新たな試験の結果
「ほう。
寧々子が問題を出しておるのか、ちょっと覗きに行ってみるか」
王はジルの報告に興味を抱き、行ってみた。
あまり顔を合わせたこともないが、おそらく自分の妃なのだろう女たちが頭を抱えて叫んでいる。
「くっ、わからない問題ばかり出してっ」
「正解者なんて出ないじゃないっ」
「誰かあの女を倒してっ!」
寧々子は王座のような高みから彼女らを見下ろし、笑っている。
「寧々子……。
いや、寧々子様、あなたが悪役みたいになっていますよ」
と寧々子の近くまで行ったジルが苦言を呈してたが、寧々子は、
「なんかこっちの方が楽しいわ」
と笑っている。
「おのれ、寧々子っ、様っ」
と妃のひとりが寧々子を見上げて叫んだ。
様が無理やりすぎる……。
王が現れたことにも気づかぬらしい妃たちはまだ寧々子を罵っていた。
「なんとしても、寧々子を打ち倒しっ、美貌のツボを押してもらうのよっ」
「なによっ。
押してもらうのは私よっ」
「冗談じゃないわっ。
私が寧々子のようにツルツルのお肌になるのよっ」
「いいえ、私よっ。
私こそが寧々子のような美貌を手に入れて、そこそこ贅沢できる貴族のところに下賜され、悠々自適に生きるのよっ」
「あんたもう倒れなさいよっ」
「あんたが倒れなさいよっ」
「寧々子様っ、勝負は負けでいいので、美の秘訣をお教えくださいっ」
「寧々子様っ」
「……なんか違う争いになってきましたね」
と戻ってきたジルが言う。
「みな生き生きとしておるし、寧々子も楽しそうだから、まあよいか」
王はみなに気づかれないまま、そっとその場を後にした。
「また全問正解者なしですか。
しょうがないですね~。
でも、みなさん頑張ったので、全員に参加賞として、それぞれの気になるところを改善するツボをお教えしますよ」
王が去ったあと、寧々子は言った。
「私はもっと輪郭をハッキリさせたいの」
「じゃあ……」
と寧々子がその妃に手を伸ばすと、
「待ってっ。
これだと全員にそのツボがわかるじゃないっ」
と彼女は後退する。
……知識はみんなで分け合わないと世の中、発展していきませんよ、とは思ったのだが。
まあ、後宮は女たちの戦いの場だしな、と思い直した寧々子は、
「じゃあ、おひとりずつにしましょうか」
と微笑んだ。
「では、私からっ」
「私からよっ」
「いいえっ、私からよっ」
「私を先にしてくださったら、寧々子様を正妃に推挙しますわっ」
「なんですってっ。
じゃあ、私も寧々子、様、を正妃に推すわっ」
「私が一番乗りよっ」
「いいえ、私がっ」
……というわけで、試験の結果(?)、
突然、正妃になりました。




