見に行きたいんですけど!」


「……やっぱり行くんですね」


     ◇


 赤岩山地に関する情報は、思っていたより多かった。


 冒険者ギルドには、過去の目撃報告が残されていた。


 最近では、北の街道を通る商人たちからも、空を飛ぶドラゴンの報告が寄せられている。


「どうやら、同じ個体みたいですね」


 ミリアが資料を広げた。


「赤褐色の鱗。左の翼に小さな傷。成体と思われる大型のドラゴンです」


「左の翼……」


 ユウトはもう一度動景を再生した。


 翼が広がったところで、目を凝らす。


「あっ、確かに!」


 左翼の端に、少し欠けたような部分があった。


「よく見つけたな」


 ロイドが感心する。


「ミリアさんが言ってくれたからですよ」


 エナは資料の地図を見ていた。


「見晴らし丘はここね。ドラゴンのいる岩山とは、谷を二つ挟んでる」


「かなり離れているな」


 バルクが言った。


「そうですね。ギルドでも、ここからの観察は比較的危険が少ないとされています」


 ミリアは地図の別の場所を指さした。


「ただし、この谷より先には入らないでください。ドラゴンの巣がある可能性があります」


「分かりました!」


「それと、ドラゴンがこちらへ向かってきたら、すぐに退避してくださいね」


「はい!」


 ミリアは四人を順番に見た。


「……本当に、見るだけですよ?」


「分かってますって!」


 ユウトとロイドが同時に答えた。


 エナが二人を見た。


「……ちょっと不安になってきたわ」


「俺まで疑うなよ!」


     ◇


 翌朝。


 四人は王都の北門を出発した。


 空はよく晴れていた。


 街道を進む馬車の間を抜け、北へ向かう。


 しばらくすると、王都の城壁が遠ざかり、周囲には草原と低い丘が広がった。


「いい天気ですねえ」


 ユウトが言った。


「ああ。歩くにはちょうどいいな」


 ロイドが答える。


「ドラゴンも飛んでくれるといいんですけど」


「そればっかりだな、お前」


「だって、楽しみじゃないですか!」


 エナが笑った。


「まあ、私もちょっと楽しみだけどね」


「ですよね!」


「ただし、何も見られなくても文句は言わないこと」


「もちろんです!」


 昼前には北方の街道を外れ、丘陵地帯へ入った。


 草の背丈が高くなり、ところどころに大きな岩が転がっている。


 遠くには、赤茶けた山並みが見え始めていた。


「あれが赤岩山地か」


 バルクが言った。


「思ってたより大きいですね」


 ユウトは足を止めた。


 山の斜面には木が少なく、むき出しの岩肌が陽光を受けている。


 高い峰の間には、深い谷が刻まれていた。


 そのどこかにドラゴンがいる。


「……本当にいるんだなあ」


「何が?」


 ロイドが尋ねた。


「ドラゴンですよ」


「そりゃ、いるだろ」


「いや、分かってるんですけど」


 ユウトは山を見上げた。


「実際に見るとなると、なんか……」


「何だ?」


「すごいなって」


「まだ見てないぞ」


「そうでした」


 四人は笑った。


 見晴らし丘へ続く道は、思っていたより歩きやすかった。


 商人や旅人が利用することもあるらしく、ところどころに道標が立っている。


 途中、草むらから小型の魔物が飛び出してきた。


 灰色の毛をした、犬ほどの大きさの獣だった。


「おっと」


 ロイドが剣を抜く。


 魔物は牙を剥いて飛びかかってきた。


 ユウトも剣を構える。


「僕がやっていいですか?」


「いいぞ。左から回り込め」


「はい!」


 ユウトは一歩横へ動いた。


 魔物が向きを変える。


 その瞬間、ユウトは剣に《切れ味強化》を付与した。


 踏み込み、横から斬りつける。


 魔物が倒れた。


「よし!」


「いいじゃないか」


 ロイドがうなずいた。


「ちゃんと動けてるな」


「この前のダンジョンでも戦いましたからね!」


「そうだったな」


 エナが周囲を確認する。


「ほかにはいないみたいね」


 バルクは倒れた魔物を道の脇へ移した。


「じゃあ、先へ進むか」


「はい!」


 ユウトは剣を鞘に納めた。


 久しぶりに、冒険者らしいことをしている。


 それだけでも、今日は来てよかったと思えた。


     ◇


 見晴らし丘に着いたのは、午後になってからだった。


 丘の頂上は平らな岩場になっていた。


 そこからは、赤岩山地の南側を広く見渡すことができる。


「うわあ……」


 ユウトは思わず声を上げた。


 眼下には深い谷。


 その向こうに、いくつもの岩山が連なっている。


 谷底を流れる川が、細い銀色の線のように見えた。


「すごい景色ですね!」


「確かに、いい眺めだな」


 ロイドも足を止めた。


 エナは地図を開き、周囲の山と見比べている。


「投稿にあった場所は、たぶんあの岩山ね」


 彼女が指さしたのは、谷の向こうにそびえる大きな峰だった。


 頂上付近が平らになっていて、岩棚がいくつも突き出している。


「……ドラゴン、いませんね」


 ユウトが言った。


「そんな簡単には見つからないでしょ」


「ですよね」


 バルクが荷物を下ろした。


「とりあえず、ここで休むか」


「そうだな」


 四人は岩場に腰を下ろした。


 ユウトは水筒を取り出す。


 ロイドは干し肉をかじり、エナは遠くの山を眺めていた。


「そういえば」


 ユウトが尋ねた。


「ドラゴンって、何を食べるんですか?」


「種類によるな」


 ロイドが答えた。


「大型の獣を狩るやつもいれば、魚を食うやつもいる。魔力の濃い鉱石を好む種類もいるらしい」


「へえ!」


「ただ、俺も詳しいわけじゃないぞ」


「十分詳しいですよ!」


 バルクが言った。


「昔、山羊を何十頭も食われた村があったって話を聞いたことがある」


「何十頭も!?」


「一度にじゃないぞ。何日かかけてだ」


「それでもすごいですね……」


 ユウトは遠くの岩山を見た。


 あんな大きな生き物なら、それくらい食べるのかもしれない。


「卵とかも大きいんでしょうね」


「大きいでしょうね」


 エナが答えた。


「でも、見つけても近づいちゃ駄目よ」


「分かってます!」


「ドラゴンの親は、巣に近づく相手をものすごく警戒するって聞くから」


「はい!」


「……本当に分かってる?」


「分かってますって!」


 ロイドが笑った。


 そのときだった。


 バルクが顔を上げた。


「……ん?」


「どうした?」


「今、何か聞こえなかったか?」


 四人は黙った。


 風が草を揺らしている。


 遠くで鳥が鳴いた。


 しばらくして。


 ゴォォォ……。


 低い音が、山の向こうから響いてきた。


「……何の音ですか?」


 ユウトが小声で尋ねた。


 エナが立ち上がった。


「分からない。でも……」


 彼女は岩山の頂上を見つめた。


 ロイドも立ち上がる。


「ユウト、画面の準備をしとけ」


「えっ?」


「来るかもしれんぞ」


 ユウトは慌ててステータス画面を開いた。


 《動景記録》。


 《画面固定》。


 岩山全体が映る位置に画面を固定する。


「記録開始!」


 画面の隅に、記録中の表示が現れた。


 四人は岩山を見つめた。


 何も起こらない。


 一分。


 二分。


「……気のせいだったんでしょうか」


 ユウトが呟いた。


 そのとき。


 岩山の頂上で、何かが動いた。


「あっ!」


 エナが指さした。


「あそこ!」


 巨大な影が、岩棚の向こうから現れた。


 赤褐色の鱗。


 長い首。


 太い尾。


 そして、背中に折り畳まれた大きな翼。


「……ドラゴン」


 ユウトは息を呑んだ。


 遠く離れているはずなのに、その大きさが分かる。


 ドラゴンは岩棚の上をゆっくりと歩いた。


 一歩。


 また一歩。


 そのたびに、小さな岩が斜面を転がり落ちる。


「……でかいな」


 ロイドが呟いた。


 バルクも黙って見ている。


 エナは弓に手をかけることもなく、ただ遠くの山を見つめていた。


 ドラゴンが首を上げた。


 空を見上げる。


 そして。


 ゆっくりと翼を広げた。


「……うわあ」


 ユウトの口から声が漏れた。


 翼が広がる。


 さらに広がる。


 岩棚の上に、巨大な影が落ちた。


 陽光を受けた翼膜が、赤銅色に輝いている。


 ドラゴンは一度、大きく羽ばたいた。


 ゴォッ!


 離れた丘にまで、風の音が届いた。


 岩山の斜面から砂埃が舞い上がる。


 もう一度。


 ゴォォッ!


 そして、ドラゴンが地面を蹴った。


 巨体が宙に浮く。


「飛んだ!」


 ユウトが叫んだ。


 ドラゴンは大きく羽ばたき、岩山の上を越えていった。


 空に浮かぶ赤褐色の巨体。


 その下を、小さな鳥の群れが慌てて飛び去っていく。


「すげえ……」


 ロイドが言った。


 誰も返事をしなかった。


 ドラゴンはしばらく山の上を旋回していた。


 大きな翼をほとんど動かさず、風に乗って滑るように飛んでいる。


 ときどき首を動かし、地上を見下ろしていた。


 やがて谷の向こうへ進み、さらに高い山の方へ向かっていった。


 少しずつ小さくなる。


 最後には、青い空の中に消えた。


 ユウトはしばらく、その方向を見つめていた。


「……行っちゃいましたね」


「ああ」


 ロイドが答えた。


 エナが息を吐いた。


「本当に見られるとは思わなかったわ」


「私もです!」


 バルクは遠くの岩山を見たままだった。


「……あれと戦う冒険者もいるんだよな」


「いるらしいですね」


 ユウトが答える。


「すごいですよね……」


 ロイドが笑った。


「俺は遠慮したいな」


「俺もだ」


 バルクがうなずく。


「私も」


 エナも答えた。


 ユウトは少し考えた。


「……僕も、見るだけで十分です」


 三人が笑った。


     ◇


「記録終了」


 ユウトは固定していた画面を解除した。


 さっそく動景記録を再生する。


 岩山の上にドラゴンが現れる。


 翼を広げる。


 空へ飛び立つ。


「おお……!」


 ユウトは嬉しそうに画面を見つめた。


「ちゃんと撮れてる!」


「よかったな」


 ロイドが言った。


「はい!」


 ただ、実際に見たときより、ドラゴンはずっと小さく映っていた。


 山全体を記録するように画面を固定したため、ドラゴンの細かな動きまでは分からない。


「……もう少し大きく撮りたかったなあ」


「十分だろ」


 エナが言った。


「そうなんですけど……」


「そもそも、あの距離だから安全に見られたんだから」


「……そうですね」


 ユウトはもう一度再生した。


 ドラゴンが翼を広げる。


 その瞬間、画面の外から自分の声が聞こえた。


『……うわあ』


 続いて。


『飛んだ!』


 ユウトは黙った。


 ロイドが笑い始めた。


「ははは! お前の声、すげえ入ってるぞ!」


「……ですね」


 エナも笑った。


「ずっと興奮してたものね」


「仕方ないじゃないですか!」


 バルクが画面を覗き込む。


「でも、いい記録だと思うぞ」


「本当ですか?」


「ああ。あのドラゴンがどれくらい離れた場所にいるのかも分かるし、飛び立つところも見える」


 ユウトは画面を見た。


 確かに、山の大きさと比べると、ドラゴンの巨大さがよく分かる。


「……そうですね!」


 ユウトは記録に説明を付けた。


【赤岩山地・ドラゴン観察記録】


【南側の見晴らし丘から撮影】


【危険なので、岩山には近づかないでください】


「これでよし!」


「もう投稿するのか?」


 ロイドが尋ねた。


「はい! せっかく撮れたんですから!」


 ユウトは《掲示板》に動景記録を投稿した。


 しばらくして、最初の反応が届いた。


【すごい! 本物のドラゴンだ!】


【こんなに大きいのか】


【翼がすごい】


【行ってみたいけど、遠くから見るだけにしておこう】


 ユウトは嬉しそうに読んでいた。


 すると、別の書き込みが現れた。


【撮影してる人、めちゃくちゃ楽しそう】


「…………」


 ロイドが覗き込む。


「何だ?」


「……いえ」


 さらに書き込みが増えた。


【飛んだ!って声がいいな】


【気持ちは分かる】


【俺も実際に見たら叫ぶと思う】


 エナが肩を震わせた。


「……人気ね、ユウト」


「ドラゴンの記録が、ですよね?」


「もちろん」


「……本当ですか?」


 ロイドが大声で笑った。


     ◇


 帰り道。


 四人は夕暮れの丘陵地帯を歩いていた。


 赤岩山地は、少しずつ遠ざかっていく。


 ユウトは何度も振り返った。


「まだ見てるのか?」


 ロイドが尋ねた。


「いやあ……また飛んでこないかなって」


「もう十分見ただろ」


「そうなんですけど」


 エナが言った。


「今度は別の種類のドラゴンも見てみたい?」


「……ちょっと見たいです」


「やっぱり」


「でも、危ないところには行きませんよ!」


「分かってるわよ」


 バルクが笑った。


「今度は、海にいるドラゴンなんてどうだ?」


「海にもいるんですか!?」


「いるって聞いたことはある」


「本当ですか!?」


 ユウトは目を輝かせた。


 ロイドがバルクを見る。


「おい、余計なこと言うなよ」


「いや、聞いたことがあるだけだぞ」


「ユウトが本気にするだろ」


「もうしてますよ!」


 三人が笑った。


 ユウトはステータス画面を開き、《掲示板》を確認する。


【海竜 目撃情報】


 検索する前に、エナが声をかけた。


「ユウト」


「はい?」


「まずは王都に帰りましょう」


「……はい!」


 ユウトは画面を閉じた。


 四人は北の街道へ向かって歩き始めた。


 夕陽が、遠くの赤い岩山を照らしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。