表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生少女はテンプレを望む改!!  作者: parade


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/31

第17話「Fランクの洗礼」


Fランクになった翌日、私は掲示板の前でしばらく固まっていた。


「……ゴブリンの討伐……」


Fランクの依頼の中に、ゴブリン三体の討伐というものがあった。


ゴブリン。


言わずと知れた異世界モノの初期モンスターその二。スライムと双璧をなすテンプレ雑魚モンスターだ。大きさは子供くらいで、知恵があって集団で行動する。弱いけど油断は禁物、というのが相場だ。


「行くしかないよね……!」


「ゴブリンか」


隣にカイトが来た。掲示板を一緒に見ている。


「Fランクなりたてで行くのか?」


「そのための昇格だし!」


「三体って書いてあるけど、実際は群れてることが多い」


「……それはちょっと怖いな」


「だろうな」


「一緒に来てくれたりしない……?」


「……俺はDランクだぞ」


「Dランクの依頼と掛け持ちするとか……」


「なんで毎回それを言うんだ、お前は」


カイトは盛大にため息をついた。でも「どうせ近くで採取依頼がある」とぼそぼそ言いながら、結局同行してくれることになった。


街の東にある森の中を、二人でしばらく歩く。


「ゴブリンは匂いで分かる。近づいたら腐ったような臭いがする」


「ファンタジーあるある!」


「……何でなんでもそういう括り方するんだ、お前は」


「異世界モノへの愛です」


「よく分かんね」


しばらく歩くと、カイトが急に足を止めた。


「……いる」


言われた瞬間、私にも分かった。確かに、かすかに変な臭いがする。


木の向こうからガサガサと音がした。次の瞬間、黄緑色の小さな影が三つ、飛び出してきた。


「きたっ!!」


ゴブリンは想像より速かった。一体が私に向かって錆びた短剣を振りかぶってくる。


「っ……!」


咄嗟に後ろに飛び退いて、間一髪で刃をかわした。心臓がドクドクいっている。スライムとは全然違う。相手に意志がある。


でも……怖いだけじゃなかった。


(これが……冒険だ!!)


「ぼーっとするな!」


カイトの声で我に返る。


「分かってる!」


深く息を吸って、足を踏み込んだ。カイトに教わった構えで、正面から向かっていく。ゴブリンが短剣を振ってきた。それを横に体をずらしてかわして、隙ができた脇腹に短剣を入れた。


手に確かな感触があって、ゴブリンが崩れ落ちた。


「一体……!」


残り二体はカイトがあっという間に片付けていた。本当に強い。動きに無駄が全くない。


「……終わった?」


「終わった。怪我は?」


「ゼロ!!」


「……上出来だ」


カイトは短くそう言って、刃の血を布で拭った。


上出来。


さっきのGランクのときとは違う、ちょっと違う言葉の重さがあった。


「……ありがとう、カイトくん」


「別に」


でも今度は、そっぽを向く前に少しだけ笑ったのを、私はちゃんと見た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ