流星群
「なんだあれは!?・・捜索中止!総員、住民の避難誘導を始める!」
突如現れた巨大隕石により、ケール率いる見回り組は糸音の捜索を中止して避難誘導を開始していた。
「見たところ、あれの落下地点はおそらく神薙の館だ!それより遠くへ避難誘導!多くの混乱が予想される!住民を速やかに誘導せよ!」
(一体何が起こっている!?あんなデカ物どこから来たんだ・・この神薙で一体何が起こっている・・)
同時刻、巨大隕石の中心。神薙の館では現在、涼香とシャオが頭を悩ませていた。
「ここで迷っていても仕方ありません。いったん攻撃してみましょう。私が同じような氷塊を作ってぶつけますわ」
「おっけー!ほな、ついでに隕石までの道を氷で作ってくれるか?直接行くわ!」
「ついでにって、作るのたいへんなんですよ。まぁ、今はそうも言ってられませんか」
涼香は空に手をかざして氷塊を生成する。数秒後、隕石並みの氷塊を作り出して上空へと放った。放った直後、隕石までの道を氷で生成。氷の階段が現れる。
ドンッ!!!!!!
氷塊は巨大隕石に激突。凄まじい音を立てて隕石の表面を削るが、氷塊が先に砕けてしまう。砕けた氷の陰からシャオが氷の階段を使って隕石まで飛んだ。
ダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!!!!!!
シャオの拳の雨が隕石の表面をさらに削るが、それでも申し訳程度。隕石は少しだけ速度が落ちただけで、未だ健在。シャオは地上へと戻ってくる。
「あかんか!でもちょっとは削れたで!」
「これを何回か繰り返せばいけそうですが、おそらく間に合いません!」
「それでもやらんよりはマシや!やるでー!」
「わかりましたわ!」
涼香は再び氷塊を作り、シャオは隕石へと飛ぶため屈んだその時、妙な音が聞こえてきた。
「待ってくださいシャオさん!この音・・」
シュー、シュー、シュー、シュー!!!!
涼香とシャオが隕石に攻撃し始めた、時同じくして遊と火憐も迫る隕石の対処を考えていた。
「あんなもんどうしたら・・いや、今は街の避難誘導が先か・・」
「遊、涼香姉さんならあるいは・・」
「いや、あいつの創生術ならなんとかなるかもしれないが、未だ何も起こってないところを見ると・・・」
「おい!そこの二人」
遊と火憐が迷っていると金髪の少年が声を上げた。
「正直、この街がどうなろうと俺には関係ねーことだが。俺に六花について教えるっていう条件をのんでくれるなら、あれをぶっ壊しやってもいいぜ」
「なんだと!?できるのか?」
「できるから言ってんだろ。どうするんだ?時間はなさそうだぜ」
「・・・わかった。頼む」
「よし、約束忘れんなよ・・」
そう言って少年は空へと手をかざす。次の瞬間、遊は目を疑った。あろうことか少年は何も無い空間から無数のミサイルを創り出したのだ。
(この力は、異能か!?・・いや、これは吸血鬼の・・)
「量は、まぁこんくらいか・・・あとはまぁ、適当に撃つか」
少年は作り出したミサイルを巨大隕石に向かって放った。
シュー、シュー、シュー、シュー!!!!
ドッドッドッドッドーーーーンッッ!!!!!!
放たれたミサイルは巨大隕石に見事に全弾着弾。隕石は激しい爆発音とともに粉々になり砕け散る。
粉々に霧散した隕石は小さな星屑となって神薙の街を照らし、降り注いだ。まるでそれは流星群のように。その様子を京の近くの山の上から六花は見ていた。
「あれを粉々にするとはな。少なくとも涼香達ではないだろう・・一体何者だ。もしかして・・・」
「もう行こう六花さん、ルナを弔ってやらないと」
「そうだな、帰ろう」
かくして神薙の上空に突如現れた隕石は消え、先ほどまで騒々しかった神薙の街に静かな朝日がやってくる。それぞれの戦いは終わり、朝日とともに皆、順に宿に帰還する。しかし、一人を除いて。そして涼香とメイを負ぶったシャオが歩いて宿へと向かっていると涼香のの携帯の着信が鳴った。
ピッピ、ピッピ、ピッピ
「・・なんですか、志貴兄さん。今はそれどころ・・・え?」
「・・ん?どうしたん涼香」
「わかりました。すぐに戻りますわ・・」
ツー、ツー、ツー
「なんや、志貴か?なんかあったんか?」
「シャオ、皆で学園に戻りますわよ。どうやら、本命はあっちだったみたいですわ」




