セリオン――ガイアント
船は幽霊船というトラブルの後に、港町ベルファ(Belfa)に到着した。
シベルスクスは船から降りた。
そこにルキアがやってきて。
「私、あなたに興味があるの。このままあなたの旅に同行したいんだけど、いい?」
「ああ、かまわない。旅は道連れともいうしな」
ベルファはスカンダリア王国の港町である。
港町ベルファは海の玄関口だった。
そのため、多くの船が停泊していた。
スカンダリア王国の王都はウプサル(Upsar)といって、ロッキナ(Rokkina)街道を通って、ベルファと通じている。
シベルスクスはそのロッキナ街道を歩いていた。
「? どうしたんだ?」
「? 何?」
ルキアが首をかしげる。
シベルスクスは街道上で、たむろしている旅人たちに出会った。
彼らはどうやら困っているようだった。
シベルスクスは多くの人々が立ち止まっているのを発見した。
「ガイアントが現れたか……」
「ああ、ここらで有名なモンスターだ」
「困ったなあ……船から陸揚げした品物の鮮度が落ちてしまうわい」
シベルスクスは旅人の声に耳を傾けた。
「どうも、モンスターが出現して王都には進めないようだ。困ったな……」
シベルスクスは考え込んだ。
「ねえ、そのモンスターをあなたが倒してしまえばいいんじゃない?」
「簡単に言ってくれるな」
「おい、あんたまさかあのガイアントと戦おうっていうんじゃないだろうな?」
「悪いことは言わない。やめておけ。王国の騎士団が来てくれるまで待っていることじゃ」
旅人たちはシベルスクスに自重を求めた。
「俺は神剣グランツァイドを持っている。この剣がある限り俺は負けはしない。よし、ガイアントと戦おう!」
シベルスクスはガイアントがいると言われた場所まで走っていた。
そこは草原だった。
見わたす限り平坦な地面が広がっている。
茶色の土の上に左右に草の生えた所があった。
「ん? あれがガイアント(Geiant)か?」
シベルスクスは鹿一頭を丸呑みにするガイアントを見た。
ガイアントは大きな顔と口に、左右に長い腕、短い脚で構成されていた。
ガイアントはシベルスクスに視線を向けた。
舌を出し、ぺろりとなめる。
「……どうやら俺を食い物だと思っているようだな」
シベルスクスは神剣を構えた。
ガイアントは両腕を伸ばしてシベルスクスを攻撃してきた。
シベルスクスはそれを鮮やかによける。
ガイアントの拳に魔力が満ちた。
ガイアントは地走る衝撃波を出した。
シベルスクスはその衝撃はにはまともに付き合わず、横にかわす。
もし、命中したら骨折程度では済まない威力だろう。
ガイアントは口に炎をたくわえた。
シベルスクスはガイアントが炎の息を出すと、予測した。
シベルスクスの予想は正しかった。
ガイアントは炎の息を出した。
シベルスクスは炎に呑まれた。
「シベルスクス!」
ルキアが叫んだ。
シベルスクスは炎の息の直撃を受けて死んだ。
……はずだった。
しかし炎の息が収まると、無傷のシベルスクスが現れた。
ルキアはほっと胸をなでおろした。
シベルスクスは神剣で光の壁を作り、炎の息を防いでいたのだ。
シベルスクスは光を収束すると、一つの刃となしガイアントの口に突き付けた。
光の剣がガイアントを貫いた。
ガイアントは絶叫を上げるとなく絶命した。
ガイアントは倒れて、黒い粒子と化して消滅した。




