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向かい合うと姉は私の方を見ず、馬車の入り口にある窓ガラスの方を見ていた。
「……ねぇ」
私はこちらを見ない姉に対し、声を掛けるが無視し、しばらく窓の外を眺めていた。
何か知ってる様子の姉だが、一向に口を開こうとしない様子に私は段々と苛立ち、ついには…。
「ちょっと!?自分から言っておいて黙るのは卑怯よ!なにか知ってるなら言ってよ!」
私は対峙する姉に声を張り上げると、ゆっくりとこちらに顔を振り向かせた。
「やだわ、そんな大きな声を発して。もっと落ち着いたら?」
「何も言わないそっちが悪いんでしょ?」
「さぁ」
ガタガタと進む馬車の中で私達はお互いの目を見ていた。
「……お父様の何を知ってるの?お金以外」
「知りたいの?珍しい。私の事嫌いなんだから本当は聞きたくも無いし、こうやって一緒にいるのが苦痛でしょ」
「仕方ないでしょ、呼ばれたんだから」
「まぁ、それはそうね。そこはアルバート様に感謝しなさい」
「そんな事より早く教えて、着いてしまう」
屋敷へと進む馬車は着実に目的地まで距離を縮め、窓の外にはあの白い外壁の大きな建物が見えてきた。
「ま、いいわ。教えてあげる」
やっと教える気になり安堵するが、それと同時に緊張もあり、私は一つ息を飲み、姉の続く言葉を待った。
すると、姉は体を少しだけ浮かせ、私の方へと傾け話し出した。
「お父様はね、病気を患っているのよ」
「病気?」
「えぇ、しかも結構酷いらしいわ」
病気と言われ、見送った父の姿を思い出した。
確かに不自然なほど急に体が痩せ、体型もまるで別人のようだった。
「そんな……」
戸惑う私にさらに続けてくる。
「先に言っておいてあげるけど、私もその事を知ったのはあの日よ」
「あの日?」
「えぇ、あんたも覚えているでしょ。お父様が借金をしていると暴露した日を」
姉は私に秘密を教えると何故か向かい側から私の方へと席を移動し、隣に座り始めた。
「なんでこっちに?」
「酷く落ち込んでしまったみたいだから姉として支えてあげないといけないなぁっと思ってね。優しいでしょ?」
「うるさい!?」
私は隣に来た姉を突き飛ばそうと両手で追い払おうとした。
でも、そんな私の行動を姉はよんでいたのか繰り出した両手を掴みだした。
「あんたならそうすると思った。……分かりやすい」
「うるさい!離して!?」
掴んだ手をギュッと握るとピリッと痛みが走り、私は顔を少し歪めた。
そんな私に姉は掴んだまま自身の顔を近づけてきた。
「もう一つ、教えておいてあげる。この馬車は防音仕様よ。だから何を話しても周りには聞こえない。
……なんで知ってるかって顔してるわね。お父様じゃないわ、要職の方に教えてもらったの」
私との違いを述べ始め、姉は1番大事なのは『情報』だと教えてきた。




