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Das Heldenlied   ヘルデンリート 20 Die Hymne  作者: Siberius
ノエルの章
46/59

ノエル――アイドネウス

ウラヌスとウラニア、そしてノエルの三人は神殿の最下層にたどり着いた。

最下層は円錐型の器が中央にあった。

そこから血を流すためである。

「さあ、来なさい! ここであなたの血によって、ベルツェブル様を復活させるんです!」

ウラニアが乱暴にノエルの首につけられた首輪を引きずる、

「痛い!」

ノエルは中央のくぼみまで連れて行かれた。

そこまでノエルが来た時、ウラニアがナイフを抜いた。

そしてノエルの腕を切る。

「ああっ!?」

ノエルは苦悶に歪む。

「フフフ……この血がベルツェブル様に流れていくんですわ。ようやくベルツェブルさまがお目覚めになるのよ!」

三人は部屋の端に避難した。

ゴゴゴと音を立てて、空間全体が振動する。

その時、フロアがはじけ飛んだ。

それから灰色の肌をした巨大な怪物が姿を現した。

その姿は悪魔そのものだ。

破壊衝動の塊――それこそが破壊魔ベルツェブルだった。

ベルツェブルが大きく叫び出す。

「すばらしい! これがベルツェブルか! フハハハハハ!」

ウラヌスが笑った。

ノエルはその声を聞いて意識を失った。

ベルツェブルは地上へとはい上がっていった。

それをセリオンは見ていた。

「今のは!? もうベルツェブルが復活してしまったのか!?」

「ほう……もうハヤブサを倒してきたのか。意外と早かったな。だがベルツェブルの邪魔はさせん。おまえには闇の深淵へと降りてもらう。タルタロス(Tartaros)よ!」

セリオンの前に黒い穴が現れた。

セリオンはその穴に吸い込まれた。

ベルツェブルは突如平和なルブリアナに出現した。

ベルツェブルは大きな叫び声を上げて、人々をすくみ上らせた。

ベルツェブルは口に光線をたくわえた。

そして集中した光線を市街地に向けて発射した。

ベルツェブルの破壊光線が市街地を貫通する。

市街地は一瞬にして廃墟と化した。

「あ、悪魔だあああ!?」

「化け物ー---!?」

人々は狼狽して立ちすくんだ。

ベルツェブルの赤い瞳が周囲を睥睨する。

ベルツェブルは王宮に関心を持ったらしい。

ベルツェブルは家や建物を突っ切って王宮を目指した。



一方王宮では……

「これはいったいどういうことだ!?」

国王ルキアーノが悲鳴のような声を上げた。

「国王陛下! 危険です! すぐに退避してください! 化け物はこちらに向かっています!」

「なんだと!? ええい! クーデターから戻ってきてみれば……」

国王は例のクーデター事件の後、安全になったと思い、ノヴァ―ルに戻っていた。

ドカーンとすさまじい音が鳴り響いた。

「陛下! 陛下あっての国民です! まずは陛下の身の安全こそ重要かと!」

「当然じゃ! 国民が何人死のうと高貴なる身分には変えられぬ! では今すぐに逃げるとしよう!」

ルキアーノは国民を見捨てて真っ先に逃亡した。



一方、セリオンは……

セリオンの全身を光が包み込んでいた。

セリオンは闇の空間タルタロスに捕らわれていた。

セリオンは目を覚ました。

セリオンは重力を感じなかった。

どうやら特殊な空間にいるらしい。

「先まで闇が続いている……いや闇がすべてを包含している。闇がすべてを包み込む。さて、どう脱出するか……」

セリオンの前から黒曜の光線が放たれた。

セリオンは横に体を動かしてそれを回避する。

セリオンは光線が飛んできた方向を凝視した。

そこには一体の悪魔がいた。

名をアイドネウス(Aidoneus)。

闇の化身である。

「あいつを倒せばこの空間から出られそうだな。いいだろう」

セリオンは大剣を構えた。

セリオンはまるで水中にいるかのような感覚を持った。

「体の動かし方に慣れれば、動くのに不自由しなさそうだな」

アイドネウスはどくろの顔に、黒いフード付きのローブ、そして黒い大剣を持っていた。

セリオンは大剣でアイドネウスに斬りつけた。

アイドネウスが片手でセリオンの攻撃を受け止めた。

アイドネウスの黒い大剣がまばゆく闇を発する。

アイドネウスの「黒曜剣」である。

アイドネウスは黒い大剣でセリオンの胴を切断しようとした。

しかし、アイドネウスの攻撃は空振る。

セリオンがとっさに後退したからだ。

セリオンは光の大剣「光輝刃」を出した。

セリオンは光の大剣で攻撃する。

さすがのアイドネウスも両手を使ってセリオンの攻撃をガードした。

光の闇が反発し合う。

アイドネウスはセリオンを斬りは払うと、黒曜の斬撃を放った。

今度はセリオンがその攻撃をガードする番だった。

アイドネウスは後退するセリオンに斬撃を飛ばしてきた。

セリオンは光の大剣でこの攻撃を斬り払う。

アイドネウスは無表情なままだ。

アイドネウスはすべてを吸い込む黒い穴を作った。

これはブラックホールだった。

ブラックホールがセリオンを吸引する。

セリオンは光を集めて光の斬撃を放った。

ブラックホールは光の斬撃によって斬り裂かれ、無力化された。

アイドネウスはまだ無表情だった。

アイドネウスは黒い大剣を通して闇の立体を作った。

闇のエネルギーが周囲にまき散らされる。

それに対してセリオンは光を大剣に収束さえた。

セリオンの大剣を光の粒子が包み込む。

「これをくらえ! 光、在れ! 閃光剣!」

閃光剣はアイドネウスだけでなく、タルタロスまで引き裂いた。

セリオンを中心として光があふれ出る。

アイドネウスは光の直撃を受けて消滅した。

同時に闇黒空間タルタロスも消え去っていく。

セリオンは地下神殿の最下層に戻ってきた。

「戻ってきたか……ん? ノエル!」

セリオンはノエルに近づいた。

「腕を切られたのか……今すぐ止血しよう」

セリオンはノエルに処置を施して、抱き上げた。

「まずいな……ベルツェブルが復活してから時間がたった。今すぐ、ベルツェブルを止めなくては……」

セリオンは一度協会に戻ってノエルを預け、ベルツェブルのもとへと向かった。


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