第18話 隣国の会議でのこと
隣国の中央城。
その二階、会議室にて、三人の男たちが話していた。
「ミケルがやられたようだな」
「奴は四天王の中でも最弱」
「隣国の騎士ごときにやられるとは我が国の面汚しよ」
ミケルとはアレックの本名である。
真っ暗な部屋。窓のカーテンは閉め切られている。部屋の中には丸いテーブルと四つの椅子。壁際にソファがある。
三人を照らすのは三本の蝋燭のみ。
「次は俺に行かしてくれ。火の芸術を見せてやるよ」
「いや、俺が行こう。土の圧倒的な力を見せなくてはな」
「四天王最強の俺は大人しくここにいよう」
「誰が最強だ、こら!」
二人の声が被る。
火の一人。名はフランツ。
土の一人。名はジャック。
風の一人。名はハインリヒ。
そんな中、窓のカーテンが勢いよく開く。
それと同時に眩しい光が窓から入り、三人の顔がしっかりと見えるようになる。
「あなたたち、一体何をやっているの?」
二人。
部屋の入口で呆れた様子で立っていた。
「姐さん!」
三人の声が被る。
姐さんと呼ばれた女性はソファに座り、その後を着くように一人の男が彼女の隣に立つ。女性は他の三人を順番に見て、それでと問いかける。
「何をしていたの?」
「四天王ごっこをしてました」
「暇だったもので」
「申し訳ありません」
「いや、まあ。別に良いけども。それで、何? ミケルやられたの?」
「そうです」
ジャックが答えると、女性はへぇと呟く。
「あいつやられたんだ」
隣の男がそこで初めて口を開く。
「彼がやられるとは予想外でしたね。隣国も騎士の育成に十分力を入れているのでしょう」
「まあ、あいつがやられてもそこまで困らないからね。むしろ」
女性は小さく笑い。
「あんな男が、騎士隊長になれる程度のレベルだと分かって、隣国の弱さに同情してしまいそうね」
「同感です」
女性の名はセリア。隣国における騎士隊長の座である聖騎士の称号を持つ。真っ白な鎧と三本の聖剣を腰に携えている。
付き人の名はクロード。聖騎士の補佐を行う専属の騎士である。
「でも」
セリアは小さく呟き。
「あれを持ち帰ってこなかったのか。警備は強化されるだろうし、次盗むのは中々面倒ね」
「困りましたね」
「私が出向くのも一つの手ね」
「まさか」
クロードが声を荒げ。
「セリア様が行かれることではございません。こいつらに行かせましょう」
「誰がこいつらだ! クロード!」
再び三人の声が被った。
それにセリアは笑い。
「あなたたち、本当に仲良いわね」
「いやあ、それほどでも」
「姐さんに褒められるなんて」
「光栄です」
三人して、頭を掻いて照れた様子を見せた。
そんな光景に微笑した後、セリアはクロードの方を見た。
「クロード。ミケルがやられた相手にこいつら三人を送って何とかなると思う?」
「どうでしょうか。可能性としましては十分あります。ですが、一桁の騎士隊長が出てきますと」
騎士隊長には強さや騎士らしさを考慮し付けられた番号がそれぞれ付けられており、その中でも一桁の騎士隊長を一桁の騎士隊長と呼ぶ。
「そうね。こちら側の人間なら良いのだけれども。確率は三分の一。というよりも、信用されているか否かね。こればかりは何とも言えない」
そんな会話をする二人に三人が首を傾げる。
「あの、姐さん」
「何を話しているのですか?」
「確率三分の一とは」
「あれ、言ってなかった?」
セリアはそんな三人に教えるように言った。
「隣国が誇る騎士隊長36人。いえ、今は35人かしら。内、8人は我が国の騎士。そして一桁の騎士隊長の内、3人が我が国の騎士なのよ」
「へぇ、知らなかったです」
「隣国の軍事力をそこまで制圧しているとは」
「流石姉さんです」
セリアはほんの少しだけ笑い。
「やっぱり私が行くべきね」
そう小さく呟いた。
キャラ紹介22
モブ セリア
28歳女性。
美人&美人。
隣国で聖騎士の座にいる有能にして強者。今のところ、主人公を除いたキャラで一番強い。
実は四天王ごっこを止める要因として作られたキャラだったりする。




