表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罰〜突然妹ができて、人生終わりました。  作者: 蓮太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/31

23.山さんやりすぎです!

昼食を終えて、新太郎達はバスに戻ってきた。

自然と、さっきまで座っていた席にみんな座る。

凛も、何事も無かった様に、新太郎の隣りに座った。


しばらくすると、山さんが両手に大きなビニール袋を持って戻ってきた。

バスの通路から、新太郎と凛を見て、山さんは満足気な顔をすると、

両手のビニール袋を高く上げた。

「宴会まで我慢しようと思ったが、無理だ!みんな!呑みたい奴は呑めー!」

山さんが叫ぶと、後ろの方の席から社員達が駆け寄る。


「さっすが山さん!」

大河は待ってましたとばかりに、酒の缶を3本どかかえ、食べ物を持ち去る猫の様に、後部座席へ消えていった。


「ワハハハ!やっぱりこれがないとなー!」

嬉しそうに缶を握る山さんを、由梨は不満気に見つめる。

「あんまり飲み過ぎないで下さいよ?」


「わ、分かっとる。」

山さんは、由梨には頭が上がらない様子だが、躊躇なく酒を流し込む。

「くぁ〜!」

幸せそうな山さんを見て、なんだかんだ、由梨も楽しそうだ。


山さんはご機嫌で、凛と新太郎を見た。

「どうだ?」

山さんは、凛に酒が入った袋を差し出す。

「じゃ、じゃあ。」

凛は、カクテル風の缶を選んだ。

缶を開けて、凛はゴクッと一口呑んだ。

俺の分も取ってくれよと言わんばかりに凛を見つめる新太郎に、凛は自分の一口呑んだ缶を差し出した。

「はい。」


「えっ?」

戸惑いながら新太郎は缶を受け取った。


・・・こ、これは。

関節キスになるけど・・・凛さんは何を考えてるんだ?


「呑まないの?」

戸惑う新太郎に、凛は追撃する。


「あ、いや、呑む。」

新太郎は、気にしない事にしてゴクッゴクッと、酒を流し込む。

「あー!うまい!」


「あはははっ!美味しいよね、これ。」


「うん。」


新太郎が手に持っていた缶を奪い取り、凛はまた缶に口をつけた。

そんな凛を見つめて、新太郎はドキッとした。


凛は、この後も、山さんから一本づつしか缶を受け取らずに、新太郎と交互に呑むのを続けた。


・・・これは一体。


新太郎は、戸惑いながらも、いい感じに酔いが回りだした。


「あ〜、酔ってきた。眠くなってきた。」

新太郎は、凛に甘えた声で報告する。


「何〜?酔ったアピールしても、お触りとかはダメだよ〜?」

凛も酔っぱらっている様だ。


「大丈夫!俺は凛以外触らない!」

新太郎は、酔いながらも、決意は揺るがない。


「私も凛だよ〜?」


「・・・じゃぁ。」

新太郎は、飲み過ぎたのか、凛にしがみつく。


「・・・バカ。」

凛は小さく呟くと、寄りかかってきた新太郎の頭を優しく撫でた。


「り、凛!?」

新太郎は、俯いたまま呟くと、眠った。

「スー、スー。」


「寝たしー。もぅ。少しドキドキしたじゃん。」

凛は、しばらく新太郎の頭をなで続けたが、ウトウトとして眠りについた。


その様子を横目で見ていた山さんと由梨は、嬉しそうに微笑み合った。


気持ち良さそうに眠る山さん一行を乗せたバスは、走り続ける。


窓からゆうひが見える海岸線。

誰一人、景色を見ていない。


由梨は、一人、水平線に沈む夕日を眺めていた。

「この景色を見ないなんて勿体ない。

まったく、この人は。」


「ん?んん?グー。グー。」

寝ぼけてまた眠る山さんを由梨は微笑みながら見ていると、バスが停車する。

「あら、着いたのかしら?」


プシュー。

「お疲れ様でした。」

バスのドアが開く音がして、運転手が立ち上がり、バスを下りる。


新太郎と、凛は目を覚ました。

「えっ?ご、ごめん。」

新太郎は、凛を抱き枕の様に抱きしめている事に気付き、凛から離れた。

「う、うん。」

いい感じで酔いも覚めていて、二人は恥ずかしそうに目を反らし合う。


「よーし!お前ら!起きろーー!!」

山さんは、意気揚々と立ち上がり、満足気に眠る社員達に叫んだ。

社員達は、山さんの叫びに、ピシッと立ち上がり、寝ぼけているのか、周囲を見回している。

「ワハハハ!なんだ?寝ぼけとるんか?これから宴会だぞ!気合入れろー!」


ハッと思い出した様子の社員達は騒ぎ出した。

「宴会だーー!」


山さん一行は、バスの運転手にお礼を言うと、歩き出す。


「店はこの先だ!先に歩いといてくれ。」

山さんは、運転手と打ち合わせしている様だ。


凛が地図を見ながら、一行は店へと向かった。


「カンパーイ!!」

山さんは、郷土料理が有名な居酒屋を予約していた。

宴会は、大盛り上がりで、店から少し注意されてしまった程だった。


「あ〜!楽し、かっ、た。」

大河は、日頃のプレッシャーから解放されたからか、珍しく酔いつぶれていた。

「大河くん、大丈夫?」

由梨は、心配そうに背中をさすった。

「ワハハハ!大河、頑張って歩けよ!」

山さんは、大河に肩を貸す。

「あざーす!」

ヨレヨレと歩きながら、一行は予約したホテルへと向かった。

ホテルのフロントにつくと、大河を支えながら山さんがフロントで受付をしている。

その様子をボーっ見ていた新太郎と凛に、由梨がニヤニヤしながら近づく。

「新太郎くん、凛ちゃん。」


「はい〜?」

二人はほろ酔いでソファーに座っている。

「申し訳ないのだけど、予約した時に、部屋がね。」


「ん〜?」


「二人は向かいのホテルに部屋をとったから、そこに泊まって欲しいのよ。」


「えっ?あ、はい。」

二人は、不思議そうにしながらも由梨が差し出した書類を手に取る。


「明日は、朝10時にこのホテルのフロント集合ね。向かいのホテル、8時から朝食バイキングがあるから。」


「ありがとうございます。」

新太郎と、凛は立ち上がると、少しフラつきながら、向かいのホテルに向かった。

その後ろ姿を、由梨はニヤニヤと見送る。

その後ろには、フロントからチラチラと二人を見る山さんの姿があった。


新太郎と、凛は向かいのホテルに入り、フロントで由梨に渡された受付表の様な物を渡した。

「ご宿泊、ありがとうございます。

では、ゆっくりとおくつろぎ下さい。」

受付表を渡した凛は、差し出された部屋の鍵を受け取る。

「ありがとうございます。」


「・・・。」


「・・・。」


フロントから新太郎と凛は離れない。


「な、何か?」

フロントに立つ女性は、不思議そうに二人を交互に見た。


「えっ?鍵を。」


「えっ?こちらですが?」


「えっ?」


「・・・ひ、一部屋!?」

新太郎と凛は、声を合わせて叫んだ。


「は、はい。ご予約されているのは一部屋ですが?最上階ですので朝の眺めは最高ですよ!水平線までしっかり見えます!明日の日の出は6時45分頃ですので、是非、日の出をご覧になって下さい!」


受付の女性は、自信たっぷりに部屋の良さをアピールしてくる。


「そ、そうなんですね。た、楽しみ〜。」

凛は困った顔で答える。


・・・部屋がどうとか、もはやどうでもいいんだよ!!


新太郎は頭を抱えた。


「ま、まぁ、仕方無いよ。いこっ。」

凛は、山さんに呆れながらも、新太郎の服の服の裾を掴むと、エレベーターの方へ歩き出す。


「えっ?いいのかよ?」

新太郎は、焦っている。


「今更どうしょうもないでしょ?

とりあえず座りたいし、早く部屋行こう。」

凛は、少し顔が赤い。


「り、凛さんがいいなら。」

新太郎は、今頃、山さんと由梨がニヤニヤと喜んでいるのだろうと思うと、不満気にため息をついた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ