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さくら荘の珍住人  作者: 和泉あや子
第二章 住人のギャップ
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第二章10 それぞれの日曜の朝

 目覚めたときに部屋が静かで、アラームがもう鳴り終わってしまったかと時計を見ればまだ設定の時刻より早かった。日曜日の朝は朝寝坊してしまおうと思うのに、平日より早く目が覚めてしまうことが多々ある。伸びをして時計のセットをオフにした。入学式までは春休みみたいなものだから、毎日休日なのだけど日曜日ってなにか空気感が違う気がする。特に朝は。夜になると、また一週間長いなと少しブルーになるのだけど、午前中は好きなことに時間を費やせて幸せだった。

 今日は何をしようかなどと頭にめぐらせながら身支度をする。たまには朝のウォーキングなんかいいかも。また散策にでも出掛けようか。

 そうと決めたら支度を手早く整えて、朝飯前の散策に部屋を後にした。


 門に向かうためさくら荘の庭に出ると、にぎやかな声が聞こえてきた。見れば真美さんと舞ちゃんがラジオ体操をしていて、少し離れたところで俊也さんと岡本さんがなぜか木刀でうち合っている。試合らしきものなのかしら。さらに花壇には植物研究をしていると思われる松岡さんがいた。松岡さんの場合は毎朝花壇にいるが、こんな早朝からいたとは。そしてヨガマットを敷いて朝ヨガ中の瑠璃子さん。ヨガウェアは伸縮性の生地のせいか、ナイスバディ―さがよく強調されていた。私は変態ではないが、目の保養になります、と心の中で合掌する。瑠璃子さんほんと美人だな。しゃべるとあの美人度が下がるのが難点だが。


 深優の姿はないが、また徹夜かしら。


 ちょうど深呼吸まで済んだ高山さん親子がおはよう、と声を掛けてきた。

「おはようございます。皆さん朝早いですね」

「毎週こんな感じなの」

 真美さんが束ねていた髪をほどきながら言った。俊也さんと岡本さんの木刀がぶつかり合う音が言葉の間に入ってくる。

「そうなんですか、にぎやかでいいですね」


 何だかさくら荘の住人が一つの家族みたい。


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