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王宮で働き始めて、三週間。
私は初めて、大きな式典の担当表に名前を書かれた。
「春宵舞踏会。」
紙に並ぶ美しい文字を見つめる。
王族や貴族が集まる、王宮でも特に大きな行事。
「……私が、ですか?」
思わず聞き返してしまった。
マーサは頷く。
「そうだよ。」
「でも、まだ新人で……」
「新人だから任せない、という仕事じゃない。」
マーサは静かに言った。
「あとしまつ係は、経験だけでできる仕事じゃないからね。」
「大切なのは、ちゃんと見ること。」
私は初日を思い出した。
床を見ること。
残されたものを見ること。
その場所で何があったのかを考えること。
「はい。」
私は大きく頷いた。
「やってみます。」
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舞踏会当日。
大広間は、朝から慌ただしかった。
花が運ばれる。
椅子が並べられる。
料理が準備される。
たくさんの人が、この夜のために動いている。
私は少し離れた場所から、その様子を見ていた。
「すごいね……。」
隣にいたルルが頷く。
「うん。王宮の舞踏会って、本当に別世界。」
サーシャは確認表を見ながら言った。
「でも、私たちが見るのは始まる前じゃない。」
「終わった後。」
その言葉に、私は気を引き締めた。
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