表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくら荘の珍住人  作者: 和泉あや子
第二章 住人のギャップ
21/45

第二章4 スナイパー、深優

 さくら荘の裏手の道をすすむと、小さな神社が建っていて、それほど大きくない石造りの鳥居がそびえていた。子どもたちのはしゃぐ声が聞こえてきた。出店もいくつか開かれていて、夏祭りほどの盛大さはないものの活気があった。

「何から回りますか」

 鳥居をくぐって深優が聞いた。これと言って目的の店があるわけでもないので、あわせるよ、と答えた。それなら、と彼女が目をぱっと見開いて

「射的にいきたいです!」

 いいよ行こうか、と私が返事をするころには、もう深優は歩き始めていた。射的ってあんまし命中しないんだよなーと思いつつ、彼女の後を追った。


「おじさん、今年も来ましたよ」

 彼女は毎年常連なのか、店主のおじさんは渋い顔をして

「ああお嬢ちゃんまた来たのかい、お手柔らかに頼むよ」

 と苦笑いした。深優はそんなに射的が巧いのかしら。おじさんは私に気づいて

「今年はお友達も一緒かい」

 いらっしゃい、と豪快に笑った。それじゃあいつもの弾数で、と深優が言うと、おじさんはほらよ、とセットを渡した。

「常連ですから、わたしのは特別な弾数なんです」

 私は通常の弾数で銃を受けとった。小さい頃にしたきりだったが、おぼろげには撃ち方を覚えていた。一方の深優は慣れた手つきで弾を銃先にセットしている。

「お先に失礼して」

 と構えた。その構え方を見て唖然とした。ビリヤードを打つかのようだった。線から出ない範囲で片足の膝を台の上にのせ、身を出来るだけ乗り出している。

 深優は狙いを定めると引き金を引いた。ぱんっと小気味良い音がしたと同時に的の商品が倒れた。

「お見事!」

 思わず叫んだ。ちょっと軌道がずれちゃいましたけどね、と彼女は満足いかない様子。二発目を撃つ。また命中。三発目、四発目も見事に当てていく。

 私も撃ってみるがなかなか当たらない。

 ついに深優はすべての商品を撃ち落とした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ