夢人
「ここは・・・どこ・・ルナはどうなったの・・」
ルナは真っ白で広い何もない空間にいた。そして、そこでどこからともなく声をひろう。
(ここは私の内側でありお前の内側)
「あなたは・・誰?)
(私か・・私は夢人とでも名乗っておこう)
「ふーん・・その夢人さんはここで何をしているの?」
(ここでか・・お前になろうとしているんだよ)
「ルナに?・・どういうこと?)
(お前が使う力は私だ、私の力を使えば私となる)
「そうなったら、私は・・ルナはどうなるの?」
(お前はいなくなる)
「それはいや・・ルナはお姉ちゃんと一緒がいい)
(そのお姉ちゃんは私が守ってやるよ・・永遠に・・)
「それはうれしいけど・・ルナはお姉ちゃんと一緒にいたい」
(それはできないな・・私がいるんだから・・お前はいなくなる)
「消えたくない・・・」
(そんなに言うなら、お姉ちゃんと一緒に居させてやるよ)
「ほんと!・・ありがとう」
(ああ・・一緒に消してやる)
「それは・・・いやだ」
(ん?一緒にいたいんだろ?なら同じように消してやるよ・・寂しくないように)
「一緒にいたいけど・・・お姉ちゃんには元気でいてほしい・・だから、やめて」
(やめてか・・・それは無理だな・・だって、来てしまったよ)
その時、何にもない空間に歪ができてルミが落ちてきた。
「ルナ!・・」
「お姉ちゃん!・・」
(へー、入ってこれるのか・・流石は姉妹、同調してるからなのかな)
ルナはルミの元へとゆっくりと落ちてゆき、二人は優しく抱き合う。
「ルナ、ここは・・どこだ」
「わかんない・・けど夢の空間・・私の心の中だと思う・・あってるよね?」
(あぁ、間違いはないな・・それで初めましてという気はしないが、初めましてお姉さん、ルナの夢人だ)
「夢人・・・何者だ!」
(ルナの力そのものですよ・・正確には少し違うけど)
「異能が喋るっていうのか?」
(異能か・・たしかにそういうことになるな・・)
「ふん、どうやったらここから出れるんだ?」
(そうだな・・・それは無理かな。だって、もう発動させちゃったから・・)
「発動?」
(そう・・夢の世界が現実に浸食されていく・・そんなとんでもない力を・・私もまさか、こんなタイミングでやるとは思っていなかったから・・この野望が叶うならなんでもいいかなと・・・・あ、もしかしたらお姉さんは出れるかもね、入って来たんだし・・でも、どうだろう無理かな・・・わかんないけど)
「ふざけるな!私はここを出る!ルナと一緒にな!」
(できないと思うけど、それは困るな・・だから、ここで死んでもらうか)
「何だと?」
「ああああ・・お・・おねえちゃ・・ん」
「ルナ?・・ルナ!」
突然、ルナが悲鳴をあげ、苦しそうに悶える。
「おい!ルナに何をした!」
(ちょっと、手伝いをね。私は実体がないからね、だから、ルナにやってもらうことにした)
「なんだと・・」
(ほら、来るよ・・)
「!?」
シュンッ
ルミの近くにいたルナはいつの間にか持っていたナイフでルミを斬りつける。
(おー、避けた・・まぁ、ちょっとだけ暇つぶし感覚で見るか)
「ルナ!・・くっそ!」
「・・・・」
ルナは話さず、ナイフ片手にルミへと向かって走りだしてきた。
ルミへと近づくとナイフを振り回す。
シュッッ、シュッッ、シュッッ
「やめるんだルナ!わからないのか!」
「・・・・」
(あ-、無駄無駄。いくら話しかけても無駄。あんたの妹はもう私のものだから・・これは全部、弱いルナのせいだよ・・さぁ、世界が終わるのが先か、あんたら姉妹の戦いが終わるのが先か,見物させてもらうとしよう)




