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1484 青春白書  作者: 吉倉 光希
 第6章 「幼馴染は永遠に」
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第4節

~登場人物紹介~


道上 準貴:本作の主人公、高校一年生。イケメンだがオタク。

高橋 遥 :主人公の幼馴染。元野球部マネージャーで現在諸事情で入院中。

 「・・・」


 「泣きすぎ。お前」


泣き止んだ彼女が傍にあった箱テッシュで、片手で器用に鼻をかんでいた。


 「・・・はぁ」


 「どうした?」


 「確かに温かいご飯食べたいって言ったけどさ」


 「なんだよ、温かかったろ?」


 「キチガイっていうか、なんというか。あの状況でよくラーメン茹でようと思ったわね。あんた、なんか脳の病気かなんじゃないの?」


 「失礼な奴だな。俺の頭は至って普通だよ」


 「そうかしら」


そう言って笑って見せた。それは半日ぶりの彼女の笑顔だった。


 「・・・美味しかったか?」


 「まぁね。でも私、醤油より塩派なんだけど」


 「そんな文句言ってたらもう作んねぇぞ」


 「もうラーメンはいいわよ・・・。こんな自棄食い、もう二度としたくないわ」


ラーメンは本当に美味しかったけど、と付け加える。確かにこんな盛大に親子喧嘩をした後のラーメンだ。なんとなく彼女の言ってることも理解できた。


 「よくキャリーケース引っさげてここまで来たわね」


 「ここまで親父に車で送ってもらったんだよ」


 「・・・手間だったでしょ。お疲れ様」


 「そんな手間ではなかったけどな。この湯きりザルが結構高いんだよ」


そう言って片づけ途中だった手持ち付きの湯きりザルを彼女に見せつける。よくラーメン屋とか、食堂とかで見るやつだ。これでお構いなく湯切りしたせいで病院の床はびっちゃびちゃだった。まぁだから新聞紙敷いたんだけどね。


 「・・・確かに、家じゃあそれ無くてもザルに移せばいいもんね。それ、病院に広いお湯捨て場がないからわざわざ買ってきたの?」


 「そうだよ。二千円するんだぞこれ」


 「・・・やばっ。百均とかにないの?」


 「それがないんだよ・・・。って、調理器具の話は別にいいんだよ」


 「あんたが先にしだしたんじゃない・・・」


閑話休題。さて、なにから話せばいいのやら、あるいは何も話す必要はないのか。


 「とりあえず、天気もいいし外でも行くか。ここの病院、近くに広い大きな庭があるだろ」


 「・・・私行ったことないからわかんないけど、そうなの?」


 「そうなんだよ。ほら、乗れ」


そう言って俺が部屋の隅にあった車椅子を彼女の傍までもってくる。


 「・・・私、こんな顔だけどいい?」


 「誰もお前の顏なんて見てないって」


 「ほんと最低。この幼いた気いけな私にそんなこと言ったらまた泣くわよ」


 「ラーメン早食い女が幼気?どこの世界基準だよそれ」


 「・・・あんた、ほんといつか女の子泣かすわよ」


もう既に泣かせてるんだよなぁ、と学校で隣の席の女の子の顏を思い出す。もう手遅れ、というかこの残念な俺はむしろ嫌いじゃないくらいにはなってきた。そう清々しい気持ちで遥の車いすを押し病室を出た。


 ちなみに、後々看護婦さんたちにカセットガス(火気の取扱い)についてこっぴどく叱られたのは言うまでもないだろう。あとついでに一階の食堂に行けばラーメンは食べられるってことも教えてもらった。・・・あるのかよ、食堂。


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