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466話 模擬戦とちょっとしたトラブル

 精霊族の里から帰還した後……


 真紅の涙をガンツに渡して、武器に加工してもらうように頼んだ。

 その際、カムイやナルカミの時と同じように、俺のアイディアを足しておいた。


 ガンツは、人使いの荒いヤツじゃ、とぼやいていたが……

 しかし、その顔はおもちゃを前にした子供のよう。

 武具職人としての魂に火が点いたのだろう。


 ただ、完成までに一ヶ月は要するという。

 伝説級の鉱石を加工するのだから、それくらいは必要だとか。


 その間の代わりとなる武器を購入して……

 使い心地を試すために、俺は、カナデと模擬戦闘を行うことにした。


「うにゃあああ……」

「……」


 家の裏手の庭で、カナデと対峙する。


 そんな俺達の様子を、他のみんなが離れたところで見ていた。


「レイン、がんばるのだ!」

「ご主人さまのかっこいところを、ソラ達に見せてください」

「がん、ばれ」


 俺に対する応援が飛ぶ中、


「放電猫、それなりにがんばりなさいよ」

「ボクのお菓子食べた泥棒猫、がんばれ」

「ふふっ、オチ担当猫さん、がんばってくださいませ」


 カナデに対する声援? も飛ぶ。


「にゃんか、トリプルで変なあだ名をつけられた!?」


 タニアとイリスはともかく、リファからは、そう言われても仕方ないと思うぞ。

 というか、以前も、ソラとルナのお菓子に手を付けていたような気がするが……

 カナデは、やっぱり食いしん坊なのだろうか?


「それじゃあ、いくぞ」


 ガンツの店で買った短剣を構える。

 もちろん、模擬戦なので刃にはカバーをつけている。


 握り心地、重さは抜群。

 ただ、ずっと使っていたカムイではないから、違和感は残る。


「ふっ!」

「にゃん!」


 俺とカナデは同時に地面を蹴る。

 そして、真正面から激突した。


「うにゃにゃにゃにゃ!」


 まずは、カナデの拳のラッシュ。

 一撃一撃が重く、速い。

 ただ、動きが単調なので、見切ることは難しくはない。

 一撃のヒットも許さない。


 ただ、おかしいな?

 スズさんの特訓を受けたカナデが、こんな単調な攻撃をするはずがないのだけど……


「って、そういうことか!」


 ほどなくしてカナデの狙いに気がついた。

 単調な攻撃をしているように見せかけて、俺を、逃げ場のない場所に追い込んでいたのだ。

 完全に逃げ道を断ったところで、強烈な一撃を繰り出すつもりなのだろう。


 そうはさせない。

 こちらも反撃に出て……短剣を投げる。


「え!?」


 唯一の武器を捨てるという戦法に、カナデが驚きに目を大きくした。

 ただ、動揺しつつも体はしっかりと動いていて、投擲は避けられてしまう。


 が、予想通りだ。


「重力操作!」


 短剣にかかる重力を操作して、手元に戻るようにした。


「そんなのアリ!?」

「アリだよ!」

「むうっ、レインってば、いつの間にそんなことができるように……というか、みんなとの契約で得た力、どんどん精密にコントロールできるようになっているね」

「一応、がんばっているからな。もう一度、いくぞ。重力操作!」

「にゃにゃ!?」


 カナデにかかる重力をゼロにした。

 ふわりとカナデの体が浮く。

 地面に足がついていないため、ふんばることができない。


「ふっ!」


 ふわふわと浮いて無防備なところに、蹴りを叩き込む。

 カナデは吹き飛ばされるものの、宙を蹴ることで体勢を立て直す。


「あわわ、レインさん、す、すごいですね……」

「ふふーん、アレ、ウチと契約して得た力なんやで?」


 ティナが誇らしげにしていた。

 そんな彼女に、フィーニアはキラキラと尊敬の眼差しを送っている。


「うにゃー……負けないんだからね!」


 今度は自分の番というように、カナデが突貫してきた。

 速い。

 矢よりも速いのではないか?


 カナデと出会い、かなりの日数が経過しているのだけど……

 彼女はまだまだ成長し続けている。


 俺も負けていられないな。

 気持ちを引き締めて、カナデを迎え撃つ。


「うにゃんっ!」

「くっ!!!」


 二つの影が交差。

 地面に膝をついたのは……俺の方だった。


「いつつ……やるな、カナデ。今のは良い一撃だったよ」

「私だって、やればできるんだから。いつまでも駄猫とか呼ばせないんだからね。っていうか、大丈夫……? ちょっとやりすぎちゃったかも」


 カナデの視線の先……頬に触れると、血の感触が。

 今の一撃でできた傷らしい。


「大丈夫だよ。大した傷じゃないから、放っておいても治るさ」

「でもでも、やっぱり心配だから、ソラとルナに治癒魔法をかけてもらおう? あ、フィーニアでもいいのか。とにかく、治療を……あれ?」

「どうしたんだ?」

「レイン……頬の傷が……」

「え?」


 改めて頬に触れてみると、血の感触は残るものの、傷の痛みはない。

 というか、傷そのものが消えていた。


「これは、いったい……?」

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― 新着の感想 ―
[一言] 傷の修復が早まったのか? レインよ……。 それはそれとしてソラの料理を食べても……結局ダウンするから無駄かも!! ソラ「今回の料理は特製です……ふふふ」 あのすみません、それアリオスに…
[一言] ※先生へ NG集を書いて見ました。 (長文で失礼します。) ちょっとしたトラブルが、もしもこんな風だったら 「一応、がんばっているからな。もう一度、いくぞ。重力操作!」 「にゃにゃ!?」 …
[気になる点] ここまでレインが強くなると魔族化まではいかなくてもアリオスみたいに堕ちたら絶望ものだな。 [一言] 初めまして。マンガup!からまいりました。レインは「人間」ではなく「ニンゲン」という…
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