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第17話 侵入者3 (三人称視点)

 街の郊外。

 森近くの草原。

 その男は微笑みながら、故郷の国を目指していた。

 アベルたちはうまくやった。だからこそ、その隙にその目的の物をヨハン邸から盗むことができた。

 ただもう一つ目的があった。

 それは、彼自身が故郷に帰りたかったことである。


「やっぱり、あなたが犯人でしたか」

 リヴァはそんな男の前にどこからともなく降り立った。

 リヴァはアレックとアベルの戦いの終わりを見届けた時、すべてに気づいた。それはただの偶然であったが、犯人捜しはリヴァが持つ、身体能力の高さに他ならない。

 リヴァはその男を問い詰めるように、驚きが隠せないその男の顔に自身の顔を近づけ。

「アレックさん」

「良く分かったね。君は只者じゃないと思っていたけども、まさかここまで来るとは思いもしなかった」

 その男、アレックはリヴァに微笑みかけた。

「舞踏会で見たアレックさんは偽物だったというわけですね」

「そうだよ。我が国が誇る、捨てるに値する雑魚だ。侵入した奴らもそうだ」

「捨てるに値する雑魚で騎士以上ですか」

「そうだよ。我が国はこの国よりもはるかに進んでいる。後身の育成に力も入れているからね」

 アレックはそれでと続ける。

「君はどうして僕の前に現れた?」

「したい問はいくつもありますよ」

 リヴァは静かに槍を手に取った。

「ああ、もしかして僕を倒すつもりで来たのかい? それは止めた方が良いよ。あいにくと訓練の時と今の僕は大きく違う」

 そう余裕を見せるアレックに対して、リヴァは剣で突き刺す。

 それをアレックは一瞬で抜いた剣で防ぎ、リヴァの剣を遠くへと弾き飛ばした。弧を描きそれは地面に突き刺さる。

「ああ、そうだ。食事のお誘いを受けるなら。我が国に来たいならこちら側は歓迎するよ」

 リヴァは槍を手に取り、それを遠くへ投げ捨てた。

 そして指を一つ立てる。

「問1、あなたは一体何様でしょうか?」


 瞬間、リヴァはアレックとの距離を詰めた。

 体術による攻撃。回し蹴り、そして拳をアレックは開いた手で防ぎながら、剣で反撃を心見る。

 それをリヴァは足で弾き返す。

 今度はアレックの剣が弧を描き、遠くの地面に突き刺さる。

 そんなアレックに対してリヴァは二本指を立てて。

「問2、一体どんな目的があるのでしょうか?」

「まさか、剣がなければ、弱いとでも?」

 アレックは手に魔力を集中した。

 魔方陣の展開。

 水の柱が七つ、アレックとリヴァの周りに立ち並んだ。

 それらの一つがリヴァを襲う。まるで水の鞭のように。生き物のように。それはリヴァの体を貫こうと。

 それを蹴りでリヴァは弾き返す。

「綺麗だろう。この魔法は水の都と呼ばれている。七つの柱それぞれに意味があってね」

 そう説明をするアレックに対して、リヴァは突進する。

 そんなリヴァの足元を水の鞭が襲った。

 それを飛ぶ形で避けるリヴァ。その一瞬の隙をアレックは見逃さない。

「一つ目、クラーケン」

 七つすべての柱が鞭に変わり、リヴァを襲った。

 七つの柱、それぞれはある生き物を象っている。

 空中で避けることができないリヴァはそれをすべて受け止める。鎧に穴が開くが、体に傷一つなく、平気な顔をしてアレックの方を向いた。

 アレックはリヴァがただの騎士見習いでないことは分かっているつもりだった。

 ただ、まさかこの魔法を直撃し、一切ダメージを負わない相手とは思いもせず。

 アレックは真面目な表情になる。

 魔力が尽きることはない。

 それはこの魔法が、自然界のエネルギーを使わなくては到底人間が扱うことが出来ないほど高等魔法だからである。

 仮に尽きるとすればアレックの集中力と精神。そして体力である。

 自然界に存在する様々な魔力を集結し、アレックはその魔力を魔方陣に込めた。

 クラーケンでは倒せない。

 ならば、最高の魔法を使うまでである。

 七つの水の柱が一つずる形を変えていく。


 それは水の都、最強の技。

 七つの柱の一つ、リヴァイアサン。

 七つ、それぞれ異なる姿に変わり、水の柔軟性と鉄の強度を矛盾するかのように併せ持ち、水の龍としてリヴァに襲いかかった。

 それを。

 リヴァは片腕で防いで見せた。

「何が起きて」

 そして開いた手で、三本指を立て。

「問3、俺の楽しみを奪い、そしてあまつさえ友人を傷つけようとして、まさか生きて帰れるとでも思っているのか?」

 リヴァは小さく怒りを見せた。


 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


 真っ赤に染まった土。

 リヴァははぁと小さくため息交じりに、アレックの死体を見た。

 ため息を着いたが、気分は晴れやかだった。というのも敵をすべて倒し、晴れてこの事件が解決したからである。

 リヴァが見たアレックの服。それに着いている袋に目が行き、何となくその袋を拾い上げる。

 麻の袋。

 何となく開けてみる。

「何だこれ」

 それは禍々しい宝石だった。

キャラ紹介21

モブ アレック

隣国からスパイとしてリヴァたちの国にやってきた男。一章のラスボスとして考えられたかませキャラ。

実力的には、相当なもので、リヴァはあっさりと倒したが、国で一対一で勝てる者は十数人しかいなかったりする。

しかし隣国において、アレックの立ち位置はそこまで高くなく。それぐらい隣国のレベルは高い。

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