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スローライフ悪役令嬢は、王子の溺愛に気付かない。  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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信頼されているなって

 購入した薬草ハーブや果物を見つつ更に野菜を見ていく。

 小麦粉の類も売られていたが、確かにケーキの材料としては必須ではある物の子の抱えるので精いっぱいな大きな袋は持ち帰るのに大変だ。

 ただ幾つか種類があるのに気づく。


「どれがいいのか後で試してみましょう」


 そう決めて他の野菜も見て回る。

 “ススフルーツトマト”や“トラカボチャ”といったものや、葉物野菜、ニンジン、イモ類……そういったものから、他の地方の特産物である木の実や、それを挽いた木の実の粉等もある。

 その内、本日食べるように薄い水色をした“ミズコールラビ”をいくつか購入した。


 また野菜のケーキもいいかなと思うも、それであれば屋敷にありそうだなと思いや四季の野菜の類を見てからにしようと考える。

 この市は、明日も開かれ、それからは五日後であるらしい。

 だからそこまで焦る必要はなさそうだ、と思いながら更に品物を見て回る。

 他にも砂糖も売っていたが、甘味としては昨日サナの家にあったシロップの方が値段も安いようだった。


 どちらの方が安価にケーキになるかも考えてみた方がいいかもしれない。

 他にも香りづけに果実の蒸留酒などがあるといいと思いながら幾つか小さな小瓶を購入。

 また、この周辺の森で採れる果実や薬草ハーブの時期などを聞いたりして、


「そのうち森に入ってみたいかも」

「それなら俺がついていくよ」


 と私にシルフが言う。

 本当はヘレンに頼んでいこうかと思ったけれど、男性の手があるのは嬉しい。

 なにより、男性の方が力がある。


「いいの? 助かるけれど」

「うん……いや、俺、リズに本当に信頼されているなって今の言葉で思った」

「? 何が?」

「もう少し警戒をしようよ。俺も男だよ?」


 シルフにそう言われて、私はシルフを見上げた。

 微笑まれた。

 胸が少しだけ震えた気がした。


 理由は分からないけれど。と、


「あ、あそこで何か食べ物を売っているみたいだ」

 

 そう言って、シルフが食べ物の屋台を指さしたのだった。

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