表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罰〜突然妹ができて、人生終わりました。  作者: 蓮太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/31

13.忘れ物。

「いただきまーす!」

晩御飯は、別荘の庭でバーベキューとなった。

「に、肉が染み渡る〜。」

泳ぎ疲れた新太郎は、嬉しそうに肉をほうばっている。


「新太郎、なんであんなに泳いでたんだ?」

涼は不思議そうにしている。


「あぁ。流されそうになってな。

足が着く所まできた所で凛にくっつかれたんだよ。」


「ん?」


「・・・。」

新太郎は肉を口に運ぶ。


「で?」


「んんんんろ?」


「飲み込んでから話せよ。」


「ゴクッ。はぁ。分かるだろ?」

新太郎は、察しろと言わんばかりに涼を睨む。

「・・・あぁ、そう言う事か。」

涼は気付いた様で、申し訳なさそうにしている。

「えっ?何?どう言う事?」

ひよりは不思議そうに涼を見た。

「ひより、ひよりは分からないでいい。」

涼はひよりの肩に手をのせる。

「む〜。」

ひよりは不満気に涼を見つめる。

「さ、さぁ!どんどん焼くわよー!」

凛は誤魔化す様に叫んだ。



ザァーザァー。

「う、う〜ん。」

波の音が聞こえる。

窓から差し込む朝日の光が眩しい。

新太郎はゆっくりと目を開けると、起き上がろうとする。

「・・・いっ。筋肉痛だ。」

ベッドで体を起こした新太郎は隣りを見た。

「凛、もう起きたのか。」

新太郎は、痛む体を引きずる様に階段を降りてリビングに向かう。

「おはよ〜。」


「おはよ。」

キッチンには凛とひよりが立っている。

新太郎は、ソファーに座る涼の隣りに座る。

「おはよ。」


「おぅ、おはよ。」

涼は、どこか満足気な表情をしている。

「なんだ?なんだか気持ち悪いぞ?」

新太郎は、涼の顔を見ながら苦笑いする。

「気持ち悪いとはひどいな。

・・・で?どうだった?」

涼は小声で新太郎に話しかける。


「どうとは?」


「昨日の夜だよ。」


「・・・あぁ。思い出させるなよ。」


「ん?またダメだったのか?」


「いや、逆だ。」

新太郎は顔を伏せ、思い出したくないと全身から染み出している様に見える。


「・・・な、何があった?」


「・・・実は。」

新太郎は昨日の夜の事を思い出しながら口を開いた。



「今日ってその。」

凛は恥ずかしそうにモジモジする。


新太郎と凛はベッドに並んで座り肩を寄せあっている。


「その、何だ?」


「そ、卒業旅行なんでしょ?」


「う、うん。涼はそう言ってたな。」


「涼くんだけ?」


「いや・・・いいのか?」

新太郎は緊張した表情で凛を見つめる。


「う、うん。」

凛は恥ずかしそうに俯いている。


「凛・・・好きだ。」

新太郎は、緊張を振り払う様に凛を抱きしめた。


「いきなりびっくりした〜。

・・・私も、好きだよ。」

凛も新太郎を抱きしめ返す。


二人はベッドに横になり、抱きしめ合うと、何度も唇を重ねた。


「すごいな。」


「何が?」

凛は不思議そうに新太郎を見つめている。


「なんと言うか、幸福感?」


「そうだね。」


そして、二人は、ぎこちなく愛し合った。


「凛、いいか?」


「・・・。」


「どうした?」


「その、こ、恐いから・・・私が。」

凛は起き上がると、馬乗りになっていた新太郎をゆっくりと押し倒した。


「わ、分かった。」

新太郎は大人しく身構えている。


「・・・。」

凛は覚悟を決めた様に新太郎に乗りかかる。


「あっーー!」

新太郎はふと我に返ると叫んだ。


「えっ!?びっくりした。

どうしたの?」


「そ、その。」

新太郎はこの世の終わりかの様な、さみしそうな表情をしている。


「な、何?」


「忘れた。」


「何を?」


「その・・・ゴム。」


「・・・あっ。」

凛は、新太郎の上で俯いた。


「ごめん。俺が用意するべき物だった。」

新太郎は天井を仰ぎ見た。


「だ、大丈夫だよ!そのときは早めに言って!」


「ま、待て!」

凛は新太郎の制止を聞かなかった。


「痛いっ。」

「あっ。」

凛は痛みの中、我に返った。


「えっ?もしかして。」


「う、うん。ごめん。」


「ど、どうしよ!」


「と、言う事がありまして。」

ひよりは凛から昨日の夜の事を聞き、固まった。

「えっ?それってマズくない?」

ひよりは戸惑っている。

「う、うん。」

凛は、俯いた。

「まだ私達学生だよ?」


「うん。分かってる。

・・・・・大丈夫。きっと。」

凛は自分に言い聞かせる様に呟く。


「と、所でひよりは?」

凛は切り替えようと、ひよりにすり寄る。


「う、うん。実は涼くんも忘れてたみたいで。」


「え?」


「あ、でも私達はその・・・お母さんがね。」


卒業旅行出発前夜。


「ひーよりっ。」


「何?お母さん、えらくご機嫌ね。

嫌な予感しかしないのだけど?」

ソファーに座るひよりの隣りに、ひよりの母は嬉しそうに座る。


「これ。持って行きなさい。」


「・・・こ、これっ!」


「ふっふっふっ。ひより、既成事実を作りなさい。」


「またそれ〜?」


「いいから。」


「う、うん。」

ひよりは大人しく受け取った。


「あら、珍しく素直じゃない?」


「う、うん。私もそのつもりだったから。」


「キャー!大きくなったわね〜。

お母さんはうれしいわ〜!」

ひよりの母はひよりを抱きしめた。


「ちょ、ちょっとお母さん!」


「がんばれ、ひより。」


「う、うん。」



「と、まぁ、そんな感じで。」

ひよりは恥ずかしそうに俯く。

「なんかいいな。お母さんとそんな感じなの。」

凛は、羨ましそうにひよりを見た。


「ふふっ。」

ひよりはふと笑った。


「どうしたの?」


「あ、ごめん。忘れた事に気づいた涼くんの顔と、私が持ってたのを渡したときの顔を思い出して。」


「ふふっ。確かに。」

凛も、新太郎の残念そうな顔を思い出して笑った。


「きっと大丈夫!今日も楽しもう?」

ひよりは凛を励ます様に笑った。


「そ、そうだね!」

凛もひよりを見つめて微笑んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ