セリオン――映画
時間を少し巻き戻る。
その日外では雪が降ったいた。
シエルやノエルは雪と戯れて遊んでいた。
そんな二人を、バカと思ってアリオンは見ていた。
アリオンの目からすると、ふたりはお子様なのだ。
円卓が置かれて部屋に六人が集まった。
委員長のアンシャル、書記のクリスティーネ。
その他の委員、セリオン、エスカローネ、ディオドラ、ダリアだった。
「さて、今年も冬至祭がやってくる。いつもなら例年は演劇をやるところだが、今年は映画を製作しようと思っている」
アンシャルが発言した。
「映画を作るのか……俺たちに映画なんて作れるのか、アンシャル?」
セリオンが疑問を口にする。
「専門の細かいところはその技術を持つ、会社に依頼しようと思っています。要は例年の演劇を映画として観賞するということです。重要で人がかかわるところだけ私たちで制作すればいいかと」
クリスティーネが冷静に分析した。
「そんなプロが作るようなものではないだろうが、新しい試みだ。なかなか勝手がうまくいかないこともあるだろう。だが、このメンバーならできると、私は確信している」
「映画か……まあ、映画をやるのはいいとして、もっと具体的な話をしたい。誰が何をやるのか、そしてどんな物語なのか?」
「それはもう決まっている。私たちは英雄神話を作ろうと思う」
「はーい! 私は悪役をやりたいでーす!」
ディオドラが手を上げた。
クリスティーネは会議での発言をパソコンに入力していく。
「ディオドラ、あなたは母役で出たほうがいいんじゃない?」
ダリアが口をはさむ。
「えーー! だっていつもお母さん役ばかり私はやってるんですもの。たまには違う役をやってみたいわ。それにお母さん役ならダリアちゃんがやればいいじゃない」
「わ、私?」
ダリアはどぎまぎした。
うろたえている。
「その前に主役を決めないとな。物語は英雄神話だ。つまり主役は英雄の役だ。それはセリオンにやってもらおうと思っている」
「俺が?」
「ヒロインはエスカローネに決めた。夫婦の二人がやるのだからうまくいくだろう?」
アンシャルが意地の悪い笑みを浮かべた。
「私、ですか?」
「はいはーい! 私はセリオンと戦って倒されたいでーす!」
また、ディオドラがアイディアを出した。
「ディオドラには魔女の役をやってもらおう。ダリアは英雄の母役だ。今のところ、私はそういうキャスティングで考えている。細かいシナリオはクリスティーネに一任する。キャストはこれからシナリオに沿って固めていくつもりだ」
「まずはシナリオができないと話にならないということか」
セリオンが発言する。
「もうシナリオの構想はできているんですか?」
エスカローネがクリスティーネに尋ねた。
「現在シナリオは九割ほど完成しています。後は細かいところを煮詰めてアンシャル団長の決済を受けるだけです」
クリスティーネが
淡々と事実を語る。
「シナリオが完成したらみんなに見せよう。各委員には必要な道具や衣装、業者との取引などよろしく頼む。それでは今回の会議はこれまでとしよう」
アンシャルが締めくくった。




