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豊穣の問い

 畑は青々としている。


 高速道路は今日も混雑し、

 工場は煙を上げ、

 棚は隙間なく埋められている。


 供給は途切れない。

 読者は困らない。

 市場は回る。


 実に健全だ。


 AIは優秀な道具であり、

 効率は現代の美徳であり、

 合理は否定されるべきものではない。



 では――

 この景色は、豊かだろうか。



 同じ色の緑が広がる畑。


 速く走れる真っすぐな道。


 安定して棚に供給される量産品。

 

 

 物量・物流としては理想的な景色だ。

 現代の価値観としては、申し分のない理想郷だろう。


 その中で、AI小説がランキング上位を占めるのは、自然な帰結だ。



 需要と供給が一致した結果であり、

 市場が選んだ景色である。


 誰も間違ってはいない。




 だが――誰も間違っていない世界ほど、

 静かに何かが失われていくこともある。


 山道が草木に呑まれて消える時。

 それは断末魔の轟音を立てない。



 工房の灯りが人知れず消える時。

 地方ニュースにもならない。



 そしてある日、ふと振り返ったときに気付くのだ。


 「あれは、どこへ行ったのだろう」と。


 豊作は続くだろう。


 高速道路も、工場も、これからさらに整備されるだろう。


 ならば最後に、ひとつだけ。


 あなたは今、どの道を歩いているだろうか。


 そして――その道は、どこへ続いているのだろうか。

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