表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罰〜突然妹ができて、人生終わりました。  作者: 蓮太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/31

26.混浴。

「ふぁ~ぁ。あくびでたわ。」

新太郎が朝食を終え、部屋に戻ると、他の社員達は出払い、またひとりぼっちだった。

「一人だと退屈だな。凛さんは何してんだろ。」

新太郎が独り言を言うと、

「わぁーー!!!」

部屋に忍び込んできていた凛が新太郎の後ろで大声を上げた。

「わぁーー!」

新太郎は叫びながら振り返り、身構えた。

「あはははっ!」


「お、おぃ!あーマジでびっくりした。」

新太郎はぐったりしている。


「暇でしょ?」


「あぁ、山さんのお陰で、ぼっちだよ。」


「そんなぼっち君に朗報です!」


「はいはい、なんでしょうか。」


「山を少し登った所にね、貸し切り混浴露天風呂があるんだって!」


「はぁ。」


「はぁ。じゃなくて、行こうよ!」


「いや、混浴で貸し切りは流石に。」


「我慢できない?」


「まぁ。そもそも、タオル巻いたまま入るのはルール違反だし、見えるぞ?

見るぞ?」

新太郎は何とか混浴を諦めさせようと必死だ。

「えっ?・・・見るの?」


「あぁ、凝視する。」


「ふっふっふっ。大丈夫だよ〜!おにっ。」


「ん?」


・・・あっぶなーい!昨日由梨さんにからかわれたから、お兄ちゃんって言いかけたー!!


「ごほん!温泉のお湯、乳白色だったでしょ?新太郎くんが向こう向いてる間に、タオルとって浸かれば見えないも〜ん!」


「そう。」


「そう。じゃなくてー!」

凛は、新太郎の手を引く。


「はぁ。」

新太郎は、ため息をつきながら立ち上がった。

「まぁ、見えないならいいか。

その代わり、1メートル離れるとこ!」


「う〜。」


「約束だぞ!」


「まぁ、守れる状況なら?」


「どう言う事だよ。」

新太郎は、仕方無さそうに凛の後を歩き旅館を出た。

凛は、知っていた。

露天風呂は二人入ると1メートルも離れられない事を。

セミダブル露天風呂だと言う事を。


二人は山を上がる。

「結構登るね。整備されてて石畳の階段だけど結構辛いよ。下駄で来るんじゃなかった。」


「旅館戻るか!?」

新太郎は、目を輝かせている。


「嫌。」


「あっそ。」


「そもそもなんだけど。」


「何だ?」


「もっと嬉しそうにしてよ。美女と混浴だよ?」


「まぁ、普通ならウキウキだな。」


「はぁ。私を見てよ!」

ため息をつく凛を、新太郎は見つめる。

「いや、今じゃない。そう言う事じゃない。」

凛は新太郎を睨む。

「はいはい。努力します。」


「努力するの!?」


「・・・うん。考えてはみるよ。

俺も、このまま死ぬまで一人なら、何の為に生きるのか・・・なんて昨日寝る前に考えたりした。」


「僧侶ですか?」


「あはははっ。実は、僧侶になるかとかも考えた。」


「冗談だったのに。本気で考えてたとは。」


「おっ!あれじゃないか?」


「ほんとだ!空いてるかな?

予約制とかじゃないみたいで、行ってみるしか無かったんだよね〜。」


「空いてないといいな。」


「おい。」

凛は本気で不機嫌そうに新太郎を睨んだ。

「すまん。」


「そうだよ!縁起でもない。ここまで登るのどれだけかかったと思ってんのよー。入れなかったら叫ぶからね、私。」


「空いてるといいな。」


「よろしい。」


露天風呂の脱衣場の前までようやくたどり着いた。

「新太郎くん!空いてるよ!」


「そうだな。」


二人は、小屋の中に入り、鍵をしめた。


「ふっふっふっ。これで二人きりだな。」

凛はニヤニヤしている。

「それ、俺のセリフだから。」


「えっ?今日はそう言う感じですか?」


「いや、違うけど。1メートル!忘れんなよ。」


「まぁ。」


二人は、背を向け合い、浴衣を脱ぎ、バスタオルで体を隠した。

「もういいか?」


「う、うん。」

凛の返事を聞いて、新太郎は振り向いた。

「・・・。」

新太郎は、凛を見て固まっている。

「な、何?」

凛は恥ずかしそうにしている。

「いや、半分出てるけど。」


「えっち。」


「それ隠せないのか?」

新太郎は、目を背ける。


「だって、上を完全に隠すと、下が見えちゃうんだもん!」


・・・確かに。


新太郎は、凛を見て理解した。


「あー!!分かった!早く入ろう。」


二人は脱衣場のドアを開けて、露天風呂の前で立ち尽くしている。


「なぁ、凛さんこれ知ってたんじゃないのか?」

新太郎は、疑いの視線を向ける。


「し、知らないよ!お湯が透明なんて聞いてない!」


「ほぉ~。お湯が透明なんてね〜。

返答がおかしい事に気づくべきだった。

守れる状況ならか。」

新太郎は、凛を睨む。


「あはは。」


「風呂が二人で入ると密着するくらい狭いと言うのは知っていたと?」


「は、はい。由梨さんから。」


「なるほど、なるほど。」


「と、透明はマズイよね。

か、帰ろうか?」

凛は恥ずかしそうにしている。


「いや、入ろう。」


「えっ?」


「やられたらやり返えさないとな。」

新太郎は、悪い顔をしている。


「べ!別にいいよ!新太郎くんになら見られたって!」

バサッ!

凛は、バスタオルを放り投げると、露天風呂にダイブした。

バシャーン!


「・・・ま、マジか。今、完全に揺れてるのが見えた。」

新太郎は、少しいじめて帰るつもりだった。

「な、何してるの?早く入ってよ。

恥ずかしい思いさせたんだから!」


「いや、本当に入るとは・・・お、俺、脱衣場で待ってるから。」


「だめー!入るって言った!」


「駄々っ子かよ。」


「は!や!く!」


新太郎は、仕方なく、腰のタオルを取ると、お湯に浸かった。


「おー!!・・・状況が状況だが、これは、最高に気持ちいいな!」

新太郎は、凛を見て微笑む。


「うん!来て良かったでしょ?」


「あぁ。景色もいいし。」


「はぁ~。ふ〜。」

凛は、深呼吸をすると、新太郎に抱きついた。


「すると思ってた。」

新太郎は、動揺しながらも冷静だ。


「バレてました?」

凛は、開き直っている。


「1メートルはどうなった?」


「守れない状況・・・じゃない?」


「それは?」


「くっつきたい状況って事。」


「屁理屈もいいとこだな。」


「そう?」


「うん。せめてその柔らかいのが当たらない様にしてもらえないかな。」


「仕方ないよ。私、結構大きいし。」


「結構どころじゃないよな。

あー!!!触りたい!!」

新太郎は、煩悩を打ち消す様に叫んだ。


「ふふっ。あはははっ!

あー!触られたい!」


「何だよそれ。」


「ちょっとだけ触れば?」


「いや、ちょっとが命取りになる。」


「命取られないし。バカ。」


二人は、お互いへの思いに耐えながら、くっついてしばらく温泉を堪能した。


「のぼせてきたかも。」


「そろそろ出るか?」


「うん。私、先に出るから見ないでね。」


「これだけくっついても見られるのは嫌なのか?」


「別よ、別。」


「はいはい。」


新太郎が景色を見ているのを確認すると、凛はバスタオルを取り、脱衣場へ入っていった。

「はぁ。まったく。」

新太郎はため息をついた。


・・・平然を装ってはいたが・・・これ、どうすんだよーー!!!


新太郎は、元気になったそれを見て、心の中で叫んだ。


静まるのを待ち、新太郎が脱衣場に戻ると、浴衣を着終わった凛は退屈そうに新太郎を待っていた。


「あーやっと出てきたー!遅いよ!」


「景色が名残惜しくてな。」 


「ふふっ。バレてないと思った?治まって良かったね。」


「いやーーー!!!」

新太郎は、穴があったら入りたいと心の中で思いながら叫んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ