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『恋物語のあとしまつは、モブメイドの仕事です。』  作者: てぃな


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10

翌朝。


私はいつものように、大広間へ向かっていた。


窓から差し込む春の日差し。


庭師たちが花壇の手入れをしている姿が見える。


「今日もいいお天気。」


そう呟くと、隣を歩くルルが大きく伸びをした。


「こんな日はお休みしたくなるよねぇ。」


「マーサさんに聞かれたら怒られるよ。」


「だから小さい声で言ったの!」


そんな他愛もない話をしながら廊下を歩いていると、向こうから侍女たちがやってきた。


「おはようございます。」


挨拶を交わし、すれ違う。


その時だった。


「……またですって。」


小さな声が耳に入る。


「昨日のお茶会でも、あの方……。」


「あんなに冷たい方だなんて。」


私は思わず足を止めた。


「あの方って?」


ルルが首を傾げる。


侍女たちは私たちに気づくと、慌てて話を切り上げて去っていった。


残ったのは、少し気まずい空気だけ。


「……ロゼッタ様のことかな。」


ルルがぽつりと呟く。


私は昨日会った令嬢の姿を思い出した。


探していたハンカチを受け取って、ほっとしたように笑った人。


あの人が、そんなふうに言われる理由が分からなかった。

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