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『恋物語のあとしまつは、モブメイドの仕事です。』  作者: てぃな


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王宮の朝は、いつもより騒がしかった。


廊下を行き交う使用人たち。


大きな木箱を運ぶ兵士たち。


あちこちから聞こえる掛け声。


リアは目を丸くした。


「今日は何かあるんですか?」


マーサは予定表をくるりと巻く。


「建国祭まで、あと一週間だからね。」


「王宮中が大忙しになるよ。」


「建国祭……。」


リアはまだ参加したことがない。


ルルが待ってましたとばかりに身を乗り出した。


「一年で一番大きなお祭り!」


「舞踏会もあるし、演奏会もあるし、お庭も夜まで開放されるんだよ!」


「だから私たちは大忙し。」


サーシャが苦笑する。


「浮かれてる暇なんてないけどね。」


みんなが笑った。



その日の仕事は、大広間の倉庫整理だった。


建国祭で使う飾り付けを運び出す。


金色の燭台。


季節の花を飾る花瓶。


長い赤い絨毯。


そして、箱いっぱいのリボン。


「わあ……。」


リアは思わず声を漏らす。


「きれい。」


マーサが笑う。


「でもね。」


「飾るより、しまう方が大変なんだよ。」


「ふふ。」


リアは頷いた。


それは、あとしまつ係だからこそ分かることだった。

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