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罰〜突然妹ができて、人生終わりました。  作者: 蓮太郎


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16/31

16.高い塀の外。

「お世話になりました。」

新太郎は、刑務所の門の警備にあたる警官に頭を下げた。


「がんばれよ。」

警官は、新太郎の背中を叩いた。


新太郎は、事件のあと、相手が死んでしまったと言う事もあり、10年の月日を刑務所で過ごした。


「父さん、光さん、元気だろうか。

・・・凛は。

もぅ、会う資格もないな。

みんな、幸せに暮らしていたらいいな。」


新太郎は、両親が一度だけ面会に来てくれた日の事を思い出しながら歩いた。



「新太郎!」


「と、父さん・・・光さん。

ごめん。本当に・・・ごめん。」


「謝るな!運が悪かっただけだ!

殺意なんて無かったんだから!」

新太郎の父は、新太郎との間にある透明のアクリルパネルに手を当てる。

「新太郎!刑務所をでたらまた一緒に暮らそう!」

新太郎の父は、涙をながしている。


「運・・・か。みんなそう言う。

でも、これは罰なんだ。」


「どう言う事だ?」

両親は顔を見合わせて不思議そうにしている。


新太郎は、凛との事をつつみ隠さずに話した。


「・・・そう、だったか。」

俯く新太郎の父の隣りで、光は両手で顔を覆う。

「凛。辛かったんだね。気付いてあげられなくてごめんね〜。」

しばらく泣いていたのだろう、光は、涙をぬぐう様に両手で目をこすり、新太郎を見つめた。

「相談・・・して欲しかった。」


「ごめんなさい。」

ゴンッ。

新太郎は、テーブルにデコを打ち付けながら謝る。

「謝らなくていい。」

光は、新太郎を見つめる。

「凛は!凛は必ず見つける。

私達ね、人の少ない田舎に引っ越す事にしたの。近所の目もあるし、辛いと言うのは本音よ。

でも、それ以上に、また4人で暮らしたい。

私はそう思ってる。

だから、必ず帰ってきなさい!」


「・・・。」

新太郎は、顔を片手で隠す。

目尻から隠しきれない涙がこぼれている。


「光さん・・・光さんがそう言ってくれるなら!新太郎!必ず、また4人で暮らすぞ!」

新太郎の父は立ち上がった。


「・・・父さん、光さん。」

新太郎は、涙を拭うと、両親を見つめた。

「俺は、父さんと光さんには幸せになって欲しい。

俺が一緒に暮らせば、絶対に良くない事になる。

だから、俺はここを出たら一人で生きていくよ。

もう誰も傷つけ無いように。

凛にももう合わせる顔はないし、

いなくなったのが凛の答えなんだよ。」


「だ、大丈夫だ!全部上手くいく!父さんに任せろ!」


「ありがとう。

父さん、光さん。

ここへ来るのはこれで最後にしてくれ。

そして、2人で・・・凛が見つかれば3人で、幸せになって下さい。」

新太郎は俯いたまま立ち上がった。


「し、新太郎!」

「新太郎くん!」

両親も立ち上がり、新太郎を止めようとするが、監視の警官に頭を下げると、ドアの取っ手に手をかけた。

「ごめんなさい。一人で生きていきたい。父さんと光さんの顔を見ると、消えてしまいたくなるから。」

新太郎は背中を向けたまま、ドアを開けた。

「分かった。新太郎、でもお前はずっと俺の!いや、俺達の子供だ!

困った時は頼ってくれ!」


「ありがとう。」


バタン。

ドアが閉まると、新太郎の両親は抱きしめ合い、しばらく泣いた。


青空を見上げ、新太郎は立ち止まった。

「これから俺は何故生きるのだろう。

・・・何の希望も、未来も無い。

でも・・・生きたい、そう思う。」


新太郎の刑期が終わる少し前、出所後の面倒を見たいと言う男が面会に来た。

それは事件の日、新太郎の背中をさすってくれた刑事だった。

定年後、その刑事は刑務所を出た未来ある若者を受け入れるべく、農家の会社を設立し、軌道に乗せていた。

新太郎は、素直に世話になる事を選んだ。

刑期の間に働き渡された、少しのお金を握りしめ、新太郎は電車を乗り継ぎながら、そこへ向かうのだった。


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