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Das Heldenlied   ヘルデンリート 20 Die Hymne  作者: Siberius
ノエルの章
44/59

ノエル――工場

セリオンはルブリアナ支部教会に戻ってきた。

「あら、セリオン、おかえりなさい。どうだったの?」

「ああ、どうやらベルツェブル教団は現代にも実在するらしいな。ベルツェブル教団の悪魔が学術調査員を皆殺しにした」

「!? なんですって!?」

「どうも連中は破壊魔ベルツェブルを本気で現代に復活させるつもりらしい」

「そう……大変だったわね。ところで一つ情報が入っているんだけど……」

アンジェラが神妙な顔をする。

「どうした?」

「ええ、それがね、不審な工場が見つかったのよ」

「不審な工場?」

「なんでも、武器を大量に製造しているみたいなの。ベルツェブル教団が何をしたいのかはわからないけど、教団と密につながっているような工場なのよね」

「……何かあるかもしれないな。確かにその工場は妖しい。行ってみる価値があるかもしれないな」

「工場の場所はルブリアナ郊外の線路でつながているところよ」

「わかった。ベルツェブルの復活など許すわけにはいかない。俺が動いて奴らを探ってみる」

「ええ、お願いね」



セリオンは工場へ訪れた。

そこは大きく広いところで、兵器製造工場と言えるところだった。

室内は暗く、人がいなかった。

どうやらロボットが動いているらしく、人間は誰もいなかった。

セリオンは工場に侵入した。

「驚いたな……無人で武器が製造されているようだ。この工場は何のために大量の武器を製造しているんだ?」

セリオンは暗い室内を歩いた。

武器が自動化によって製造されていた。

「侵入者発見! 侵入者発見!」

ロボットが警告を発してきた。警報が鳴る。

「見つかったか。何が出てくる?」

上の階から巨大な体を持つ物が落下した。

それはカニの形をした兵器だった。

兵器名「ガニメデス(Ganimedes)」。

ガニメデスの目が妖しく光った。

「これも兵器か。ベルツェブル教団め、戦争でも仕掛けるつもりなのか?」

セリオンは武器を構えた。

ガニメデスの四本の足が奇妙な音を立てながら動き出す。

ガニメデスはセリオンに向かって突撃を試みた。

むろん、そんな攻撃をやすやすと受けるセリオンではない。

大きく横に跳んで突撃をやり過ごす。

ガニメデスは接近が無力化されたことによって、行動を変えてきた。

頭部についたバルカン砲でセリオンを狙う。

バルカン砲が発射された。

セリオンは走って、バルカン砲の弾を回避した。

「バルカン砲か……速いがそれだけでは俺には当たらない」

セリオンは逆に接近し、バルカン砲の死角から大剣でバルカン砲を叩き壊した。

バルカン砲が二門爆破する。

セリオンはガニメデスの背に乗っていた。

ガニメデスは揺れ動いてセリオンを落とそうとする。

セリオンはジャンプして、ガニメデスから降りた。

ガニメデスの目が再び光った。

強力なレーザー光線が発射された。

レーザーは施設を貫いて工場内部を破壊する。

セリオンは一回転してこの攻撃をかわしていた。

ガニメデスの背の中のハッチが開いた。

マイクロミサイル三発がセリオンを狙って照準を定める。

このミサイルには追尾機能があり、かわすことは不可能だった。

セリオンはそれらを瞬時に見抜いた。

「あれはかわせないな。それなら、ほかの方法を使うだけだ」

ガニメデスがミサイルを発射した。

ミサイルはセリオンの熱源を追尾してくる。

セリオンはそれを鋭く見つめた。

セリオンは蒼い闘気、蒼気を展開してその刃でミサイルを着弾前に叩き斬った。

ミサイルが爆発し、工場内を照らす。

爆薬のにおいが周囲に立ち込めた。

ガニメデスは右のはさみをセリオンの前に突き出した。

「いかにもあれを飛ばしてきそうな態勢だな」

セリオンの思った通りにガニメデスのはさみが飛ばされた。

ガニメデスの走行やボディーはテュタニウム(Tytanium)製で、主に兵器の素材として利用される。

硬くて軽いからだ。

機械にもよく使われるが、常人ではこれを剣で斬ることなど不可能だ。

セリオンは蒼気を収束すると、鋭い刃ではさみを叩き斬った。

セリオンの蒼気は鋭く収束することで切断力を増し、テュタニウムさえ斬り裂くことができる。

セリオンは大剣から雷電を放出した。

ガニメデスがもう一つのはさみから火炎放射を出した。

焼けこげる匂いが鼻につく。

セリオンはガニメデスの背に跳び乗ると、大剣をガニメデスの体内に深々と突き刺した。

同時にガニメデスの体内に雷電が駆け巡る。

ガニメデスは全身をショートさせてボロボロになって停止した。

ガニメデスから全身の機能が止まった。

セリオンはガニメデスから跳び降りた。

「ふう、厄介な相手だったがどうにかなったな」

セリオンは周囲を見わたした。

ガニメデスとの戦いで、内部は至る所に破壊の跡があった。

「さて、この工場から列車が出ているはずだ。どこにあるんだ?」

「おまえがそれを知る必要はない」

天上から声がした。

するとライトが点灯した。

「誰だ?」

そこにはまるで太陽のような灼熱した球体が浮いていた。

それは床へと降り立つ。

フェニックスのような姿、赤い翼、鳥の頭、クジャクのような尾。

「私はフォエニック(Foenick)。幻炎のフォエニックだ」

「おまえがこの工場を動かしているのか?」

「ククク、その通りよ。私がこの工場の責任者だ」

「おまえたちはベルツェブル教の者か? いったい何のためにこんな工場を動かして、武器を作らせている?」

「すべては革命のためだ。我々はこの地上の秩序を反転させ、闇がこの世を支配する新しい秩序を作るのだ!」

「対話は不可能というわけか」

セリオンがフォエニックを問い詰める。

「フッ、ネツァクを倒したことは知っている。セリオン・シベルスクよ! 私の炎の前にのたうち回るがいい!」

フォエニックが翼を広げた。

そしてフォエニックは全身に炎をまとった。

「消え去れ!」

フォエニックは炎をまとって突進してきた。

セリオンは大きくジャンプしてそれをやり過ごす。

フォエニックはカーブして再びセリオンに突っ込んできた。

セリオンは氷の刃「氷結刃」を出してフォエニックを受け止める。

氷の刃とフォエニックの炎がスパークを巻き起こす。

フォエニックの紅蓮の炎がセリオンを追いつめようとする。

セリオンは氷の刃でフォエニックを斬り払った。

とたんにフォエニックが分身した。

フォエニックは脚を伸ばして、セリオンを捕まえようとする。

セリオンは分身に包囲されていたが、ダッシュでその包囲から抜け出した。

フォエニックの攻撃が空振る。

「これをかわすとはな……やるではないか。だが!」

フォエニックがセリオンの足元に炎を集めた。

それはマグマの炎だ。

セリオンはとっさに後退した。

マグマの炎が噴き上がる。

フォエニックは翼を広げて炎の羽を射出してきた。

セリオンは蒼気の波を出してそれを迎撃する。

「くっ、これさえも迎撃するか……なら我が幻炎の真価を見せてやろう!」

フォエニックは妖しい蝶のように幻影を出してセリオンを混乱させようとする。

まばゆい幻炎がセリオンの周囲に起こり、徐々に包囲網を狭めていく。

その瞬間セリオンに、フォエニックが足でつかみかかろうとした。

セリオンはそれを見抜いた。

氷の剣「氷星剣」で、フォエニックの翼を一刀のもとに切断する。

「ぐぎゃああああああ!?」

フォエニックの体から大量の血が流れた。

セリオンはフォエニックの動きが止まった時を見逃さなかった。

セリオンは氷星剣でフォエニックを貫いた。

「ぎゃああああああ!?」

フォエニックが絶叫を上げた。

「まさか……この私が……」

フォエニックは赤い粒子と化して消えた。

後にはセリオンの大剣が残された。

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