↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三国志・闞沢伝ー孫呉を内側から支えた漢ー  作者: 涼風隼人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/36

第11回 闞沢、劉表と対面する

 闞沢は、首をおさめた箱三個を兵たちに持たせ、劉表の軍営を目指した。軍営の入口にいる兵に、自分は郴県県令の闞徳潤であり、この度の反乱の首謀者三人の首を持参したことを告げた。

 

 驚いた兵は、「しばらく待て」と言って、軍営の中に入っていた。その兵が戻ってきて言う。

 「闞徳潤殿。劉表様が直接お会いになるそうだ。どうぞ、こちらへ。」

 

 軍営を進んでいくと、多くの兵たちが闞沢に注目して、何やら話をしている。闞沢は気にすることもなく、そのまま案内の兵の後ろについていった。

 

 しばらくすると、多くの兵士が守る本陣にふさわしい所にたどり着いた。案内してきた兵に促され、闞沢は一人中に入った。

 

 中央にひと際立派な髭を蓄え、戦場でもあるにも関わらず、高価そうな儒服に身を包んだ大柄で、そして凛々しい顔つきの男が座っている。これが、劉表であろうと闞沢は思った。その男が言う。

 「闞徳潤。郴県の県令と聞いた。私が、荊州牧の劉景升である。反乱の首謀者の首を持ってきたというが、まことか。」

 

 「はい。首謀者は桂陽郡太守の張羨、それに郡丞、都尉の三名でございます。首は外に控える者に持たせております。」

 

 「そうか。本物かどうか、見せてもらおう。」

 

 劉表は自ら首実検をするらしい。そして言う。

 「箱を開けよ。」

 

 兵は言われるがままに箱を開けた。中央にあるのが張羨の首である。確認を済ました劉表が言う。

 「郡丞と都尉はわからんが、確かに張羨の首だ。闞徳潤、お前が討ち取ったのか?」

 

 「いいえ。三人は自らの命と引き換えに、桂陽郡の民と兵士、役人の命を大事にしていただくようと願い、自ら果てました。」

 

 「ほう、自害する代わりに、全てなかったことにしてくれ、ということか。」

 

 「・・・。はい、意味合い的にはそういうことになります。」

 

 「ところで闞徳潤よ。この三人以外、今回の反乱に積極的だった者はおるのか?」

 

 「・・・。いない、と申せば嘘になりましょう。例えば私は、太守の命令であれば、従うつもりでおりましたので。」

 

 「太守が死ね、といえば死んだと申すか。」

 

 「もちろんです。私は、連座しての死を望みましたが、劉表様に首を渡す役目を仰せつかったので、生き恥を晒しに参った次第でございます。」

 

 「なるほど・・・。お前の話は、いいか悪いかは別にして、しっかりとした筋が通っているな・・・。郴県の県令でとどめておくのは惜しい。闞徳潤よ。私と一緒に襄陽に参れ。悪いようにはせぬ。」

 

 「非常にありがたいお言葉ですが、太守をはじめ、郡丞、都尉を失った郴県をそのままにしておくわけには参りません。」

 

 「ますます気に入った。今の話に飛び乗るようでは、人としての底が知れているからな・・・。わかった。闞徳潤よ、この桂陽郡の事後処理については、お前に一任する。」

 

 「私に一任・・・。」

 

 「そうだ。太守の代行として、この桂陽郡をまとめよ。郡丞と都尉の代わりは、こちらで手配をする。」

 

 「・・・畏まりました。一日でも早く、桂陽郡を平穏な暮らしのできる場所にしてご覧にいれます。」

 

 「いい心がけだ、桂陽郡はお前に任せる。私は今、荊州の北方で袁紹と曹操の争いが顕在化し、風雲急を告げている状態だ。急ぎ、襄陽に戻る。」

 

 「承知いたしました。桂陽郡を整え次第、すぐにご報告をさせて頂きます。」

 

 「頼んだぞ、徳潤。」

 

 こうして、闞沢はひとまず、劉表のための仕事を始めるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。