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3.息子が娘に成りたいと言ったらば?

 やっとモーガンとエースが落ち着いた時、チャイムが鳴る。


 モーガンがはっとした表情で呟く。

 「やつが来たかも?」

 やつとは、エースのあそこを切る事を条件に金を渡す話をしているジェンダー凶徒のハイエナ族だ。

 エースがモーガンにしがみついて叫ぶ。

 「あの怖いハイエナが僕のあそこを切りに来た。」

 余裕がなくなると、エースがいつも使っているワンの口癖が消える。

 モーガンがエースを見て言う。

 「大丈夫だ。パパがお前を守る。」


 「リベラル・トランスジェンダー・ヘルス専門家協会のジャネットよ!さっさとドアを開けなさい!」

 ドアが破壊される勢いで叩たかれる。


 

 エースがさっきまでとは違う引き攣った表情を示す。

 「僕、怖いよ。ダディ。」

 うるうるとした目でエースがモーガンを見つめる。

 モーガンがつばを飲み込み言う。

 「大丈夫。ダディがお前を守る。」

 何回も何回もチャイムが鳴り、大きな声が家の中まで響く。

 「いるのは分かっているのよ。無駄な足掻きは諦めてドアを開けなさい!」

 怒鳴るだけではなく、ハイエナ族のジャネットは今度はドアを激しく蹴り出す。

 ドンドン、ドアを壊すかのようにジャネットが蹴り、今にもドアが壊れそうだ。


 モーガンが意を決してドアを開ける。

 「こんにちは。ジャネットさん。」

 硬い表情のモーガンにジャネットが大声に言う。

 「今日こそは、本当は女の子のエースを、本来の姿にする為の治療にイエスと言うのでしょうね!」

 モーガンがジャネットに反論する。

 「エースは女の子に成りたい訳じゃない。ただ、過去の出来事で悩んでいただけだ。」

 ジャネットが更に激しく叫ぶ。

 「あなたは、エース本人の意識を拒絶するつもりですか?それなら、あなたから親権を取り上げエースを協会が保護します。」

 カリフォルニア国では、子供の性自認を認めない事は、子供を虐待しているとして、親から子供を取り上げる事ができる。

 「もう一度言う。エース本人は、女の子に成りたい訳じゃない!」

 モーガンがエースを見る。

 エースがモーガンの発言に頷く。

 「パパの言っている事が正しい。」

 ジャネットがエースに向き、猫なで声で言う。

 「エース、貴方はエプロンを付けて料理をしている時の自分が最も幸せだと言ったじゃない。あれは貴方の中に女の子がいる事を示しているのよ。」

 エースが緊張しながら言う。

 「僕は、女の子に成りたい訳じゃない。ただ、いないお母さんの代わりにエプロンを付けて料理しただけワン。」

 エースは、子供ではあるが自分のせいで居なくなった母親の代わりに、少しでも役にたちたいと料理をしていた。

 その事を利用してジャネットはエースをトランスジェンダーに洗脳しようとしたのだ。

 ジャネットの目が吊り上がる。

 「エース。父親がいるからと言って嘘をつく必要はないのよ。貴方が自分の中にいる女の子に成りたいといえば、それで悩みは解決するのよ。」

 エースがモーガンの後ろに隠れて言う。

 「僕は、このままがいいワン。」

 ジャネットがエースに近づき、エースの手を掴もうとする。

 「止めろ!人攫い!」

 ジャネットの伸ばした手をシェーンが払う。

 ジャネットがシェーンを睨む。

 「あなたは何者?」

 「エースのおじだ。エースが悩んでいると聞いてテキサス国から来た。」

 とっさの機転で俄に叔父になるシェーン。


 ジャネットは男二人を相手にしてエースを連れ出す事は難しいと判断する。

 ジャネットが叫ぶ。

 「覚えて置きなさい!きっと後悔させてやる!」

 まるで地獄の悪魔のような表情でジャネットはモーガン、エース、シェーンを睨み、ドアを蹴飛ばして外へ出る。


 「フー。」

 ジャネットが出ていき、姿が消えるとモーガンとエースが息を吐く。

 エースがモーガンに駆け寄る。

 「怖かったワン。」

 「もう、大丈夫だ。」

 モーガンがエースを抱き締める。

 

 暫くして、シェーンが二人に言う。

 「きっと、このままでは終わらない。」

 ぎょとした表情をするモーガンとエース。

 モーガンにしがみつくエース。

 「昔はともかく、今はリベラルと付く者たちのほとんどは、ウソつき、ゴロツキ、ロクデナシと相場が決まっている。」

 モーガンがシェーンに問いかける。

 「つまり、仲間を連れてもう一度、現れると?」

 シェーンが言う。

 「その通り。すぐにこのカリフォルニア国からもう少しまともなテキサス国へ逃げるべきだ。」

 エースが股間を押さえて言う。

 「切られるのはイヤワン。」

 すぐにテキサス国への脱出の為の準備が始まる。


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