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acquired ability ―神に与えられた才能―  作者: Bamboo Smart
序章
3/4

神

「俺死んだな…」


 正則は、うっすらと目を開けた。

 彼のいるところは雪の上のような、雲の上のような、真っ白な砂浜のような場所だった。


 「何処だここ?……まさか、死後の世界か?」


 正則は、死後の世界など全く信じていなかった。

 しかし、そこは死後の世界としか思えないほど、美しく広大でそして偉大さを感じる場所だった。


「本当に何もないな…」


 正則の立っている雪のような、砂のようなものは地の果てまで続いているように見えた。


「福井正則」


「ほへっ!?」


 誰もいないと思っていたこの不思議な場所で、突然声をかけられ正則は変な声を出してしまった。


「何変な声を出しているのだ?」


「そりゃ驚くでしょ…ってかあんた誰?」


 長く伸びた雪のような白い髪、同じく長く伸びた髭、彫りの深い顔に、金色の眼からは、威圧感を感じられる。……まさかこいつ……


「神だ。」


(やっぱり…)


「……おいそこ驚くとこだろ!神だぞ神!!驚けよ!!」


「…と言われてもなぁ。」


「まあ、それよりも本題に入ろうか…まずお前は死んだ。」


「あれで死ななかったらおかしいわな…」


「ただ、死んだ場所が問題なのだ。」


 正則は交差点で死んだことの何が問題なのか、いくら考えても分からなかった。


「実は交差点の辺りの世界の境界が、薄くなっていたのだ。そこに、お前が叩きつけられたので境界を越えてしまい、無の空間で死んでしまったのだ。」


「そもそも、なぜ境界が薄くなっていたんだ?」


「それはその…わしが視察に行ったからだ。決して暇だから遊びに行った訳では無いぞ!!」


 神は非常に分かり易い性格だった。


「それはともかく、お前は無の空間で死んでしまったために天国に行けないのだ。」


「え……それって幽霊になるってこと?」


「それならまだいい、この場合永遠に天国に行けないのだ。しかも気が狂う可能性が高い。」


正則は自分が気が狂ったりするとは思えなかったが、永遠にこのままというのは流石に嫌だった。


「そこで、魂はそのまま新しい肉体に入れようと思う。」

 

「出来るの?そんなこと。」


「ああ、肉体なら造ることが出来るからな。ただし、赤ん坊の肉体に入れるぞ。赤ん坊の時からでないと肉体に馴染めないからな。それと、お前の元いた世界とは違う世界だがそれでいいか?」


 新たな人生を送れるのならと正則は即答した。


「それでいい、というかそれがいい。」


「それでは、早速」


 そう言って神は空間を切り裂いて、その中に正則を放り出した。

次回、異世界に行きます。

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