表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/37

聖杯騎士団の初陣――「絆」の連撃

アヴァンは蒼銀の装甲を纏い、愛剣の柄を強く握り締めた。背後には、かつて互いに憎しみ合っていた獣人の若者たちと、公爵家の元兵士たちが、肩を並べて呼吸を整えている。


「みんな、聞いて。……ボクたちの目的は、敵を殺すことじゃない。この村に、一歩も足を踏み入れさせないことだ。……ハンスさん、リリ、力を貸して!」


『応よ! 小僧、指揮は任せたぜ!』

『ボクの風、全部あんたにあげるわ!』


アヴァンの右手の聖杯が、戦場全体を覆うほど広大な「魔力ネットワーク」を構築した。味方全員の脳裏に、敵の動きと味方の位置がリアルタイムで共有される。


【聖杯奥義:戦術共鳴タクティカル・シンクロ発動】

「……第一陣、ロルフ! 盾を構えて!」


アヴァンの鋭い指示に合わせ、元兵士のロルフ率いる重装歩兵隊が前進する。彼らが手にする古代の霊力盾が共鳴し、目に見えるほどの蒼い障壁が展開された。

 ザバルの手下たちが放つ矢や魔法が、その障壁に触れた瞬間に虚しく霧散していく。


「な、なんだあの盾は!? びくともしねぇぞ!」


「今だ、ガラム! 右翼から突撃!」


盾の隙間から、影のように飛び出したのはガラム率いる灰狼族のスカウト部隊だ。

 彼らは魔導装甲のブーストを使い、重力さえ無視したような速度で野盗の側面に回り込む。リリの風を纏った彼らの一撃は、野盗たちの武器を正確に叩き折り、戦意だけを削ぎ取っていく。


「……次はボクが行くよ」


アヴァンはリリの神速で戦場の中央を一直線に駆け抜けた。

 ザバルが振り回す巨大な斧を、ハンスの剛力で受け流し、そのまま峰打ちで彼の巨躯を地面に叩き伏せる。


「……終わりだ。これ以上抗うなら、君たちの『存在』そのものをボクの聖杯に飲み込ませる。……選んで。降伏して生きるか、無に帰るか」


アヴァンの瞳に宿る、冷徹ながらも慈悲深い光。

 カイルを「喰った」時の禍々しさは微塵もなく、そこには「統治者」としての圧倒的な風格があった。


「……が、はっ……。あ、あぁ……。降参だ、降参だッ! 命だけは助けてくれ!」


頭領の敗北を見た野盗たちは、次々と武器を投げ出し、その場に跪いた。

 二百人の大軍を相手に、アヴァン側は**「負傷者ゼロ」**という、戦史に残るような完全勝利を収めたのだ。


【リザルト:初陣・完勝】

捕虜: 野盗団「赤錆の爪」200名を確保(村の外郭拡張のための労働力へ)。


住民の絆: 獣人と元兵士が互いの背中を守り抜いたことで、深い信頼関係が構築。


SP最大値: 8500 → 12000(指揮官としての覚醒により大幅上昇)


戦いが終わった夜、要塞の広場では、ガラムとロルフが笑いながら互いの肩を叩き合っていた。


「おい、ロルフ! あんたの盾、最高だったぜ。あのおかげで、俺たちは後ろを気にせず突っ込めた」

「ふん、お前らの速度がなきゃ、盾だけで耐えきれるもんじゃないさ。……アヴァン様の指揮、まるで見透かされているようだったな」


その光景を城壁から見守るアヴァンの隣に、バルトが静かに佇んでいた。


「お見事でした、坊ちゃま。……武力ではなく『絆』で勝った。これこそナリア様が望んだ姿でしょう。……ですが、この勝利の光は、あまりに強すぎましたな」


「……そうだね。きっと、もうすぐ来る。……本当の『敵』が」


アヴァンの視線の先、暗い街道の彼方から、一羽の霊的な伝書鴉が飛来した。

 それは、アグニール公爵家本家からの「最後通牒」だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ