↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ悪役令嬢は、王子の溺愛に気付かない。  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/99

悪役令嬢

 クロト達のいる家のドアを叩くと、クロトがすぐに顔を出し、


「シルフさ……おはようございます」

「おはよう」


 にこやかにクロトに挨拶するシルフを見て、私はあれっと思った。


「シルフはここに住んでいるのでは? なのに挨拶?」

「クロトが寝ぼけていたんだろう。とりあえず俺はあいさつしかえしてみました」


 楽しそうにシルフが答えるので、何をやっているんだろうと私はおかしくて、小さく笑ってしまった。

 それからクロトがヘレンをじっと見るも、それ以上は何も言わず……次に現れたサナも、クロトと同じような行動をとっていたが、何も言わないのでそれ以上私も聞かなかった。


 それからこの村の市へと移動しながら私はある疑問について、クロト達に聞く。


「そういえば駆け落ちしている関係上、村おこしに参加して目立っても問題ないのかしら?」


 私の疑問に答えたのはサナだった。

 彼女は恥ずかしそうに笑って、 


「同じような名前の人はいくらでもいますしそれに、何らかの稼ぐ手段を手に入れないと生活が……持ってきた貯金だけではいつか底を尽きてしまいますから」

「そうなの……私に出来る事があれば、その駆け落ち関係に関しては別人の振りをして、私が“サナ”ですと対応してもいいから」

「ありがとうございます」


 嬉しそうに微笑んだサナがそこで、


「でも、悪役令嬢? ですか。シルフさ……から聞きました。変な呼び方ですね。リズはこんなにいい人なのに」

「……悪役令嬢は、物語に出てくる悪役のような令嬢だからそう呼ばれていただけ。寝取り女コミヤがおそらくは創作した悪事に関係しているから……創作された物語の“悪役”という意味で間違ってはいないわね。もっとも、その創作にはあの寝取り女コミヤ自身が今までやって来たことが含まれていたけれどね」

「あ、えっと、すみません」

「いいの、シルフに話したのは私だもの。悪役令嬢。“悪役”を演じさせられた“令嬢”、“悪役”を押し付けられた“令嬢”、どちらとも取れるわね。どちらも“本当”の“悪”ではない」


 皮肉気な口調になってしまった私に、サナは何も言えなくなってしまったようだ。

 そこでシルフが私の手を握った。


「でも俺は、リズがそんな人物じゃないって知っているから」

「……うん」


 私は小さく頷く。

 支えてくれる人がいるから、私はまだ、私でいられる。

 そう思っているとそこで、ようやく村の市らしきものが見えてきたのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。