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『恋物語のあとしまつは、モブメイドの仕事です。』  作者: てぃな


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16

庭園のお茶会から二日後。


王宮の朝は、鳥のさえずりで始まった。


リアは仕事表を受け取り、首をかしげる。


「今日は庭園ですか?」


マーサが頷く。


「東庭園のベンチが壊れたらしい。」


「修繕係と一緒の仕事になるよ。」


「はい。」


修繕係と一緒。


その言葉に少しだけ緊張する。



東庭園へ向かうと、すでに修繕係が集まっていた。


木材を運ぶロイ。


工具を並べる職人たち。


そして、ベンチの前にしゃがみ込むエリック。


「おはようございます。」


リアが頭を下げる。


エリックも顔を上げ、小さく会釈した。


「おはよう。」


その一言だけで、なぜか緊張が少しほどけた。



「リアちゃーん!」


ロイが大きく手を振る。


「こっちこっち!」


リアが近づくと、ロイは壊れたベンチを指さした。


「昨日、小さい子が飛び跳ねちゃったみたいでさ。」


「幸い誰もケガはしなかったけど。」


リアは壊れた脚を見つめた。


「……直るんですか?」


「もちろん!」


ロイが胸を張る。


「うちには無口だけど腕は一番の職人がいるから。」


「聞こえてる。」


エリックが淡々と言う。


ロイは笑った。


「聞かせてる。」


思わずリアも笑ってしまう。



修繕が始まった。


リアたちは周囲を掃除しながら、木くずを集めていく。


トントン、と木槌の音。


カン、と釘を打つ音。


庭園には心地よいリズムが流れていた。


リアはその音を聞きながら思う。


(修繕係の仕事って、きれいだな。)


壊れたものが、少しずつ元の姿へ戻っていく。


あとしまつ係とは違う。


でも、どこか似ている。

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