山盛りのサクランボ
村の市は比較的朝早いと言っても、小さな村でありながらそこそこ賑わっているようだった。
いくつもの荷台のようなものに、複数種類の野菜や果実が置かれていて、その荷台一つがその人の畑で採れたものだろう。
売っているものは地元の特産品のほかに、都市でもよく見かけるような野菜や果実を見かける。
けれどこの地方のものでは味わいが違うかもしれない。
そうして歩いていくと、山盛りのサクランボがカートに乗せられて売られているのを見かける。
赤くつやつやとした新鮮そうなサクランボが、陽の光に白く輝いている。
とても美味しそうなそのサクランボについ立ち止まってしまった私。
すると、
「お嬢さん、一つお味見」
と言ってサクランボを一つ、販売している女性が私にくれた。
それを一つ口に含むと、爽やかな香りと共に微かな酸味と甘みが口いっぱいに広がる。
凄く美味しい。
ついその場で私は、ヘレンにお願いして一袋サクランボを購入してから、
「これ、ケーキの材料にしてみよう。となると……」
と、さらに追加で買ってしまう。
そちらは大き目の袋で購入した。
支払いをして、そのサクランボの入った紙袋を抱きしめるようにしながら私は、
「このサクランボ、美味しいからみんなで食べながら移動しましょう?」
と声をかける。
それから、更に果実や野菜を見ていくと、この周辺で採れる薬草などが売っている店にも遭遇する。
どう使っているのかを聞きながら、それもいくつか購入し、更に私達は市場を見て回ったのだった。
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