目には目を、歯には歯を、幼馴染には幼馴染を!
夏休み。双子は幼馴染である紬の旅館で
お泊りをしていた。
そんな中、近くで夏祭りがあることを知る。
行ったことがないという紬を連れ出すため、
姫野はいい案があると言い出し・・・?
「まさか、そっちから誘ってくれるとは思わなかった。去年あんなことあったから誘いにくかったんだよな。サンキュー、柴乃」
かっこいい私服ですました笑みを浮かべるものだから、彼の顔をちゃんと見れない。
顔が赤くなっているのがなるべくばれないようにと、私は顔を背け
「どーーいたしましてぇ」
と返事してみせた。
昨日の夜、私は嫌々ながらも馨君に連絡した。
その日のうちにいい返事はもらえなかったものの、朝一で来た答えははまさかのオッケー。
正直断ってくれてもよかったのに、と思ったがそのことは話さないでいた。
姫野は姫野で、やることはやっといたとか言ってたけど……結局むぎちゃん、大丈夫だったのかな。
一人でこんなところに来るわけないし……姫野のことだ、何かたくらんでいるに違いない……
「にしてもすごい賑わいだな。伊佐波の奴、今頃大忙しなんじゃね?」
「それが……むぎちゃんもここに来るみたいなのよね……」
「大丈夫なのか? それ」
「姫野曰く大丈夫、なんだけど……あいつの言うことはあてにならないっていうか……」
「あ、柴乃!! よかった、見つけられた」
聞き慣れた、声がする。
小走りでやってきたのは、まぎれもないむぎちゃんだった。
いつも来ている着物とは違い、夏祭りでみんながよく着る浴衣を身にまとっていて、髪型もお団子にまとめている。
ただでさえ何もしなくてもきれいなむぎちゃんだから、違う格好をしているだけでも映えるというか……
「む、むぎちゃん来れたの!?」
「うん……なんか、成り行きで? あ、浅沼君も来てたんだ」
「ああ。お前、今から一人で回るのか? 柴乃さえ良ければ一緒に回ってもいいが……」
「ありがとう、でも大丈夫だよ。近くまで来てるって言ってたから、もうすぐ……」
「お待たせ~紬ちゃん」
「あ、隼人君っ」
またも聞き慣れた名前だなと、のんきながらに思ってしまう。
むぎちゃんが弾んだ声で呼びかけたのは、なんと……
「……やっぱりそういうことね……随分おせっかいな真似をするねぇ、柴乃ちゃんは」
やっぱりあの隼人君だった。
馨君と同じくらいおしゃれな私服をまとった彼は、やれやれというようにため息をついてみせる。
彼の登場で、なんとなく察しがついた。
おそらく、姫野だ。姫野が彼を呼んだんだ。
初めてのお祭りを、エスコートさせるために。
「人に時間をあてる暇を、隣にいる彼氏のために使おうとは思わないわけ?」
「なっ! 私がやったって思ってるわけ!? 失敬ね! 言い出しっぺも考えたのも全部姫野よ!」
「ふ~ん」
「随分怒っているみたいだが……そんなに嫌なら変わってやろうか?」
「馨君はちょっと黙ってて」
たとえ少し距離が縮まったとはいっても、どうやら馨君は彼の好きな人まで知らないようだ。
そりゃそうよね、この人本人にもまだ言ってないし……
今気づいたけど、この二人が一番進展ないんじゃ……?
「それじゃあ柴乃、またあとでね」
「紬ちゃんの心配もいいけど、まずは自分のことに集中しなよ~」
そういって二人は、人ごみの中へと消えていく。
背中を眺めみていた馨君は、ため息のような息をつき
「お前、また尾行しようとか考えてるだろ」
と呆れかえったように告げ……
「ま、またってなによ! 考えてなんかないし!」
「俺もあいつと話すようになって、好きな人がいることはわかってたんだ。お前の反応と、渕脇のたくらみからして……伊佐波がその相手だったんだな……」
どうして馨君は、言ってもいないことをポンポン当ててしまうんだろう。
しかも、私の反応だけで。
むぎちゃんと隼人君のことは気になる、でも馨君とお祭りを回っていたいという願望も消せないこの事実……
ああ、なんて私は欲張りなのかしら……
「仕方ない奴だな」
そんなことを考えていた矢先、馨君が私の手をそっと取る。
突然のことに振り払おうとするも、彼は逃がさないようにと指を絡めてきて……
「じゃああいつらの後追いデートでもするか。それでいいだろ? 柴乃」
見失わないうちに行くぞと、足早にその場を後にする。
相変らずの強引な彼のリードに困惑しつつも、少しうれしさを感じていたー
(つづく!!)
最近、ここに書くネタがなくなって
困りつつあります。
お話について語ろうかなとも思ったんですけど、
ご存知の方もいる通り、作者は隼人君推しなので
語りだすとそれが全面に出そうなので
今回は控えておきますね・・・
次回は9日ごろに更新します!
お祭りデート開幕!




