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1484 青春白書  作者: 吉倉 光希
第1章「短い夏の始まり」
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第1節

~登場人物紹介~


道上 準貴:本作の主人公、高校一年生。夏は嫌い。暑いから。

小室 江美:主人公の隣の席のクラスメイト。夏は嫌い。日焼けするから。

喜田川 友哉:主人公の親友。夏は好き。川でバーベキューを計画中。

棚木 美月:準貴のクラスメイト。夏もバイト戦士。

池田 万理子:一年E組のクラス担任兼パソコン部顧問。


 「・・・で、なんでまた俺たちは掃除をしているんだ?さっき教室の窓拭きやっただろ」


 「・・・知らん」


 友哉がそうぼやいた。


大掃除が終わり、よっしゃあ、夏休みだ。やったぜ。とは何故かならなかった。俺たちはパソコン部の部室で清掃活動に精を出していた。俺と友哉は部室の机と窓ふき係、江美と美月はお掃除ワイパーで床のほこり取りだ。今日は学校全体で部活動は基本的に休み、しかし例外として室外の運動部などは十五時から開始となっている。そういった生徒たちは一時帰宅を余儀なくされ、空白の時間を過ごすことになる。何故かはよく分からないが、きっと先生方同士でこの後大きな会議でもあるのだろう。


 「準貴が池田先生の頼みを安請け合いするから、ほんとにまったく。今日はバイトないからいいけどさ」


 「いや、だって断れないだろ・・・。一応俺たちこの部屋の部員なんだしさ」


 「まぁまぁ美月ちゃん。別にいいじゃん、どうせ暇なんだから」


ホームルームが終わった後、担任兼部活動顧問の池田先生から呼び出され、部室の大掃除を頼まれたっていう算段だ。「嫌なら断ってもいいんだぞ」とは言われたものの、さすがに先生からの頼みだ。特に用事もないので請け負ってみたのだがどうも美月からの視線は冷やかだ。


 「てか、なんでこの部屋だけ掃除されないんだ?」


 「どーゆーことだよ」


友哉がそんな疑問を口にする。


 「いや、だってほかの部屋はどこかのクラスが特別教室の掃除区域として割り振られてるだろ。なんでこのコンピュータ室だけ誰も掃除しないんだって話」


 「それは・・・。そう言われれば、なんでだろうな」


多分、俺の予想だけど一つ上の先輩たちがお菓子とかジュースとか好き勝手食べてるのをほかの生徒に知られる、というか掃除させるわけにはいかないのだろう。その、食べカスとかゴミとか見つかったらマズいし。それにここ、一応飲食禁止だし。先生なりの気遣いだと俺は思う。・・・じゃあお菓子食べてる先輩たちが掃除すればいいじゃないかって?それは同感だ。


 「ほらそこ。喋ってないで窓拭きなさいよ」


 「・・・へいへい」


美月の叱責に友哉が軽く返事をした。その後、普通教室の倍はあるだろう窓ふきやら机掃除やらを終わらせる。さすがに先輩方も食べカスをこぼしてそのまま放置するというのはなさそうで、そこらへんの机一帯は比較的きれいだったと言える。不自然なくらいに綺麗なのと、先輩方が使用するパソコンの液晶画面に埃が被っていたこと以外は至って普通だった。ここは一体何部なのか若干不安になりながらも、俺たちは黙々と掃除を続けた。確か以前、この教室はコンピュータの配置上、授業には不向きで、他の時間では滅多に使われないみたいなことを先生が言っていた気がする。なんと言ってもコンピュータが通常教室の半分、二十台しかない上に、それに搭載されているOSがWindowsの産業廃棄物、もとい、特殊なそれという影響もあるのだろう。今ではほぼパソコン部の部員専用の部屋となっていることが最近になって分かった。・・・まだ生きてたんだな、このOS。

 そんな今では存在自体が珍しいコンピュータを横目に黙々と部屋の掃除を進め、最後は部屋に二つ設置されているゴミ箱(これもほぼパソコン部が排出するゴミのゴミ箱と化している)のゴミ捨てに行って俺たちの仕事はおしまいだ。


 「ほら、ゴミ捨てじゃんけん。男子もよ」


 「・・・なんだよそれ。男子っつっても全員で四人しかいないじゃねぇか」


そして俺は美月のゴミ捨て担当決めとやらに強制参加させられる。


 「ほら、友哉も早く」


 「えぇー。女子が行けよー」


まぁ友哉の言うことももっともだ。


 「出さなきゃ負けよー、じゃーんけん・・・」


そして、美月の突然の掛け声に俺たち全員は咄嗟に手を出してしまう。


 「「「「しょ!」」」」


そして美月と友哉がパー。俺と江美がグーだった。


 「美月・・・。突然はずるいだろ」


突然言われて咄嗟に出る手と言ったら断然グーだろう。ずるい、ずるいから。と言っても隣の友哉はちゃっかりとパーを出してやがる。


 「いいじゃない。はい、じゃあお二人で行ってらっしゃい」


 「・・・しゃーね。じゃあ江美、行くか」


 「そだね。行こっか」


そして、大して中身の入っていないゴミ袋を二人で持ち、ゴミステーションへと向かった。

・・・これ、一人で良くね?

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