表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Das Heldenlied   ヘルデンリート 20 Die Hymne  作者: Siberius
セリオンの章
55/59

セリオン――シュタイナー

「おお、ガイアントを倒してしまったのか! 君は強いんだな!」

「?」

シベルスクスは鎧を着た騎士のおじさんに呼び止められた。

「失礼。それがしはシュタイナー(Steiner)。スカンダリア王国の騎士だ。君の名は?」

「俺の名はシベルスクス。俺は旅人です」

「今回の功績は実にすばらしい。ところでガイアントを倒した者には国王陛下が賞金を与えられ、陛下と面会できる。ぜひとも王都ウプサルを訪れて、王宮にまで足を運んでほしい。それがしは先にウプサルに帰って、君の来訪を国王陛下に告げておこう! では!」

そう言うと、シュタイナーは馬にまたがって去っていった。

「俺が言うより先に行ってしまったぞ……」

シベルスクス肩をすくめた。

「まあ、いいじゃない。スカンダリア王国の王都ウプサルに行く予定だったんでしょう? 国王とも会える約束もできたんだし、魔物も倒せたし……」

シベルスクスがガイアントを倒したことが知られて、人々が王都に向かって移動し始めた。

シベルスクスは人々に混じって街道を歩きだした。

シベルスクスは王都につくと感嘆の息を漏らした。

王都ウプサルはとにかく大きかった。

シベルスクスが今まで知っているどの都よりも大きかった。

シベルスクスは城壁を眺めた。

ウプサル全体を円形に包み込んでいる。

ウプサルは主に王宮や貴族の館がある区画、商業区、民衆区などで構成されている。

特に商業区はウプサルのビジネスの中心で平民たちが多く、働きに出かけている区画であった。

ウプサルに入るためには、兵士たちが務めている門を通らねばならない。

シベルスクスは列に並び、入国の審査を受ける。

「名前は?」

「俺はシベルスクスだ」

「シベルスクス!?」

兵士が大げさに驚いた。

「失礼しました。シュタイナー様より承っております。どうぞ、王都にお入りください」

兵士は敬礼して、シベルスクスを迎えた。

「シベルスクス殿!」

「あなたは……」

そこにシュタイナーが現れた。

目を輝かせてシュタイナーがシベルスクスに近づいてくる。

「君のことを待っていたよ。ここで会えるとそれがしは思っていたのだ。王都は大きいから君一人では迷うだろう。それゆえ、それがしが君の案内をしよう。まず行くのは王宮だ。そこで国王陛下との謁見がある。さあ、ついてきたまえ!」

シュタイナーはシベルスクスを伴って王宮を目指して歩き出した。

シベルスクスは王宮で国王と謁見した。

玉座の間は美しかった。

シベルスクスは王の前でひざまずいた。

「面を上げよ」

「はっ!」

シベルスクスが顔を王に向ける。

王は四十歳前後の年齢だった。

金髪をしていて、金色のあごひげを生やしていた。

「こたびのそちの功績を私は知っている。街道の通行を妨害していたガイアントを倒してくれたようだな。国民に代わって礼を言おう。すばらしい功績だった」

「いえ、もったいないお言葉でございます」

「私には娘がいるが、そのことをそちは知っているかね?」

「いえ、知りません」

「名をフローネ(Froone)と言う。私が愛する、かけがえのない娘だ。実はこたびの帝国との戦争で、娘は帝国に連れ去られてしまった。我が陣営はこのところディナヴィア帝国と負け戦が続いておる。今度の来るべき次の戦争は国の存亡をかけたものになろう。ところでそちはツァラトを知っているか?」

「はい、我が師にございます」

「そちはツァラトから戦略・戦術のことは学んだか?」

「はい、学びました」

「それでは兵の指揮もか?」

「はい」

「そうか」

「王様に質問がございます」

「何か?」

「我が師ツァラトのことをなぜお知りなのでしょうか?」

「うむ。ツァラトはこの国で宰相をしていたのだ。ある時引退したいと申し出て、それ以来ポリナイケスで暮らしていると聞く」

シベルスクスは王の言葉に納得した。

しかしあのツァラトがスカンダリアの宰相職にあったとは、シベルスクスには驚きを隠せなかった。

国王がようやく笑顔を見せた。

「ボックス(Bocks)将軍」

「はい!」

「この若者をそのほうに預ける」

「はい!」

「国王陛下にお願いがございます」

「何か?」

「私をこの国で雇ってください。決して失望はさせません」

「それはこちらから申し出ようと思っていたところだ。ボックス将軍、細かいところはそちに任せる。この若者の望みをかなえてやってくれ」

「はっ!」

こうしてシベルスクスと国王との謁見は終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ