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朝の仕事を終えたあと。
リアは磨いた銀食器を戸棚へ戻していた。
「今日は午後から庭園でお茶会があるよ。」
マーサが予定表を見ながら言う。
「庭園ですか?」
「ああ。天気がいいからね。」
ルルが嬉しそうに両手を合わせる。
「外のお仕事好き!」
「花がいっぱいだもん!」
「その分、花びらもいっぱいだけどね。」
サーシャの一言に、みんなが笑った。
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午後。
王宮庭園は春の花で彩られていた。
白いテーブルクロス。
色鮮やかな花々。
甘い焼き菓子の香り。
令嬢たちの笑い声が、やさしい風に乗って聞こえてくる。
あとしまつ係は少し離れた場所で待機する。
何かあればすぐ動けるように。
それが仕事だ。
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お茶会も終わりに近づいた頃だった。
「きゃっ!」
甲高い声が庭園に響く。
リアは思わず顔を上げた。
侯爵令嬢リリアンナ・ベルガータのドレスに、紅茶が少しかかっている。
侍女たちが慌てて駆け寄る。
周囲がざわつく。
そのすぐそばには、ロゼッタが立っていた。
「申し訳ございません……。」
リリアンナは青ざめている。
ロゼッタは静かにハンカチを差し出した。
「火傷はありませんか?」
「……はい。」
「それなら安心しました。」
その声は落ち着いていた。
けれど、その瞬間だけを見た誰かが、小さく囁く。
「やっぱり……。」
「あの方、怖いわ。」
「リリアンナ様が泣きそうじゃない。」
その声は、風に乗って少しずつ広がっていく。
リアは首をかしげた。
(……そうかな。)
自分が見ていた出来事と、周りの言葉が噛み合わない。




