16.ある青年の過去との決別
ハゲタカ族のエマニュエル・ラー大使が、テキサス国にある駐カリフォルニア大使館で、駐カリフォルニア大使であるハイエナ族のエレック・アンダーグラウンドと打ち合わせをしている。
エマニュエルは嗤いながら言う。
「全く東昇帝国の連中は、同盟国だからと信じるとは、お人好しにも程がある。」
エレックも言う。
「信じる者は救われない。これが世の中の現実だと言うのに。」
エマニュエルがその通りと相槌をうち言う。
「あの国でLGBT推進法をサイタマ地方で成立させた時は、これがサムライの居た国かと思ったよ。」
映画などで、まるで西洋の騎士のような存在として扱われている武士がいた東昇帝国も、マスコミがマスゴミとなり、本当の事実ではない仮想理想がLGBT推進法を成立させた。
東昇帝国の悲劇は、マスコミがマスゴミ(太鼓持ち)となり、米国の民主党左派(凶産主義者たち)の言う事を垂れ流して国民を洗脳している事にある。
エマニュエルが話を変える。
「今日、ここに来た目的は我々にとって非常に不味いヘリンガー協会の件を相談しに来たのです。」
ヘリンガー協会の名前が出た途端に、今までの晴れやかな表情がくもる。
エレックが言い訳を始める。
「あれは本当に困っているのです。せっかくトランスジェンダーの洗脳をして、後は手術をするだけになった患者が、あれ(ヘリンガー協会)のセミナーに参加しただけでほぼ洗脳が解けてしまうのです。」
当たり前の事である。
ただのストレスを利用して手術代を稼ごうと洗脳しているのだから、本当のカウンセリングであるヘリンガー協会に参加すれば洗脳が解けてしまう。
せっかくトランスジェンダーにして、手術を受けさせより不幸にする予定が全部パーになる。
エマニュエルはニヤッと嗤い言う。
「そこで、我々の人々の不幸を食い物にする作戦を邪魔するヘリンガー協会をテキサス国から排除する爲の仕置人を呼んだのですよ。」
エマニュエルが手を強くたたく。
部屋に図体の大きなサメ族のジャニー・オガワが現れる。
エマニュエルが紹介する。
「この男こそイケメン男子を食い物にして、オムツなしには生きられない性加害のキング、被害者は数え切れない。人読んで男喰いサメのジャニー。」
ジャニーが悪びれもせずに下半身のあそこを立てて言う。
「紹介された男喰いのサメ族、ジャニーです。これでも野球チームの監督として外交官扱いではあるのです。」
エマニュエルが言う。
「早速だが、仕置きをしてもらいたい件がある。」
ジャニーが獰猛なキバを見せて聞く。
「どんな犠牲者たちですか?」
エレックが答える。
「ヘリンガー協会です。」
エマニュエルが忌々しい口調で説明する。
「我々の上辺だけの環境活動を批判し、その上、不幸にする予定のトランスジェンダー候補のトラウマを解消してしまう存在だ。」
ジャニーがトランスジェンダー候補を普通の人に戻すと聞いて、キバのある口を耳あたりまで開けて言う。
「それは聞き捨てならぬ悪魔を恐れぬ行為ですな。悪魔に代わってお仕置きしなければなりません。」
ジャニーが叫ぶ。
「幸せなイケメンなど存在してはいけない。全て孔を開けたトランスジェンダーという不幸な存在でなければならない。」
エマニュエルもエレックも共に言う。
「全くその通り!」
更にジャニーが吠える。
「凶産主義者が叫ぶ平和が上辺だけのように、LGBT推進は皆が平等に不幸な社会の構築でなければならない。」
エマニュエルとエレックが拍手する。
ある青年が、久しぶりに過去の夢を見た。
彼の名前はコウジ・キタ、イケメン男子だ。
しかし、イケメンである事で災難がやってくる。
彼が少しだけイケメンだったらこんな事にはならなかっただろう。
だが、彼は普通に暮らすにはイケメンすぎて、スーパーで食料を買っていたところをスカウトされた。
母親は、一人でコウジを育てていたが、暮らしは貧しい。いつもコーンフレークが中心でコウジはあきあきしていた。
そんな時、スカウトからステーキをデザート付きで毎日食べてみないかと誘われてレストランで食事をする事になる。
コウジはレストランである芸能事務所の契約書を見せられて、親に相談するように言われアパートに帰る。
アパートに帰ると、母親が心配して待っていた。
芸能事務所のスカウトの話をすると、母親が心配して反対する。
「あの業界(芸能界)は、嘘ツキ、ゴロツキ、ロクデナシのマフィア(ヤクザ)の世界だよ。お前のように真っ当な人は喰い物になるだけだよ。」
しかし、この時コウジにはヤクザの世界と言う意味も、喰い物になると言う意味も分かってはいなかった。
そして、コウジは男喰いのサメ、ジャニーに喰い物同然の男妾にされてしまう。
結局、家出同然にして飛び出したコウジは、最初は甘い言葉に騙され、掘られて女性ホルモン剤を飲まされてジャニーの男妾にさせられる。
コウジにとって久しぶりの悪夢だった。
この教会に来てからはついぞ見ていなかった悪夢だ。
コウジは悪夢を振り払うように起きて食堂に向かう。
食堂ではミコが現れて言う。
「大変な事が起きたの!この孤児院をサポートしてくれているヘリンガー協会が、アンティファ(極左ファシスト)の男喰いサメのジャニーから、クライアントをよこすように要求を受けたの!」
トオルが聞く。
「それでヘリンガー協会はどうするつもりだ?」
ミコが引き攣った表情で答える。
「徹底抗戦あるのみ。支援者の協力を頼むそうよ。」
ミコが言う。
「コウジ君には申し訳ないけど、他をあたってくれるかしら。」
男喰いのサメ、ジャニー。
まさにコウジを不幸にした本人だ。
コウジが言う。
「ヘリンガー協会の支援者として向います。自殺しようとした命を賭けます。」
ミコが驚き聞く。
「かつてのアラモ砦のようになるかもしれないわよ。」
コウジがはっきりと言う。
「サメ族のジャニーこそ、僕を自殺寸前まで追い詰めた嘘ツキ、ゴロツキ、ロクデナシです。」
しばし、ミコもトオルも声がでない。
コウジがはっきり言う。
「あんなゴミが世の中を壊すなんて許してはいけません。」
コウジの目には意志の光がはっきりともる。
コウジの目を見てトオルが言う。
「俺もコウジと共にヘリンガー協会に立て籠もるタヌ。」
ミコが今度はトオルを見て言う。
「貴方までも死にに行くの?」
トオルが言う。
「こんな罪人である老ぼれに使う金があるなら、若い猫族の孤児たちに使ってください。そうすればヘリンガー協会からの資金援助が無くとも、孤児たちと貴方は食べていけるはずだ。」
孤児院の周囲には畑が広がり、食べていくだけなら、なんとかなる。
それに孤児院への寄付はヘリンガー協会だけではない。
孤児たちの事を言われ、ミコが黙る。
トオルがコウジに言う。
「さあ、義勇兵としてヘリンガー協会へ向かうタヌ。」
コウジが困惑した表情で言う。
「でも、僕には武器も弾も何もないよ。」
トオルが言う。
「大丈夫だ。こんな時の為に俺は密かに銃と弾を購入していた。それを使えばいい。」
ミコがびっくりして問う。
「あちこち擦り切れた靴やデカパンだけだったのはそういう事にお金を使っていたからですか?」
「はい、もっともこれらの武器は孤児院を人攫いたちから守る為でしたけどタヌ。」
コウジがトオルに言う。
「だったら全て持って行くのは不味いよ。」
トオルが補足する。
「ミコさんが使えそうな拳銃は残すタヌ。」
トオルとコウジがオンボロトラックに乗り、夕日のなかをヘリンガー協会ヘと走り出す。
それをミコと孤児院の猫族の子供たちが見送る。
一人が叫ぶ。「トオル、コウジ帰ってこいよ!」
皆が次々に叫ぶ。「トオル、コウジ帰ってこいよ!」
トラックを運転しながらトオルが呟く。
「俺にはもったいない言葉タヌ。」
オンボロトラックが夕日の中に消えていく。




